↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/56

第2話 高校入学して出会いました

 「入学おめでとうございますー!」


 DPOのサービス終了から数週間後。

 これから3年間通うことになる高校の入学の日がやってきた。

 

 「新入生の皆様はこちらの体育館へとおすすみくださーい!」


 桜の花びらが舞い散る広いグラウンドを通り、案内されるがままに体育館へと向かっていく。

 遠くから見ただけでも中学のよりも大きいと感じていたが、中に入るとより一層感じる。

 これが市立と私立の違いなのかもしれない。


 入り口にいる先生に名前を言うと、クラスが書かれた用紙を渡され、壇上にあるスクリーンを見ながらクラスが書かれたところに向かうように言われた。

 ちなみに渡された用紙には1ーBと書かれていた。

 

 「1-Bは……奥か」


 言われた通り、壇上にあるスクリーンで確認すると1ーBは画面の右上に表示されている。

 その場所へと向かうと、ビシッとスーツを着こなしているガタイのいい男の人が立っていた。

 男は俺に気づくと大きな声で話しかけてきた。


 「お、1-Bの生徒だな、最後尾に横一列で並んでくれ!」


 話しながら列を指差す男に俺は礼を言ってから最後尾へ横向きに並ぶ。

 隣の人と目があったので軽く会釈をするも、そこから話が続くことはなかった。

 コミュ力があればもっと話が弾んだのだろうかと思いながら、ブレザーの内ポケットからスマホを取り出して暇つぶしにダウンロードしたゲームを起動させた。


 「えっと……1-Bの最後尾ってここですか?」


 ゲームに没頭していると声をかけられたので、振り向いた先には女子生徒が立っていた。

 首元まで伸びたふわふわの焦茶の髪にくりっとした大きな目が特徴的な女子でおそらく可愛い部類には入ると思う。


 「……そうですよ」


 そう答えると女子生徒は礼を言ってから俺の隣に並ぶ。

 微かにだが、フローラル系の匂いが鼻の中を通り過ぎていった。

 先ほど同様にそれ以降は何も話すことなく俺は再びスマホのゲームに没頭していった。


 「あれ……?」


 ゲームを遊んでいると先ほどの女子生徒が声を上げる。

 気づいて視線をそちらへと向けると、ずっと俺のスマホを見ていた。

 

 「……俺のスマホがどうかした?」


 声をかけると、女子生徒はハッとした表情で最初は慌てていたがすぐにスマホを指さす。


 「それって——」

 「これより、入学式を開始いたします!」


 入学式開始のアナウンスによって女子生徒の話はかき消されてしまう。

 スマホを内ポケットにしまうと正面の壇上の方へと視線を向けることにした。


 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 

 「それでは校長先生、挨拶をお願いいたします」


 入学式が始まるとアナウンスが入ると、小太りの初老の男性が壇上に立った。

 どうやらこの人が校長のようだ。

 

 「本日入学の日を迎えられた、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます」

 

 ありきたりな挨拶から始まった校長の話は気がつけば1時間近く経っていた。

 

 「なんか校長の話が終わる気配なくね?」

 「眠いの我慢してたけど、そろそろ限界が来そう」

 「たしかに、ゆったりとした声だから……ぐぅ」


 あまりの長さに周囲が騒がしくなっていた。

 校長もそれに気づいてるのかわからないけど、お構いなしと言った感じでずっと話し続けていた。


 「それでは入学式は以上になります、新入生の皆様は順番にこの後教室へと向かってください」


 校長の話が始まってから2時間近く経とうとしていたが、この後に職員会議があるとのことで、強制的に打ち切られていた。

 校長の話が長すぎたのか、その後に壇上にあがった生徒会長の挨拶は短く感じられた。


 「それでは1ーBの皆様、移動をお願いいたします」


 アナウンスが入ったので、俺も含め周囲のクラスメイトたちも一斉に動き出していった。


 「ここが1ーBか」


 教室の入り口に立てかけられた看板を確認してから中へと入っていき、黒板を見ると座席と名前が描かれた大きな用紙が掛けられていた。

 

 「えっと藤阪は……」

 

 黒板を指で追いながら自分の席を探していき、発見することができた。

 場所は後ろの方。これなら授業中に寝ることもできるかもしれない。


 そんなことを考えながら自分の座席に向かっていく。

 座席には名前の書かれた用紙が貼り付けられているので、探すのは容易だった。

 そして、自分の名前が貼られた席へ到着する。


 ずっと持っていたカバンを机の上に置き、椅子に座っていく。

 俺と同じように自分の席をみつけたクラスメイトたちも次々と座っていく。


 「あっ……!」


 後ろから声が聞こえ、反射的に振り返った先には入学式の時に俺の隣にいた女子生徒が立っていた。


 「ここですね」


 そう言って俺の隣の席に貼られた用紙を見ていく女子生徒。

 流れで俺も用紙へと目を向けると、『姫島 彩葉』と書かれていた。


 「えっと、私……姫島彩葉ひめじまいろはっていいます」


 椅子に座った女子生徒……姫島さんはこちらを向いてお辞儀をしていた。


 「藤阪一颯です……」

 

 彼女に釣られるように俺もお辞儀を返す。

 敬語になっているのは相手が敬語で話していたからそれに釣られたからだ。

 たぶん。


 「そういえば、入学式の時に気になっていたんですが……」

 「何を……?」


 そういえばあの時、俺のスマホをずっと見ていたな。

 これと言って他の人も使ってる少し高めなスマホなんだけどな。


 「もしかして藤阪さんってDPOユーザーだったりしませんか?」

 「え!?」

 

 彼女の見た目からそぐわない単語が出てきたことに驚いて変な声が出てしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押していただけると作者への応援になります!

執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!



↓↓↓新作投稿しました! お時間があればぜひ!↓↓↓
コミュ障ぼっち、最強剣客として無自覚にバズる〜最弱魔物を真っ二つにしただけなのにバズってしまいました。え、実はS級モンスター? いやいやご冗談を〜
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。