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戦いの女神とまで言われた天才指揮官ですが降格したので問題児を集めて新しい部署で自由にやらせていただきます!  作者: ねこ


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13/19

13戦目 難題を解く鍵

 国の中枢にある貴族院の夜会……しかしその中でもシークレット会員というのがある。


「またメアリーが邪魔しよった。」

「あの街は移民政策の足掛かりにする予定だったのだが……」


 仮面を被った貴族達。しかし、話してる内容は国益を損なう話であった。


「降格左遷したのだが余計に邪魔となったな。」

「いっそ騎士団を使って消すか……」


「馬鹿を言え!そんな命令聞くはず無かろう。それに騎士団の連中は第1師団団長を筆頭にメアリーを支持しておる。下手をするとこちらに牙を向けるやもしれん。」


「まぁよい、所詮奴らは1師団に過ぎん。それより新たな武器の性能はどうだった?」

「上々ですよ、これを騎士団に持ち込めば少なからずこちらに支持を集められましょう。」


 国の中枢に忍び込んだ者たちは静かにこの国を侵略しようとしていた。





 ロゼッタ姫を迎えてはや2日……燃えない布、紙の工作を試行錯誤していました。


「私にはちんぷんかんぷんだから稽古してるねー」

「私もー!行こうアネリー!」


 という事でフェスとアネリーは外の稽古場へ向かった。フェスのおかげでアネリーの動きは前より段違いに変わった。小細工や槍との間合いの取り方は見るからに変わった。だけど1番は戦闘感だ。絡め手に対して動揺が消えていた。フェスは槍の他に暗器も使用してる。そういうのを読む力は長けているフェスだ。アネリーの回避能力は一流に近くなって来てる。


「あの2人の成長は微笑ましいですね。」

「はい、我が妹ながら誇らしく感じます。」


 冷静さは未だにないが、教養もある。なのでフェスにダンスを教えてる事もある。これから社交会にも出る場合や潜入、警護だってフェスを使う機会があるかもしれない。その時の為にも教えるのは必要であった。だけど私たちが一度教えた時は逃げ出してたのにアネリーには素直に習ってるのはなんか解せなかった。


「メアリー様、まずはこちらの問題からです。」

「そうでしたね。ハァ……」


 私は1つため息を吐いた。なかなか材料が見つからないのだから。


「焚き火をして分かった事もありましたがやはり空へと押し上げるには無理があるようですね。」


 火を起こし、薪を汲めると火の勢いが増した。そしてその空気が高く昇るのを確認し、この力を利用しようというアイデアは悪くなかった。しかし、そこから暗礁に乗り上げています。


「まず空気を集める為の布ですね。そして燃えない物にしなければなりません。」

「なかなか良い材料は有りませんね。国の中を探してもらいつつ諜報部にも他国でその様な物がないかを確認して貰ってます。」


 ロゼッタ姫の諜報部は優秀だ。だが、今回の探し物はなかなか見つからないだろう。


「もう1つは火力を維持させる事ですね。空にいる間も火を起こし続けなければなりません。」

「それと何人乗れるのかもですよ。」


「最低何人乗れるのが理想ですかね?」

「4人は乗れるスペースがほしいわね。」


 ロゼッタ姫の注文はなかなかに厳しい要求だった。


「4人……ですか……」

「難しいのは分かっています。なのでこちらは私で解決します。なのでお2人には燃えない布をお願いします。」


 そう言ってロゼッタ姫はレイと共に部屋を出て行った。


「あちらも相当な難題ですが、大丈夫でしょうか?」

「あの方の知識は本の中にあります。本を読んで何かヒントを見つけてくるはずです。」


 コーネリアの不安も分かります……私も不安があります。でも、信じています。だから私は私のやり方で見つけます。という事で……


「コーネリア!町へ行きますよ!」

「……わかりました。変装はしてくださいね。」


 コーネリアは1つため息を吐いて部屋を出ます。そして私はというと、髪型をいつものロングで何もしてない状態からおしゃれ一つ結びの髪型に変えて白い帽子を被る。服装も少しはまともな物を着ます。そしてコーネリアから一言……


「すいません……もう少し落ち着いた物にしましょう。明らかに貴族です。」

「貴族ですから……」

「そういう問題ではなくTPOを考えてください。」


 という事で私服に着替え、髪型も普通の一つ結びに直した。


「あの様な格好は私と2人きりでデートに行く時だけにして下さい。」

「え……?」

「なんでもありません。」


 少し頬を赤くしたコーネリアは私からスッと離れてしまいました。


 留守はロゼッタ姫とレイに任せて、私たちはサーヤの迎えも兼ねて町にきました。


「久しぶりですね。まずはどこへ向かいますか?」

「まずは鍛冶屋ですね。お爺さん元気にしてますかね?」


「あの方は大丈夫でしょう。殺しても死なない方ですよ。きっと……」

「コーネリアも冗談を言うのですね。」


 私はクスクスと笑いながらコーネリアを見た。コーネリアは少し照れたように顔を背けます。


「あの方は私たちにも態度が悪いですから……このくらい言っても良いと思います。」

「確かに……伊達に毎日客と喧嘩してないものね。」


「どうやらまたやってますね。」


 お店の通りにまだ来ると怒鳴り声が聞こえました。


「いいじゃろ!わっちの刀治してくれよー」

「てめぇー!いい加減にしやがれ!一昨日治したその剣をもう壊しやがって!職人を舐めてんのか!」


「仕方ないじゃろ!居合い斬りの練習してるんだから!」

「なら、腕磨いてから使え!」


 客との喧嘩は日常茶飯事ですが、どうやら今回はあのお客さんにも非がありまたそれを理解してるからお爺さんも強く出れないようでした。


「相変わらずですね。お爺さん。」

「誰がジジィだ。性悪女ども!コイツだろ。とっとと代金払って帰んな!」


「メアリー様に失礼な!」

「いいのよ。コーネリア、仕事さえしてくれれば私は文句はありませんから。」


 そして私はお客さん?の方へ顔を向ける。


「お困りですか?」

「そうなんじゃ、この刀また折れてな。業物なのだがわっちにはまだ不慣れで上手く扱えんのだ。」


 観るとこの辺りでは見ない細長く鋭い剣でした。


「お爺さん、困ってますよ。」

「知るか!そいつは治しては翌日には治してくれと毎度くるんだぞ!」


 道具を大切に使う。大切な事だ。たぶんこの方もわざとではないだろう。その証拠にもう一本の脇差は古いが手入れされてると見える。


「すいませんが……その脇差を見せてもらってもよろしいですか?」

「??……いいぞ!」


 少し不思議な顔をされましたが構わず私は脇差の剣を鞘から抜きます。するとやはりよく手入れされていました。


「よく手入れされてますね。」

「おぉ!わかるのか?」


 いきなり顔を近づけてきて迫られたので少したじろぎましたが話を続けます。


「えぇ……錆や綻び、鋭い刃……全て至高と言うべきですね。」

「じゃろ!じゃろ!」


 私は彼女の話の勢いで最初は気が付かなかったが手のひらに布を巻いているのを見つけた。


「その布は滑り止めですか?」

「ん?あぁ、これか?これはなぁ豆が出来てて潰れてるんじゃ。」


「まさか……貴女それで剣を振ってたのですか!?」

「もちろんじゃ!毎日の積み重ねがわっちを強くするんじゃ!」


 私とコーネリアは顔を見合わせます。


「わかりました。お爺さんの方は私から交渉しましょう。コーネリア、彼女の手のひらを見て下さい。場合によっては医療機関へ。」

「かしこまりました。」


「ちょっと待て!交渉は助かるがわっちはこの国の人間ではないぞ!」

「だからなんなのですか?困ってる人が居たら助ける当たり前のことをしてるだけですよ。」


「いや、そんな医療を受ける金など……」

「それはこちらがお出しします。あなたの努力への報酬と思って下さい。それに自身の怪我より物を優先する貴女に私は感銘を受けました。ならばそれに応えるべきなのです。分かったら貴女はコーネリアと医療機関へ。その怪我では剣を2度と振れなくなりますよ。」


 コーネリアと女の人は医療機関へ向かいました。そして鍛冶屋のお爺さんに直談判します。


「あの、お爺さん……お話しが……」

「嫌じゃ!あの娘の剣は治さん!」

「そうですか……では……」


 私は大きく息を吸います。そして……


「奥さーん!いますかーー!」

「なっ!」


 すると奥から女の人が現れる。このお爺さんの奥さんだ。このお爺さんとは10歳離れてるそうだが……


「どうしたんだいメアリーちゃん。」

「おい、馬鹿やめろ!」


 お爺さんは慌てて私の口を塞ごうとしますが奥さんに首根っこを掴まれます。


「この方また客を追い返してました。あと態度も相変わらずです。私とコーネリアを性悪女と言いました。」

「なんだって……アンタ!ちょっとこっちきな!」


「お、おいやめろーー!」


 数分後、顔にアザを作って帰ってきたお爺さんは渋々先程の剣を鍛え直し始めた。


「おめー、碌な死に方しねぇぞ。」

「騎士団に入った時から覚悟はしてます。それよりあの人の剣を鍛えなかったのは休めって事だったのですか?」

「ちっ……気づいてたならお前も止めろよ。」


「私……性悪女らしいので……」

「根に持ってたのかよ。悪かったな!」


 そのままお爺さんは剣を熱しては叩いてを繰り返していく。その中である疑問を持ちます。


「その布は……燃えないのですか?」

「ん?あぁ……燃えるぞ、燃えにくいだけだ。」

「それ!どこで売ってるんですか!?」


 私はグワっと前のめりで聞いていました。お爺さんは凄く驚いていましたが私はお構いなしです。


「こ、これか?これは売ってねぇよ、作ったんだ。熱い物を触る以上火傷は付きものだ。それを和らげるために布を何重にも重ねたんだ。オリジナルだから売ってないんだ!」


 なるほどそれならもしかしたら私たちでも……となります。


「ありがとう!また来るわ!」

「2度と来るな!」


 私は振り向いてお辞儀をした。そしてお爺さんの背後を指差しました。お爺さんは背後を振り返りました。


「まだ仕置きが足りない様ね……」


 私はそのまま医療機関へと足を運びます。その背後で悲鳴の様な声と拳が肉にめり込む様な音がした……気がした。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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