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26 動き出す計画 その1

次の章に入る前に登場人物のおさらいを


石川(いしかわ) 瀬利亜(せりあ) 風流院高校に通うハーフの「男前の美少女」高校生、石川瀬利亜は怪奇事件を解決するエキスパート、モンスターバスターであった。しかして、その実態は「大怪獣ゴメラ」を素手でノックアウトする無敵のスーパーヒロイン・シードラゴンマスクであった。「熱く燃え盛る正義の心のある限り」今日もシードラゴンマスクは戦い続けるのであった!!


神那岐(かんなぎ) 千早(ちはや) 「対魔神刀・神那岐の太刀」を操る巫女剣士。一四歳だが飛び級で瀬利亜と同級生。素朴で天然。瀬利亜が大好き。


錦織(にしきおり) 光一(こういち) 風流院高校教師で瀬利亜たちのいる雪組の担任の物理教師。怪しい関西弁を操る軽いノリのイケメン。「サイバーヒーロー・電脳マジシャン」として瀬利亜たちをサポートしている。


◎リディア アルテア サティスフィールド 瀬利亜同様、モンスターバスターのトップメンバーの一人。14代目「大魔女リディア」。ふわふわした優しい美女だが、「人格変更プログラム」を活用することで、シビアな交渉や戦闘もできる。


安倍(あべ) 清正(きよまさ)  魔王の血を引く…ただの高校生。


綾ノ小路(あやのこうじ) (はるか) 名家のお嬢様で、瀬利亜たちの同級生。霊的なすごい才能がある?


◎バネッサ・日下部(くさかべ)・オブライエン 魔王の血を引く清正を追って現れた勇者。今は腐れ縁で、瀬利亜たちと同居している。


久能(くのう) (たくみ)   石川家の執事。今は行方不明の瀬利亜の父がスカウトした凄腕の人らしい。いろいろできるらしいが、詳細は不明。



◎ドクターフランケン 秘密結社「スーパーモンスターズ」の幹部。モンスターを改造したり、さまざまなメカを自在に扱う。見た目はただのおっさん。


◎黄金マント スーパーモンスターズ最高幹部。マッチョな美形で変態。すごく強く、いろいろと秘密があるらしい。


羽生(はしょう) 麗華(れいか) 縦ロールのお嬢様。瀬利亜のクラスに転入してくる。マント軍団四天王の一人、「レディマント」


◎スーパーモンスターズ首領 すごく大きくて、存在感のある大男。詳細は不明。




ちなみに教室での清正たちの席配置です。


        教卓        入り口


生徒  生徒  生徒  生徒  生徒  

生徒  生徒  生徒  生徒  生徒 

麗華  生徒  生徒  遥   浅水 

生徒  橋本  清正  瀬利亜 生徒 

生徒  生徒 バネッサ 千早  生徒 

生徒  生徒  生徒  生徒  生徒 

生徒  生徒  生徒  生徒  生徒 

                  入り口


 薄暗い部屋に三人の人影があった。

 「どうだね。何が見えるかね?」

 一人目の男に声を掛けられた巫女姿の女性が口を開いた。


 「難しいわね。不確定要素が多すぎて、未来が定まらないの。」


 「……ということは、実質的に五分五分くらいだとみればいいのかね?」

 腕を組んで、床に座り込んだ一番大柄な男が口を開いた。

 「そうね。厄介なコンビだわ。抜群の知識と対応力を持った組み合わせだから。そして、遠からず全ての真実を見つけてしまうでしょうね。」

 「こちらに寝返ってくれる可能性は?」

 大男が巫女を見上げて聞く。

 「ゼロね。二人とも意志力の強さは超A級でもトップクラスだから。美夜さんの方がまだ話し合いの余地がありそうだわ。

 伝説のスーパーヒーローコンビの魂を一人で受け継いだ娘と、『この世の真理の神髄(しんずい)』を身に着け、『全てを思い出した』魔女だからね。行く道を決めたら二人とも一ミリたりともぶれる余地がないわね。」

 「そういう透視の結果なのだね。では、計画を急ぐとしよう。われわれ、いや地球を真のユートピアにするために。」

 最初の男が天を仰いで立ち上がった。



 「今日のホームルームでは、文化祭に何をするかを決めるで♪」

 「私たち二人も協力しますから、普通ではできない催し物も大丈夫ですよ♪」

 錦織とアルテアがニコニコしながら言うと、瀬利亜がすっと手を挙げて言った。


 「先生たちのご助力は『必要最低限』でお願いします。」


 「え?なんででっか?みんなが望みうるすごいものが…」

 「私たちのクラスの出し物ではなく、『錦織先生とアルテア先生の出し物』になったのでは、意味がありませんから。もう少し、先生方の『技術力』にご配慮下さい。」

 言いながら、瀬利亜は教壇に近づいて行く。


 「…アルさん、やる気がありすぎでしょ?いくらこの学校が不思議なことが多いからと言って、本気のアルさんがいろいろやったら大騒ぎになるわよ?」

 教壇に上がると、二人だけに聞こえるように瀬利亜が囁いた。


 「…すごいわ、瀬利亜ちゃん。大人でもなかなかそこまで配慮できないから。」

 釘を刺されたはずなのに、アルテアはかえって嬉しそうに答えた。



 「喫茶店がいいです!」

 (ありきたりだな…)

 「お化け屋敷で!」

 (この学校で怖がるやつがどれくらいいるんだろう…)

 「メイド喫茶にしよう!!」

 (…メイド喫茶か…いいかも♪)

 左隣の橋本が力強く、「メイド喫茶」と声を上げたの聞きつつ、清正は一人ごちた。

 (このクラスは『中身はともかく』美女・美少女がやたら多いよな。アルテアさんにも着てもらったりするとさらにいいかも♪)


 男子はみんな同じようなことを考えたのだろう。

 「メイド喫茶」に賛成する声が次々と上がりだした。


 「私はメイド喫茶には反対です!」

 男性陣の声の大きさにメイド喫茶に決まりそうな流れの中で、瀬利亜が立ち上がって声を上げた。

 (ま、まずい!!)

 清正は焦った。女子に「カリスマ的に支持」されている瀬利亜ならメイド喫茶への流れを簡単に断ち切ることが出来る。本人が良かれと思って発言、行動することもあり、その発言はさらに重みを増す。メイド喫茶案は暗礁に乗り上げたとみるのが妥当だろう。


 「石川さん!なぜメイド喫茶に反対されるんですか?このクラスにはこれだけ『逸材が揃っている』のに、それを生かさないのはもったいないです!!」

 しかし、相手が超難敵とわかっていながら橋本は頑張った。

 『女子たちを持ち上げる』ことで、なんとか支持を取り付けようとしたのだ。

 (橋本、頑張れ!今回は俺も応援するぞ!!)

 怖くて口には出さなかったが、清正は内心思い切り橋本に声援を送った。

 そして、それはクラスの男子ほぼ全員の心の声でもあっただろう。


 「橋本君、目の付け所は悪くないけど、ツメが甘いわね。画一的なメイド服で女性陣の魅力全てを本当に引き出せると思っているのかしら?」

 (((……なんか、予想と流れが違ってきているような……)))

 想像のななめ上を行く瀬利亜のセリフに男子生徒はもちろん、女生徒たちも瀬利亜の一挙手一投足に注目しだした。


 「『各国民族衣装・飲茶』というのはどうかしら?

 自薦・他薦を含めて、選ばれた『精鋭たち』がそれぞれに合う民族衣装を着てサービスをするのよ。衣装選びや衣装作りだけでもすごく楽しめると思うわ♪」

 「ま、参りました!!不肖橋本、全力で協力させていただきます!!」

 男性陣はもちろん、女性陣もほぼ全員乗り気になって、『各国民族衣装・飲茶』計画は始動したのであった。



 (どうしてこうなった…)

 レディマントこと、羽生麗華は「オランダ風衣装」を身に着けて、呆然と立ちすくんでいた。

 「まあ、可愛らしい♪本当に似合うわ!」

 目の前で「チャイナドレス」を着たアルテアがニコニコ笑っている。

 (…この人、存在自体が反則だろ!!)

 最初は胸が入らなくて着れなかったのを、魔術で細工して着こなしたのを見た時は麗華は愕然とした。


 「アルさん、予想のさらに上を行く『凶悪さ』だわね。かといって、大人しいのにするのはもったいないし…悩ましいところね。」

 「あなたも、人のこと言えないでしょ!?」

 へそ出しのインドの踊子風の衣装を着ている瀬利亜に麗華がツッコミを入れる。

 「そうかなあ、普段もおへそは…げふんげふん!!……麗華さん、その衣装とても似合ってるわ♪」

 途中で、明らかなごまかしが入れた後、もじもじしながら来るバネッサに瀬利亜は声をかけた。

 「そのフラメンコ風衣装ものすごくいいわ♪♪」

 「…そ、そうかなあ…。なんかひらひらして恥ずかしいんだけど…。」

 「そんなことはないわ♪バッチリよ!ついでにその衣装で意中の彼をゲットするとかすごくよくない?」

 「…な、何をいってるんだ?!意中の彼とかそんなものは……」

 バネッサの声がだんだん小さくなっていったのを見て、瀬利亜の目が獲物を狙う鷹の目のようにキラッと光った。

 「…その話はあとで『ゆっくりと』しましょうね♪」

 「待て、瀬利亜!」

 にっこり笑うと瀬利亜はバネッサの元から離れ…和服に着替えた千早の元にすっ飛んで行った。


 「かわいい!!マジ天使!ありえない!!」

 赤い可愛らしい着物を着た千早に抱きつくと、ぎゅうぎゅう抱きしめている。

 「そんなにかわいいですか?!てへへへ♪」

若干苦しそうだが、それ以上に嬉しそうに千早は笑っている。


 「あ、いいんだ!私もしちゃおう♪」


 楽しそうに抱き付きをしている瀬利亜をみて、アルテアは反対側から千早を抱きしめた。


 「着心地はいかがでっか?」

教室に入ってきた光一は瀬利亜・千早・アルテアのサンドイッチを見て目を丸くした。

 「ちーちゃん!わてに真ん中をゆずってーな!!」

 「絶対、いやです!!」


 「あら、光ちゃん。私に挟まれたら嬉しい?」

 瀬利亜がからかうように言うと、光一は首をかしげた。

 「……ぜんぜん嫌じゃあらへんけど、嬉しいかどうかと言うと……なんやろね?」

 「いやいや、そのマジ解答じゃ、どう反応していいか困るから。

 それは、ともかく、錦織先生。みんなの装いも見てあげてください。」


 言われて光一は周りを見回した。

 スイスの衣装を着た「おっとり風」の遥、「オランダ風のお嬢様」麗華、「スペイン、フラメンコ風ではにかんでいる」バネッサ、日本人形のような千早、衣装はインドの踊子風だが、肌の白さと銀髪が際立つ瀬利亜、チャイナドレスから、「いろいろセクシーなものがはみ出しそう」なアルテア、アイヌのコロボックル風でちまちまかわいい浅水雫、あと二人の女生徒たちもいい雰囲気を出していた。


 「みんな、バッチリや!!あとは、料理をきっちりできれば完璧や!」

 「そこで、錦織先生にお願いがあります。」

 瀬利亜がにっこりとほほ笑みかける。

 「先生に料理長をお願いします。バイトで中華鍋を振るわれたご体験を今こそ生かされるときです!!」

 「よっしゃああ!!任せんかい!!家庭でも腕が錆びつかんように週末はきっちり料理しとったから大丈夫や!」


 「瀬利亜さん、『飲茶』を選んだのはもしかして…」

 「遥さん、ご名答。錦織先生をあてにしての話です♪時々交代で私も鍋を振るけどね♪」


 こうして、文化祭「民族衣装・飲茶」計画は順調に動き出したのであった…

 サブタイトルはそっちかいな!?(BY光一)


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