ep15-4 地下街の悪魔
ゼノンは、黙々と6階層の片付けをしていた。
大体半分くらい片付けが終わった感じだ。
一休みしているとミアとノアが様子を見に
来たみたいだ。
「何やってんの?」
「見ての通りだ。」
ミアが腕組みして、考え込んでいた。
考え込まなきゃわからんかな?とゼノンは
思った。
「う〜ん?筋トレ?」
「違うだろ!」
「そうですよ、ミアさん。きっと宝探し
ですよ。」
と、ノアが言った。
こいつ、どういう目で俺を見てるんだ。
「だから、1人でコソコソやってるんですよ、
で?何が埋まってるんですか?」
馬鹿は無視して、続きをやるか。
片付けていると、下の階層に続くのか階段が
出てきた。
タイミングが⋯悪い。
キラン☆
ノアの目が光る。
「来ましたね。ついに隠し階段の出現ですね。」
いや。多分崩れていたから見えなかっただけ
で隠し階段というわけでは無いと思うが。
「さ、ミアさん。行きますよ。」
「え?行くの。」
ま、マジで?
「い、いや。片付け終わってないし。」
と、ゼノンは言ったが、
ノアは頸を振って、
「ダメですよ、独り占めする気ですね。」
「わかったよ、行けばいいんだろ。
何もなくても文句言うなよ。」
ゼノンは、半分ヤケになって階段を降りて
いった。
ミアが階段を降りながら、
「変じゃない、この階段長すぎるわ。」
その疑問は、俺も感じていた、この階段の
感じだと最下層の10層まで繋がってる感じだ。
10層って、また、強いボスとかいるんじゃ
ないか?
俺1人で何とかなるのか?
うん?
「光が見える。」
ノアが頸を振って、
「下層の方が明るいっておかしいわ、
何かあるわよ!」
と、ちょっとキレ気味で言っていたが、
お前が行きたいなんて言うから。
ゼノンは、最下層と思われる場所に出てから
長槍を構えて念のため戦闘体制を取った。
しかし⋯。
「なんだ⋯ここは?」
「す、凄い、お花畑だよ。ミア!⋯どうして?」
ミアは、上を見た。
「ま、眩しい。こ、ここは閃光石の結晶の
鉱脈ということなの?⋯。」
ゼノンが、ミアの近くに行き、
「なんだよ、閃光石って。」
「え?知らないの?閃光石って、その名
の如く閃光を放つ石なんだけど、
普通は成分が混じるくらいだから、すぐに
消えちゃうけど、結晶は初めて見たわ。」
「ミアさん!この花見たこと無いですけど、
知ってますか?」
ミアは、ノアが差し出した花を見て、
どこかで見た気がする⋯どこだろ?
「う〜ん。遠い昔にみたことある気が
するんだけど⋯ゼノンなんか心当たりない?」
ゼノンが見ると、
「これは、あれだな。月下華だ。」
「あ〜。そうだ、シルバー家にいつも飾って
あったやつ。」
ノアが不審そうな顔で、月下華ってこんな
鮮やかな花じゃないし、飾る花じゃない
ですよ。
薬草だったはずです。
ゼノンは、頸を振って、
「エルフの里に咲く月下華はな、鮮やかに
咲くんだ、うちはそれをいつも飾ってた。
確かに効能は薬草なんだけどな。」
「とりあえず、これを取って上に戻るぞ。」
ゼノン達が5階層に戻ると、不思議なくらいに
静かになっていた。
「どうしたんだ?カレン達のところに行くか。」
カレン達はいたが、微動だにしないまま、
止まっていた。
まるで世界の時間が止まった様に錯覚した。
グレンは急いでカレンの元に行った。
ミアが震えながら、グレンに訴えた。
「え?ゼノン、どうしたの。
カレンもエルも動かないよ。」
グレンは、絞り出すような声で、
「石化だ。石化の術を使う奴が
ここにいるんだ。」
と言った。
石化⋯!?
「石化ならなんとかなるわよ!月下華よ!」
「そうか、そうだった。ノアすぐに月下華
をだせ!」
ノアは、ため息をつきながら、リュックから
月下華を取り出し、ゼノンに渡した。
ゼノンは月下華からエキスを抽出し、
カレンにかけてみた。
カレンの石化は見事解除された。
「カレン、誰だ!誰にやられた!」
「あ、悪魔。地下街の悪魔がやってきた。」
カレンは、それだけ告げると、気を失って
しまった。




