ep15-3 古の砲撃
城塞都市からグレン達が出ていってから、
1ヶ月が過ぎようとしていた。
万が一に備えて、最初は城門の近くに
配備されていたが、最近では邪魔だから、
町外れに置いたらとか、そもそも必要?
なんて話も出ているらしい。
「俺も役に立つ筈だったんだけどな⋯。」
ちょうどその頃、城塞都市の上空をジッタが
回遊していた。
「おや?ここですか。ミントさんが攻略できなかった都市は⋯。」
ジッタは少し考えて頸を振った。
「城塞都市なんて言っても上空はガラ空きじゃないですか。私が神の鉄槌を下して上げますわ。」
ピピピ。
「うん?これは、カレンがくれた警報器だな
なんで鳴ってる?⋯確か。」
『いいですか?ブラットさんこれが反応
したら、横のボタンを押してください、
そしたら、光が敵がいる方向を指します
から、遠慮なく一斉砲撃をして下さい。』
「うむ。横のボタンを押す。」
ブラットが横のボタンを押すとまばゆい光が
真上に向かって放射された。
「直上か!全身が壊れても構わん、渾身の
一斉砲撃だ!」
上空では、ジッタが攻撃の合図を出そうと腕を
上に上げた瞬間、地上から夥しい数の砲撃が
ジッタ目掛けて飛んできた。
「ま、不味い。ゴミども私を守れ!」
聖域生物が塊となってジッタを守ろうとしたが
一瞬で消えてしまった。
「ば、バカな。このままでは殺られる。
やるしかない⋯転移。」
ジッタは転移して難を逃れたと思ったが、
膝から下が、ブラットの砲撃により
なくなっていた。
ジッタはその場で転がり込むように倒れた。
そこに怒りの形相のカーチスが立っていた。
「ジッタ。どういうつもりだ。
転移で我が居城に出現などあり得ん、
居場所を探知されたらどうするつもりだ。」
「すみません。敵に不意を突かれ窮地になった
ので仕方ありませんでした。」
「誰が、ミントの粗探しをしろと
言ったんだ!次は無いと思え、次やったら
確実に消す。」
カーチスは怒りを抑えきれず、その場で
ジッタを殴り飛ばした。
「なかなか、今回の領主は勘がいいみたい
だけど、部下がボンクラじゃダメだね。」
と、アリス王女は、遥か上空からカーチス
達のやり取りを見ていてつぶやいた。
「反応が消えた⋯逃したか。」
砲撃に慌てて領主が飛び出して来た。
「ブラット殿一体何があった?」
「直上から、人外の群れと指揮官が襲来した。」
「せ、聖域が攻めてきたのか⋯。」
領主は青ざめ、絶望している様子だ。
「⋯が。ほぼ完全に殲滅した。指揮官は取り
逃したみたいだが。」
一緒に来た側近が、
「え?殲滅?」
カレンにもらった警報器を見て、
「これのお陰で、先手を打つことが出来た、
カレンに感謝しないといけない。」
領主は腕組みをして、
「また来るでしょうか?」
「わからんがすぐは来ないと思う。
指揮官は相当深い傷を負ったはずだ。」
領主は頷いて、
「こちらも体制を強化しないといけませんな。」
と神妙に言った。
ブラットも同意するように頷き
「次は相手も相当準備して来ることが予想
される、入念に準備が必要だ。」
と言った。
いつもの立ち位置に戻りいつものように
していると、子どもたちが集まってきて
ブラットをジッと見ている。
「おっさん、めっちゃ強いんだな。
びっくりしたよ。
俺、目だけはいいからちゃんと見えたよ、
あの化け物たちを一瞬でやっつけるなんて
凄いよ。尊敬するぜ。」
「へ〜。ボーっとしてるだけじゃないんだ。」
と、もう1人の子どもが言った。
「きっと、わざとそう見せてたんだ、本当に
強者は力を誇示しないって父さんが
言ってたよ。」
と、子どもたちは口々にいろんな事を言って、
去って言った。
ブラットは、その光景を見て、
「初めて、7大貴族に生まれて良かったと
思ったかもするない、感謝されるって
こんなに嬉しいんだ。」
と言って、大粒の涙を流した。




