アイテム化
意識を取り戻した海斗は白目が黒に染まっていて、邪悪なオーラをたなびかせていた。
四肢を拘束していた朧月のメンバーが異変に気づく。アトムが鉄平と同様に海斗の胸を貫こうとしたその時、空が割れた。
朧月のメンバーは空を見上げた。そこには今までとは比べ物にならないほどの時空の裂け目が空から地面に落ちてくる様子だった。海斗が醜悪に顔を歪めて呟く。
「アイテムボックス闘法、マイナス一、国喰」
朧月のメンバーはなす術なく、全員海斗のアイテムボックス内に閉じ込められた。そこは前後左右全てが闇に包まれた空間だった。海斗が朧月に告げる。
「ここは球体になっているアイテムボックスの中心部だ。出口はないし、出ようとしたら僕が殺す」
海斗は朧月のメンバーを前にしてそう告げた。朧月のメンバーは怒り立って海斗に襲いかかる。海斗は右手を前に突き出した。
「アイテムボックス闘法、零、アイテム化。【狩人】」
海斗がアイテムボックスから何かを取り出した。それは【狩人】エアリスの弓に似て異なる物だった。海斗が弓を構えると歴戦の戦士の風格を纏った。海斗は素早く弓を番て連続で朧月のメンバーに当てると、海斗は朧月のメンバーがどこにいるのか探知できるようになった。
「アイテム化。【雷光】」
海斗がそう呟くと、海斗の手にはスタンガンが握られていた。海斗がスタンガンを朧月の一人に押し当てると、雷が落ちたような音が鳴って、朧月の一人はぶっ飛んだ。海斗がニヤリと笑う。
「後、七匹」
アトムが朧月に指示する。
「全員!一斉にかかれ!」
二人の朧月のメンバーが海斗に肉薄した。海斗は弓とスタンガンを地面に捨てると新しくアイテムを出した。
「アイテム化。【虹帝】」
海斗は七色のオーブをアイテムボックスから取り出すと。新しくアイテムボックスを開き、中から朧月のメンバー全員を取り出し、ゼロ距離でカオス・ボムを放った。アトムが声を漏らす。
「まっ!」
ドッゴォォォォォーン!
轟音が鳴り響いた後に立っていたのは【幻術】サクモただ一人だった。サクモがいう。
「小林海斗の力がこれほどまでとは、お前の手にかかって死ねることを光栄に思おう。だが終末の日は止まらない。せいぜい束の間の平和を楽しめ」
海斗が問答無用でサクモを殺そうとすると、【次元】ショータと【魔眼】イビルアイが現れた。
「お兄ちゃん!やめて!」
海斗は反射的に攻撃をやめた。その瞬間サクモが海斗に幻術をかける。海斗は膝から崩れ落ち、地面に倒れた。サクモは赤褐色の目で空間に裂け目を作り、逃走した。
海斗は三日三晩起きることはなかった。
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