チート能力を発揮するぜ!!
私が応接間に近付くと、楽しそうに談笑している声が漏れてきた。
ちょうどいい、声から人物と状況の把握を試みよう。
応接間まであと5メートル程の距離がある。
私は『地獄耳』を発動し、牛歩で近付くことにした。
付与された特殊能力は意識による身体強化……つまり私がそうしたいと願えば、大体イケる。
正にチート中のチート!
俺無敵!
あっ『俺TUEE』のが良いかな?この場合!!
第二王子殿下:「高熱を出して倒れるとは……ルビーは私の知る限り風邪のひとつもひいたことがないというのに……心配だな」
宰相候補:「そう……殿下の仰る通り、ルビー様は今まで健康そのものだった。 ……突然高熱なんて出来すぎている。 ニコレット嬢を階段から突き落としたのはわざとに違いありません」
ヒロイン・男爵令嬢:「そんな……きっと具合が悪かったからぶつかってしまわれたのですわ……」
騎士:「……殿下の命を受け彼女を運んだが、意識はなく、確かに高熱も出ているようだった。 あの状態で突き落とすのには無理があるだろう。 だがニコレット嬢への嫌がらせの嫌疑は晴れてはいない」
(ほーん……大体わかった)
ジェラルドとドノヴァンは既に籠絡されてると見ていいようだ。思うに他攻略対象もおそらく籠絡されている。
何故なら第二王子殿下は隠しキャラだったハズ……他全てを籠絡して初めて絡むことが出来るのだ。そもそも殿下は男爵令嬢ごときが絡める存在ではないし、学校にも来ない。
彼女は転生者であり、ゲームの内容を知ってる可能性が高い。
『ここがゲームの世界だと勘違いしてる』か『実際にここがゲーム世界』なのかは知らんが、概ねゲームの最強ヒロインストーリーで事が進んでいるようだ。
そして、なにより決定的な事実。
ヒロインの階段落ち……やっぱり私のせいにされてる。
判決……有罪!(即決)
黒だ!黒だ!まっ黒だ!!
つーかメンズ共(殿下以外)も許さぬ!!
(女に騙されこの清廉潔白な私にあらぬ罪を被せようとは…… ざまぁ力10,000,000の私の悪役令嬢力を見せてやるぜ!!)
ノープランだが、チートの私には関係ない。
ライラが応接間の扉を開けると、私はにこりと微笑み恭しく淑女の礼をとった……
──次の瞬間。
「うぐっ?!」
「がはっ!!」
嗚咽をあげながらバタバタと倒れるジェラルドとドノヴァン。
倒れる彼らの目には私のカテーシー姿が映っているだろう。
……ふっ。
だがそれは…………残像だ!!(どやぁ)
私は目にも止まらぬ早さで二人の後ろに回り、 手刀で首の側面を打ち気絶させることに成功した。
「あら? お二人はお疲れでらっしゃるようですわね……エイブリー」
「御意」
とりあえずアイツらは邪魔なので、穏便にご退席願った。
隣の部屋で寝かしとこう。
ざまぁは……後で靴の中に炊いたごはんとか入れときゃいいや。(雑)
「ルビー! 大丈夫か? 心配したぞ!!」
殿下が心配そうに私に駆け寄る。
……今日も殿下は愛らしい。
そう、何を隠そう殿下は……
まだ8歳の、絶賛バリバリ現役ショタっ子。
だからこその隠しキャラである。
生憎だが、私にショタ属性はない。
愛情はあるが恋愛対象として見れないのは、そういう理由からだ。
「ルビー様……」
おずおずと歩み出るニコレット嬢を、殿下の頭を撫でながら一瞥する。
──ここでチート能力の発動だ。
『スキル開示!!』
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【ニコレット・オブライエン(15)♀】
職業:学生/男爵令嬢
男性ウケ話術:90
男性ウケ愛嬌:95
庇護欲そそり度:82
固有スキル:
『きゃっ、ごめんなさい系ミス』
『私強がってるけど本当は……オーラ』
『瞳ウルウル・身体プルプル』
『少女漫画風エフェクト』
『階段落ち』
特殊スキル:有
その他:転生者
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キタ────!!
転生者キタ────!!!!
コイツが殿下を愛しているのであれば良いが、愛だとしても「オネショタ最高~♪」とかぬかすショタ好きだった場合…………保護者として見過ごせない。
即、消す!!
再び私は『頸動脈を狙い撃ち☆超高速de残像必殺首筋チョップ』を繰り出した。
──しかし
「なっ……?!」
私の繰り出した『頸動脈を狙い撃ち☆超高速de残像必殺首筋チョップ』(※コピペ)は首筋にヒットすることなく空を切る。
避けられた……だと!!?




