僕は夢を見た(25)
山賊の一件以降、僕はクナイを投げる練習をしていた。
いざという時、大切な人を守るために。
場所は武道場。
周りでは騎士達が鍛練をしている。
よしひろう:「今度こそ守り抜いてみせる!」
クナイを投げる僕。
7、8m先の的に突き刺さるクナイ。
脳裏に大切な人たちの姿が過る。
セナ、リズ、リズの親父さん、アスター隊長…
ただ、問題があった。
クナイが2本しかないため、頻繁に的まで取りに行かなければならなかったのである。
これは正直面倒臭い。
よしひろう:「買い足すか?」
よしひろう:「いやいや、もったいない。」
などと自問自答する僕。
よしひろう:「ダメだ、ダメだ、集中せねば!」
今日はもう充分だろうと自身が納得できるくらい練習したので騎士宿舎を後にする。
城門に向かいながら先程のクナイの事を考える。
よしひろう:「どうしたら面倒じゃなくなるだろうか?」
よしひろう:「………閃いた!」
そう、クナイの柄の部分の丸穴に紐を通せばいいじゃないか。
それを引っ張ればわざわざ取りに行かずにも済む。
よしひろう:「これだ!」
と行き先を道具屋に方向転換する。
道具屋に入る。
店内では店主っぽい年配の女性が常連客と思われる客と世間話しをしていた。
店内をゆっくりと見て歩く僕。
よしひろう:「紐、紐、紐~」
紐を探していた時にあるものが目に入った。
大きめのメジャーのような形をしている。
中にはワイヤーが巻いてあるようで、ワイヤーの先にはリングが着いている。
リングを引っ張るとワイヤーが延び、離すと元の位置に戻る。
よしひろう:「こ、これは!」
現実世界で「キーバックリール」と呼ばれているものに近かった。
これを2個持ってお会計場所へ。
キーバックリール×2 3960G
次はこのリールを装備するためのベルトを買いに武器防具屋へ。
特に選り好みはなかったのだが、最低限、丈夫で衣装の色に合った黒色のを探した。
よしひろう:「あった。」
そのベルトを腰に巻いてみる。
特に不快感は無い。
先ほど買ったリールをベルトにセットしてみる。
なかなかいい感じだ。
ベルトを持ってお会計場所へ。
ベルト×1 2980G
会計をすませると店の外でさっそく準備に取り掛かった。
リールとクナイをキツく縛る。
リールのベルト通しの穴にベルトを通す。
そのベルトを腰に巻く。
よしひろう:「できた!」
いよいよ試す時が来た。
武器防具屋の近くの木に向かいクナイを投げる。
コンッという音とともに木に突き刺さるクナイ。
そのクナイに繋がったワイヤーをクイッと引っ張ってみる。
木から外れ、シャーッという音とともに腰まで戻ってくるクナイ。
よしひろう:「完璧だ!」
その出来映えの良さにご満悦な僕。
新しい装備が誕生した瞬間だった。
城門前の石に座り流れる雲をぼんやりと眺める。
今日は充実した一日だった…
意識が遠退いていく。
目が覚めた。
横ではスマートフォンのアラームが鳴っている。
すかさずそのアラームを止める僕。
今日も仕事だ。




