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未来へ繋がる絆  作者: 香月 よつ葉
大学1年生
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クリスマスの寄り道

菜須よつ葉side

お佳の家を後にした紅羽と竣とうのっち。


「ファミレス寄っていかない?」


珍しく紅羽が竣とうのっちに声をかける。


「昼飯食っていこうか?」


竣は紅羽の提案に補足して了解の意を表した。


「紅羽が誘うなんて珍しくない?」


うのっちは、嬉しいくせに一言余計なことを言ってしまう残念なところもある。


「宇野? 嫌なら遠慮なく帰れ」


竣が冗談とも本気とも取れる一言を落とした。


「いやいや、そういう意味じゃ」


慌てるうのっちに竣が止めの一言


「分かりにくいわ!」


「ごめん」


くだらない会話をしながら歩いているとあっという間にファミレスまで着いていた。入り口を入ると、中はクリスマスということもあり空いていた。


「お好きな席にどうぞ」


店員さんの声に、紅羽たちは禁煙席の奥の広い席に座ることにした。


「貸しきり?」


「喫煙席に一組居たよ」


「すげーな」


紅羽の横にさりげなく座った竣。紅羽はメニュー表をうのっちと竣に手渡し、紅羽は竣のメニュー表を一緒に見ていた。


「何にしようかなぁ?」


うのっちはページを捲りながら選んでいる。


「色々美味しそうだな」


「シェアして食べてもいいかもね」


「そうだな。紅羽はどれがいい?」


「ピザも美味しそう」


「これじゃない?」


「そうそう!」


「後は、このサラダも良さそうだよな」


「あっ、美味しそう!」


紅羽と竣はメニュー表を見ながらテンポよく決めていった。


「お前ら俺が居るの忘れてない?」


うのっちが拗ねる。


「お前メニュー表に必死だったからな」


竣がサラッとうのっちの言葉をバッサリ切る。


「宇野君は何するの?」


「このグラタン旨そうだし、フライドポテトも食べたい……悩む」


「それ頼んでみんなで好きなもの食べれば良いんじゃない?」


紅羽がうのっちのフォローをする。


こうして色々頼んで三人で話ながら楽しく食事を進めていた。そしてドリンクバイキングで色々な飲み物で盛り上がり、ゆっくりとした時間を過ごしている。


「今日はゆっくりできたな」


「食べて飲んで喋って、楽しかった」


竣が二人に声をかけた。


「俺、トイレ行ってくる」


うのっちは一人トイレへと向かった。


「……竣」


紅羽は思いきって竣に声をかけた。


「ん? どうした」


「うん……」


紅羽は鞄の中からあるものを取り出して深呼吸をしてもう一度竣を呼んだ。


「……竣」


「なに?」


「これ、竣に使ってほしくて買ったの。だからもらってくれる?」


「えっ? なに? 俺、もらって良いの?」


「うん」


紅羽は竣に包みを渡す。竣は、紅羽の気持ちを察してうのっちがいない間に鞄の中にしまう。


「部活の時に使ってもらおうと思って、リストバンドなの」


紅羽が頬を赤くしながら言葉を紡いだ。


「紅羽、ありがとう」


竣は嬉しさを隠さず笑顔を見せる。


うのっちがトイレから戻り、そろそろ帰ろう。ということになり三人で会計をしてファミレスを後にしてそれぞれの方向へ向かって歩き出した。








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