うのっちが幹事?!
菜須よつ葉side
街には「赤」や「緑」色の様々なイルミネーションがもうすぐクリスマスだと言うことを教えてくれている。
幼児教育学科の茉莉ちゃんに偶然出会い忙しそうにしていた。グループ課題で[クリスマス会]をテーマにした教室の飾りつけの演習実習があるんだぁと言っていた。
(小学校に無くて良かったぁ……)
紅羽は内心ホッとしていた。小学校の壁面は図工の時間の作品や書道を掲示してあるくらいだ。
学部により忙しい時期が違うんだなぁ……とぼんやり思う紅羽。
講義室で、いつものように4人で集まっているときに、うのっちが思い出したかのように声をかけた。
「なぁ! クリスマス集まろうぜ?」
「うのっちっていつも突然だよね」
お佳がサラリと返す。
「楽しそうね」
紅羽が、うのっちの発言に乗っかる。
「宇野が居れば嫌でも楽しくなるだろうな」
竣がボソリと溢した言葉にお佳がすぐさま反応をする。
「うのっちが幹事だもんね! あはは」
お佳がサラツと爆弾を落とす。
「はっ?! 俺? 無理だって!」
「宇野、お前教師目指してるんだろ? 担任になったらお前どうするの? 幹事ぐらいやれ」
更に竣が、お佳の後押しをするような言葉を繋げた。
「わかったよ。俺が幹事する」
うのっちが諦めたように返事をした。
それぞれの思いが脳裏で色々と巡っていた。




