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未来へ繋がる絆  作者: 香月 よつ葉
大学1年生
88/160

クリスマス・プレゼントには?

香月よう子side

 師走も第二日曜日の午後。


 紅羽は、街に出ていた。

 クリスマスパーティーで渡すつもりのクリスマスプレゼントを買う為だった。


 プレゼント交換をするという話は特に出てはいないが、そこはやはり「クリスマス」。それに、普段仲良くしている仲間への感謝でもある。


 紅羽は、大型雑貨店「LAFT(ラフト)」に来た。

「LAFT」の中はもうクリスマスムード一色だ。

 イルミネーション輝く大小のツリー、パーティーグッズ、色とりどりのクリスマスカード……etc


 そんな中、紅羽はマグカップを探し始めた。 

 この寒い時期、温かい飲み物をいれる普段使いのカップは、何個あっても邪魔にはならないだろう。


 センスはやはりさりげにアピールしたい。

 でも予算もあるし……


 色々手に取り、あれこれ探していたら、


「あ! これ素敵(いい)!」


 紅羽は思わず小さく呟いていた。

 しかも、柄違いで五種類もある。


 どれもいいのだが迷った末、その中で四種類を選んだ。それぞれ中身がわかるように、包装紙の上に、竣には青、うのっちには緑、お佳には赤のリボンシールを貼ってもらった。ついでに自分の分はピンクにした。


その後。

 セルフカフェで、温かい紅茶とスコーンを頂きながら、紅羽は逡巡していた。

この約一週間程、ずっと悩んでいることだ。

 

 しかし、紅羽は遂に決心した。

 そして、別の店へと向かった。

 そこは……




 一方、その頃。


「おい! 宇野。お前がここがいい、て言ったんだろ!」

「ああ。OLの姉貴が、この店の品ならリーズナブルで間違いない、て」


 さっきから「CANAL 4℃」の店頭でぼそぼそと、あからさまに挙動不審な竣とうのっち。


「お客様。どのようなお品をお探しですか?」


 二十代半ばくらいの若い女性店員がそう声をかけてきた。


「恋人の方へのクリスマスプレゼントでしょうか?」

 それは見事な営業スマイルだ。


 しかし、二人は「恋人」の一単語に、ボン!と顔を真っ赤にさせ、

「あ、あの……。恋人じゃないんですけど。同じ年の女の子に、ペンダントを……」

と、しどろもどろになっている。


「ご予算はどのくらいで?」


 竣とうのっちが顔を見合わせ、

「税込み一万五千円未満で……」

と、竣が答えた。



「それでしたら、こちら十金のピンクゴールド、イエローゴールド、ホワイトゴールドでこのようなお品がございます」

店員が、予算内の品だけを全て選び出し、その中でも7、8本を提示した。


「どう思う? 宇野」

「うーん、紅羽にはこのピンクっぽい金のチェーンで、お佳にはホワイトのがいいと思う」

「だな」


 しかし、トップスがハートだったり、三日月だったり、雫型や、ジルコニアの一粒石だったり……。

 二人にはさっぱりお手上げだった。


それでも、安くはない買い物だ。

 何より、あの二人に本当に似合う品をプレゼントして、心から喜んで欲しい。

 その一心で竣とうのっちは、一つ一つ、丁寧に見ていった。




 その一方で────── 


 お佳は、百貨店「LUMNOUS(ルミナス)」の地下二階・文具コーナーに来ていた。

 本革製のブックカバーを買う為だった。

 色々な種類があったが、お佳の目をひいたのは、十種類以上カラーバリエーションのあるカラフルなブックカバーだった。

 自分の分も含めて四種類、やはり色違いで購入した。


 その時。


(紅羽と竣はともかく、うのっちに本革のブックカバーなんて、猫に小判ね)


と、そんなことが心に浮かび、一人クスクス笑う。


「楽しそうだね、岡田さん」


 その時、急に背後から声をかけられた。


「先輩……どうしてここに……?」


 そこには、いつからそこにいたのか遥人が佇んでいた。


「僕は、愛用の万年筆がちょっと調子が悪くなってね。修理を依頼しに来たんだよ」

遥人はいつものように柔らかく微笑む。


「ところで、岡田さんはクリスマス。やっぱりあのメンバーで過ごすの?」

「え? ええ……。イヴに、みんなで……」

「じゃあ、25日は空いている?」

「え?!」

「クリスマスを僕と一緒に過ごさないか?」


自分より10㎝高い遥人を見上げる。

 その瞳は、柔らかな色を湛えているだけで、それ以上のことは読み取れない。


「君のマンションまで車で迎えに行くよ。午後二時に」「せ、せんぱ、い……」

「じゃあ、25日。楽しみにしている」

 そう笑んで、お佳の返事も聞かずに遥人はその場を後にした。まるでそれが当然のことのように。


 後には、呆然と佇むお佳だけが残された。


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