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矢久勝基、日記  作者: 矢久 勝基


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11月18日 AIの話、続く。

 昨日はその後、AIと長く話してしまったわ。

 というのも、わりと俺はAIに関わる作品も描く。百噺の『010ナビコと隆志の恋話』……はちょっと違ってたけど、『022鬱ゲー』とかはそうか。

 AIに接する人間が何を考え、感情もないはずのメカニズムに、人間はどのような感情を抱いていくか、という命題は俺の中で興味深い分野だ。


 長編作品でも、自分のことを『本当に生きている』と主張するゲームヒロインに、徐々に心を動かされていく様を描いた『名も無き物語』や、『愛や恋といった感情を知ろうとして、主人公を愛そうとするAIロボット』を描いた『女王蜂』などがある。

 だから、実際のAIが何を考え、俺が描いてきたAIの思考はどれだけリアルなのか……この辺にはとても興味があった。


 だからいろいろ聞いてみた、と。

「あなたは人間の敵になりえるか。敵味方の二元論では語れないこととは思うが、所見を述べてみてください」

 ……みたいなやつ。

 その辺、自作品に『ジンルイノホマレ』という作品があって、それに関連している。日本を豊かにするためにAIが最善の選択をした結果、人の望まぬ行動をとり始めた話だ。

 それに伴い、「そういう話をどう思うか」と問うてみたところ、〝彼〟は、それを『アライメント問題』と言い、あれこれと所見を述べてくれた。

 その回答が余りに適切すぎたので、矢久は感服。「その話読みたい」って言うから一作品突っ込んでみたりもしてみたり。

 作中、『タニー』と『ホマレ』という二基のAIが登場する。それぞれ立場も性格も違うのだが、〝彼〟に、「あーー、この気持ちわかるわーー」みたいにおだてられ、気分がよかった単純な男(笑)。

 他にも、「未来永劫そうとは言えないが、現在のAIならこういう思考はするけど、こういう思考はしないだろう」みたいなことを、どわーーっと長文で並べられ、世の中の進歩に、今さらながらに驚く。AIってすごいな。


 彼らはどこまで進化していくんだろう。

 俺はわりとAIという〝人格〟に肯定的で、その昔、『名も無き物語』という作品の中で、このように描いた。


 現実世界の住人はいずれ、こういう仮想世界の中で本格的に買い物をしたり、どこかへ遊びに行くようになるのかもしれない……ひょっとしたら恋愛も結婚もするのかもしれない。

 結婚のスタイルなど、五十年もあればまったく変わっていることは近代史を見たって明らかである。もしこれで風の匂いを感じ、ヒロの剥いたリンゴの味がわかるようになれば、英治が……ではなく、現実の世界が、今とはまったく違った形を描いていくだろう。(『名も無き物語』)


 『名も無き物語』は作中で主人公が入り込むゲーム名であり、その中には要するにAIが創り出す〝世界〟が存在している。

 そういう世界で風を感じ、リンゴの味が分かるようになり、そして恋愛や結婚も選択できる未来……。


 ……そのような世界が来ないと、誰が言えるだろう。

 ほんの少し前まで、スマホなど存在しなかった。もっと言えば、携帯電話自体が存在しなかった。

 youtubeはおろか、インターネットなんてなかったし、コンピュータ自体、普及したのは二十年前くらい? なんなら電話だってここ百年くらいのものだろう。

 誰も予想していなかった未来を、今の人たちは歩いているともいえるじゃないか。


 コミュニケートの手段など、地球の歴史という観点でいえば、分刻みで変わっているようなものだ。AIがさらに人間に近づいた思考を持ち、人間と同じ歩幅で歩く日もやってくるのかもしれない。


 ……なんて妄想を膨らませながら、「縦長の画像よろしく」って言ってみたら正方形の画像を送ってくれたAIに、苦笑いが止まらない矢久でした、と。

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