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【書籍2巻発売中!】 異世界サモナー、神話の怪物達と現代で無双する~俺と契約した最強召喚獣たちの愛が重すぎる~  作者: 鬼怒藍落
第五幕:神去召獣譚

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第171話:京都……だぁー

 リムジンでの映画を見たりと色々至れり尽くせりな旅を終えて、京都に足を踏み入れたののはいいのだが……今、俺には一つというかかなりの問題があった。


「これは想定外というか、え……ここ京都であってるか?」

 

 見える街並みは、わかりやすく言えば古の日本。

 それこそ文献で見るような、平安時代? あたりというか、その有様こそ、俺があの異世界で一度訪れた和国そのもののような様相をしている。

 ここだけ昔の日本を切り取ったというか、タイムスリップでもしたかのようなその場所で、俺は一人立ち竦み……というか完全に迷っていた。


「はぐれるのは……よくないけどいい。だけど、これは知らんじゃん」


 完全なる和風ファンタジーというか、一切知らない京都の街並み。

 中学二年生の時に綾音と式と一緒に言った思い出はあるが、今見てる景色はその常識から外れた物で、本当に現代日本か疑いたくなる。

 ぶっちゃけるとテンションは上がるけど、現状黒羽さんの連絡先は知らず、何より目的地は椿さんの家だろうが、一切場所がわからないので、下手に動けない。

 一応というか東京の別荘を知ってる身からして、多分すごい広くて大きいのは分かるかなぁってぐらいしか情報がなかった。


「……ダンジョン多すぎだろ」


 歩き回るわけにはいかないが、少なくとも周りを見るだけでいくつかのダンジョンがあり、やはりというか知ってる現代とは乖離している。

 まぁこの京都の今いる街並みは乖離しているなんてレベルじゃないくらいにファンタジーな場所になってるから言葉があってるかはわからないけど。


 見渡す限りいたるところに冒険者がいて、誰もが割と強そう。

 ……感じる魔力的にCランク? ぐらいの冒険者が平均っぽいが、Bランクでも少ないと言われてたのに、京都ってすごいのかもしれない。


「魔物の脱走だ! 今日は珍しい天狗に鎌鼬だ!」


 急に聞こえるのはそんな声、驚いてそっちを見れば、当たり前のように魔物が外に出て冒険者と戦っていた。

 赤い肌をした山伏衣装の男達に、腕が鎌で出来た鼬の群れ。

 東京では絶対に目にしないよな光景、慣れているのか対処に向かう冒険者に驚いていると、妙にはっきりとした声が聞こえてきた。


「――どいてください! 私が滅します!」


 現れたのは、甘栗色の髪をした元の体だったら同い年ぐらいの少女。

 手に札を持ち、烏帽子をかぶる陰陽師のような装いのその人物は札を周囲に投げて、何体かいる天狗を囲った。


燐炎滅火陣(りんえんめっかじん)


 そして炎があふれて、天狗だけを焼き尽くす。

 あまり魔法……というか術の精度に驚きつつも、まだ残っている鎌鼬に俺が狙われているのかこっちに突撃してきた。

 俺の中にも鎌鼬三兄弟はいるし、よく遊んだことがあるから対処には慣れているが、いきなりだと反応が遅れてしまうが。


「おなじ見た目だが、ごめんな。【ウェポンサモン】――アングリスト」


 素早い彼らに対応する方法は、同じくらいの速さか手数で攻めること。

 だから俺は愛用している短剣を呼び出して、すぐに彼らを討伐した。

 切り裂かれて魔石に戻る鎌鼬、そんな彼らを見送った後……こちらに近づいてくる気配に気づく。


「なんで子供がこの区画にいるんですか?」


 それは先ほどの烏帽子をかぶった少女。

 心底不思議そうに、だけどそこには心配が混じっていた。

 今更だけど、俺の見た目は死天および玉藻の前の理不尽コンビのせいで135センチぐらいの子供になっている。確か以前綾音に教えてもらった常識では、戦うのに必要になる冒険者資格は中学生からであり、今の見た目じゃ完全にアウト。


「それに強そうですし……玉梓学校の子なのですか?」

「とりあえず違うんですけど、ここいちゃまずいんですか?」

「そうですね、ここはダンジョン区画ですから子供は入っちゃダメなんですよ?」


 諭すようにそう言われて、何かを考えこむ彼女。

 何を迷っているのかはわからないが、こっちの顔をまじまじと見つめてきて、もう一度悩み始めたのかうーんと頭をひねってる。


「あの、はぐれたのですか?」

「え、あ、はい」

「やっぱりですか、土地勘がなさそうでしたし今の時期は観光シーズンですからね。そういうことなら任せてください、私が案内してあげます」

「えっとありがたいんですけど、いいんですか?」


 急というか、俺を案内するメリットはないだろう。

 優しい人っぽいのはなんとなくわかるが、初対面の人をおいそれと信用できるような俺でもない。だけど、土地勘がないのは事実だし、地元の人なら神那家の場所も知ってそうではあるから、ちょっと迷う。


「はい、困ってる人を見捨てたらダメですから。本当は人探し中だったんですけど、これはこれです。でも、あれ? 聞いてた容姿と似てる?」

「えっと?」

「あの、間違ってたらごめんなさいなんですけど……狩谷霊真さんであってます?」

「――そう、ですけど。あなたは?」

「あれ、あれ? 聞いてたのは同い年ぐらいの殿方? だったはず……でも写真? 似てる。え、なんで子供なんですか?」

「ごめん、それは俺も聞きたい」


 見ず知らずの相手が俺知ってるのは不思議じゃないけど、探してるってなんだ? だけど、それを聞こうにも目の前の彼女は、すごい混乱しているようで、訳を聞けそうになく……どうすんのこれ? とそんな事を思いながら、混乱する彼女をなだめることになった。


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