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第十四話

天文六年 (一五三七年) 三月 播磨国 揖保郡 英賀 尼子晴久 戦の前日


「これで揖保郡を手に入れた様なものですな。」


 そう言って来たのは佐世清宗だ。こいつは中々の名将で儂の副将だ。だが少々口うるさいのが玉に瑕だ。


「ああ、このまま小寺を降し飾磨郡を手に入れたら一度出雲に戻る。」


「何故で御座いますか?」


「大内の犬である毛利が、出雲に攻め入ろうとしていると鉢屋衆が伝えて来た。」


「なるほど。惜しいですな。このまま、播磨を取りたかったです。」


「全くだ。」


「ですが殿、西播磨は手に入れたも同然です。」


 そう発言したのは次の渡河をする先発軍を率いる牛尾久信だ。こいつも中々の猛将でとても頼りになる。


「そうだな。これで儂も父上と同等の信頼を得られるだろう。」



天文六年 (一五三七年) 三月 播磨国 揖保郡 英賀 尼子晴久


 よし、このまま対岸に居る小寺軍を踏み潰すぞ。しかし、何故一万三千の大軍に二千にも満たない軍で追い返せると思っているのだ?余程愚かな当主ーーーん?何だ。左が騒がしくなり始めた。


「おい!左で何があった!」


「て、敵襲!敵襲です!」


 何!


「状況は!」


「劣勢に御座います!本陣までの距離がおよそ二町(約二百メートル)程で前線も崩壊しかけております!」


「何!急いで渡河をしている兵を連れ戻せ!」


「殿、無理に御座います!もう、交戦を始めており今連れ戻せば正面から敵軍が雪崩れ込んでしまいます!そうなれば左と正面から挟撃を受ける事になります!」


 どんどん敵が本陣に近づき始めている。...こうなれば儂が前に出る事で崩れかけている前線を立て直すしか無い!


「殿!何処へ行こうと為されているのですか!」


 佐世が尋ねて来た。


「決まっておろう!前に出て前線を立て直す!」


「もう、前線は崩れかけております!どうかお逃げ下さい!私が殿を行います!」


「殿など認めん!...佐世、離せ!」


「馬廻り衆!殿を頼む!」


「「「はっ」」」


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