死んだ
何気無い日常、それはこの先もずっと続くものだと思ってた。
でも、それはある日突然崩れ去った。
私は普通の家庭に生まれた極々普通の女の子だった。幸せ…だったんだと思う。衣食住を与えられて、学ぶ事を許されて。
でも、どうやら私は自分が思うほど普通ではなかったらしい。
ある時を境に両親からの虐待が始まった。理由は至極簡単。
気持ち悪い、だそうだ。
勉強も運動も全てにおいて完璧にこなしてしまう私は。それもそうか、両親はお世辞にも優秀とは言えない平凡な人生を送ってきた。そんな親から天才が生まれたのだから。
両親はお互いを信じられなくなった。父は母を、母は父を疑った。私はどちらかが浮気をしてできた子なのではないか、と。
困ったものだな。私は正真正銘あなた達の子供なのに…。
はじめは、私に害はなかったし、あまり気にしていなかった。それが良くなかったのかもしれない。両親が争っている横を平然と通る私に両親は怒りを覚えたらしい。
突然殴られた。痛かった。
でもそれだけだ。痛い、そう思うのは一瞬で。私の頭はすぐに切り替わる。どういう訳かあまり痛みというものを感じない。それだけ私の感覚が麻痺しているという事なんだろうな。
まぁ、痛くないと言ってもダメージは溜まるわけで。虐待が始まって暫くすると、体が思うように動かなくなっていった。
死ぬんだな。
直感でそう思った。思ったけど、どこか心は安らかで。まるで、死ねる事を喜ぶような…。そんな感じだった。
そして、私は死んだ。




