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END

ゼフィサスは卒業した後、遠距離恋愛になる事が我慢できないと判断したゼフィサスは、学園側にマリアを飛び級で卒業できないか直訴した。

実家の権力をも持ち出したゼフィサスだったが、願いを聞き入れるほど学園側は甘くは無かった。

と言うか、マリアの成績では到底無理な願いであった。


これに至っては、恥をかくことになったマリアがそれなりに怒り、1ヶ月ほど口を聞いて貰えなかったゼフィサスは体調を崩し休みがちになり、食事も喉を通らなくなり、みるみるうちに衰弱していった。

それでは、流石に出席日数や単位、就職に影響が出るのでは無いかと懸念が出てくる。


毎年若干名の法陣局合格。


国に3校ある魔法学園から合格者がでるのも数年に一度程度である。

優秀な生徒の獲得は3校内でも熾烈だ。

難しい職種の内定者がでれば、数年はその卒業生が在籍していた学園に人気が集中することとなる。


そして、今年はゼフィサスが合格した。

しかし、体調を万全に卒業出来なければ意味ない。


学園の実績が風前の灯。


マリアを飛び級で卒業する事はできないが、仕方なく学校側が特例である事を許可した。


それにより、ゼフィサスはどうにかやる気を取り戻し、復帰を果たした。

日にち薬もだいぶあったのだが・・・。

あとは、マリアの怒りを鎮める事が残っていれば、こちらも1ヶ月も経てば怒りは何処かに行ってしまったらしく、謝罪はあっさりと受け入れられた。

逆に、やつれたゼフィサスを見て申し訳なくなったらしく、しこたま謝られた。

そこで、ゼフィサスは学園側から許可の降りた特権を使う事にした。


「リア、離れるのが辛いからリアが18になったら結婚しよう」

「はぁ?」


マリアは何言ってんの?頭は大丈夫?とゼフィサスを真剣に心配した。


この国では18歳から婚姻可能であるが、魔法学園在学中の婚姻は優秀な生徒の輩出が妨げられる可能性があるとして、校則で認められていなかった。

そのためマリアの反応は至っては普通である。


ゼフィサスは学校側から許可が出ている事、在学中に子供を作ることは禁止の旨をマリアに説明した。


納得はできるが、承諾はできない。


マリアのその答えにゼフィサスは嘆き、再びやつれていく様を今度は間近で見ていたマリアも仕方なく折れた。


こうして、マリアが進級後直ぐの誕生日に2人は婚姻する事と相成った。

ゼフィサスはそれからと言うもの絶好調である。

物理的な距離よりも、精神的な距離を優先した事がゼフィサスには良い影響となったのだ。


そして、その2人の話が回るのは早かった。


特例で婚姻許可を得たマリア・ピヨタン


その人物が利用したのが、国推奨の文通相手を探す掲示板。


マリアとゼフィサスが付き合い始めてから、掲示板の幅が拡張された。

掲示される手紙の数が増えたからだ。

それは、マリアが学生結婚した時にはもっと顕著であった。

募集数が増えた事に比例し、文通を開始するペアも今までよりは多く、募集が一時期急に減ったらしい。


そしてマリアとゼフィサスは、結婚はしたものの、お互いに忙しくなかなか会えない日が続いた。

嘆いたゼフィサスがここで手腕を発揮する。

移転用の魔法陣は重要な場所に点在しているのみで、今まで魔法学園には無かった。

それに対して、学園同士の交流を盛んにするために、3つの魔法学園にポートを設置する事をプレゼンして可決された。

そのおかげで、ゼフィサスもマリアと週一で会う事ができるようになり、初の大掛かりな仕事も成功させた。


また、その移転用魔法陣で3校対抗の魔法競技会が次年度より開催されることになりそうらしく、今年度に卒業してしまうマリアはそれに参加できず少し残念でもあった。


マリアが卒業する頃には文通を通じて交際のはじまったカップルが多く誕生しており、マリアがその先駆者とされた事で学園側には感謝された。

卒業式で感謝状が送られた時は、恥ずかしさのあまり卒倒しそうになったのであった。


「リア、おめでとう」


ゼフィサスは卒業式の日、わざわざ休みを取り、迎えに来てくれたらしい。


「ありがとう、ゼファー」

「これから一緒に住めるね」


マリアはとりあえずゼフィサスと一緒に暮らして、医院に医療魔法士(見習い)として、就職する事となっている。

1年経ってやっと新婚生活のスタートだ。


「もう少し、1人の時間を満喫してもいいんだけど?」

「それは、却下」


マリアは即答したゼフィサスに満足そうに微笑んだ。


「ねぇ、ちょっと最後に行っときたい所があるの」


そのままマリアはゼフィサスの手を引き、2人はある場所へと向かう。

マリアは歩きながら、最後になるだろう学舎を目に焼き付けていった。


そして、着いた先には何枚も白紙の紙が貼られた、マッチングボード(掲示板)があった。


「ここ?」

「うん」


マリアにとっては想い出の場所だ。

あの日、ゼフィサスからの手紙を手にした時以降、ゆっくりと掲示板自体を眺める事は無かった。


数多くの紙が掲示板には貼られている。


「この中で捨てられずに誰かの手に届く手紙は何枚だろうね」

「ほとんど?」

「心を込めて書かれても読まれないのは、辛いね」


幸運にも、マリアとゼフィサスは一通の手紙で繋がった。

その幸運が1人でも多くの人に訪れますように。


2人はそう願い、手を繋いだままその場を後にした。




END


最後まで読んでいただいてありがとうございました!

誤字脱字報告もありがとうございます。


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