ロリ美少女からのお願い
俺が早足でアイルの元まで帰ると、いい匂い鼻腔をくすぐった。
「いい匂いだな」
そう言いながら近づくと、俺に気づいたアイルが出迎えてくれた。
裸……ではないが美少女のエプロン姿はやっぱりいいなと思いました。
「お帰りなさいませ、扇様」
「悪い遅くなったな」
「いえ、こちらもたった今出来上がったところですから」
そう言いながら俺の皿にカレーをよそうアイル。
なんだかデートで待ち合わせしたカップルみたいな会話だった気がする。
俺彼女いたことなんだけどね、ははは。
というか、カレーがこんな短時間で出来上がるとか異世界って何でもありだな。
「「いただきます」」
その掛け声と同時に俺たちはカレーを食べ始めた。
◆◆◆
俺たちがカレーを食べ終わり、食休みをしていると。
メイ達が近づいてくるのが見えた。
多分来るだろうなぁとは思ってたけど、予想より早かったな。
「オーギ様、探しました」
「よくここがわかったな?」
「護衛の中に【サーチ】を使える者がいましたので」
【サーチ】か。気配を探るとか、そういう能力だろうな。
「それで? 俺に何か用か? お礼ならいいって言ったはずだけど」
「はい、それはわかっています。納得はいきませんが……それで、大変いいにくいのですが……お願いがあってきました」
「状況を考えるに、俺たち、というか俺に王都までの護衛を頼みたいってところか?」
「そっそうです! お願いできませんか?」
だと思ったよ。
あの戦いぶりを見るに、このままじゃ王都にたどり着く前に魔物に遭遇して全滅しそうだからな。
護衛か、俺としては別に構わない。
どうせ行先は同じなんだし。
人数が多少増えたところで問題はない。
それに、魔物の数が急増しているのが本当に雷竜が死んだからだとしたら、俺の責任でもあるしな。
そして何よりメイは美幼女だからな。
見た目はロリだが、俺的には全然余裕でいける。
俺のストライクゾーンは結構広いのだ。
かわいければ、の話だが。
あと、かわいい女の子と知り合っておいて損はないしな。
「扇様、そちらの方々はどちら様でしょうか」
「っと、自己紹介がまだだったな。このロリ美少女はメイ、さっきの悲鳴の主だ。そしてメイ、この銀髪の美少女はアイルΔだ」
俺が紹介すると、二人は向き直り改めて、自分で自己紹介を始めた。
「メイ・オルディアです。よろしくお願いしますね」
「アイルΔといいます。こちらこそよろしくお願いいたします」
「あの~アイルΔさん。つかぬことをお聞きしますが、その、オーギ様とはいったいどういったご関係で?」
いきなり何を聞いてるんだこのお嬢様は。
「私と扇様の関係、ですか? そうですね、ご奉仕する側とされる側でしょうか。もちろん私が扇様にご奉仕をしています」
「!?」
「ちょっとアイルさん!? あながち間違いじゃないけど言い方を考えようか!? 果てしなく誤解を招くような言い方はしないでくれ!」
「!?!?」
俺は思わず叫んでしまった。
そしてメイのほうへと視線を向ける。
ピシッと笑顔で固まっているメイがそこにはいた。
その後ろでは温かい目でこちらを見つめるおじさんたちとメイドさんの姿があった。
これは早く話題を変えたほうがよさそうだな。
「さあ! 自己紹介も済んだことだし、話を先に進めようか!」
多少強引だがしかたない。
「かしこまりました」
「そ、そそそ、そそうですね。さ、先に進めましょう」
よし、大丈夫そうだな。
「さてと、護衛をお願いしたいってことだったけど、俺は別いいよ」
「ほッ本当ですか!?」
「あの、扇様。この者たちの同行を許すのですか?」
「どちらかと言えば同行するのは俺たちのほうじゃないか? 護衛なんだし。というか何か問題があるのか?」
「いえ、扇様がそうなさるというのでしたら、私はそれに従います。ただ、これだけは聞いておきたく思います」
「っお、なになに?」
アイルが俺に質問なんて珍しいな。
「その者たちは信用できるのでしょうか?」
確かに、まだ完全には信用していないが、なんとなく大丈夫の気がする。勘だけど。
「大丈夫じゃないか? それにそれはメイ達のほうにも言えるだろ? 向こうも俺のことを完全に信用してるわけじゃないだろうし」
「それは……」
メイが気まずそうに下を向いた。
別に気にしなくていいのに。
「別に気にしなくていいよ。そもそも今日あったばかりの奴を完全に信用しろって方が無理な話だし」
「……ありがとう、ございます」
「気にするなよ、お互い様だ。でも、これだけは俺も聞いておきたい」
「なんでしょう?」
「俺たちに護衛をお願いするってことは、その道中ずっと一緒にいるってことだよな? だったらさ、俺に襲われるとは思わなかったのか? たぶんそっちのおじさんたちが束になっても俺には勝てないと思うぞ?」
俺がそういうと、護衛のおじさんたちは緊張した様子で固まった。
そんなことをするつもりは毛頭ないが、もしも俺が極悪人だったらあり得ることだ。
貴族ってことはそれなりにお金持ってるだろうし、身代金目当てってことも考えられる。
その危険があるのにどうして俺を護衛にしようと思ったのか、それが聞きたい。
「そっそんなっ! 襲うだなんて! そういうことはもっとムードと言いますかっ、こう二人っきりの時にしてもらわないと困りますよぉ!」
「……は?」
こいつ、俺の考えてる襲うとは違う意味で受け取りやがったな。
というかムードさえよければそういうことしてもいいのかよ。
王都に行くのがちょっと楽しみになったな。
ロリ美少女とイケナイ遊びをするって考えるとなんだか背徳的な気分になっていいかも知れない。
って、そんなのんきなこと言ってる場合じゃなかった!
このままじゃ本当に俺がそういう意味で言ったと思われるじゃん!
可及的速やかにメイを正気に戻さねば!
「メイ、俺が言ってるのはお前の命とかお金とかを狙うって意味の襲うだぞ? 決してやましい襲うじゃないからな?」
「い、いきなりSMプレイですか!? お、オーギ様はマニアックなのですねっ!」
「……こりゃダメだな。まったく聞いてない」
自分の身体を抱きながらくねくねと悶えはじめたメイのことは諦めて話を先に進める。
「ま、安心していいよ、俺が襲うことはないから。大体、襲うんならわざわざメイ以外の奴も助けたりしないって」
そう言うと、おじさんたちはホッと安心したように息を吐いた。
さて、そろそろ出発…………したいところだが、メイが元に戻るまで待つか。
それからメイが正気を取り戻すまで5分かかった。
正気に戻った時に違う意味でメイが身悶えたのは言うまでもないだろう。
完璧に黒歴史ものだよなあれ。




