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(さっきからバカとかザコとか言いやがって。俺だってちゃんと大学を卒業して、働いているんだぞ!)
「その大学、えふらん? ですよね?」
(……)
「それに仕事も誰にでもできる仕事ですよね?」
(…………)
「おまけに彼女もいない」
(……………)
「生産性ゼロですぅ」
(やめろおおおおおおおおおぉ、それ以上言うなあああああああああああああ。そんなこと俺が一番わかっているんだよ。頼むからそれ以上は言わないでくれ)
「わかりました、ザコ墓さん」
(ザコ墓はやめろ……。そもそも墓にザコもくそもあるか)
「ありますよ。ピラミッドさんとか古墳さんとか、あなたとは格がちがうんです」
(えらい人の墓だから?)
「まあそんな感じです。私はあくまでも墓石の管理人なので出会ったことはありませんが」
(じゃあそのピラミッドとかは別のところに?)
「ピラミッド『さん』です! 呼び捨てにしないでください。ここは下級墓石の墓場なので、いらっしゃるわけがないでしょう」
(……なんだ、お前もザコじゃん)
「……は?」
(どうせザコ墓の管理しか任されないんだろ? だったらザコじゃん)
「それ以上言うと一週間水抜きですよ」
(さすがに効いたか)
「……ぐぬぬ、うるさいゴミですねぇ」
少女は柄杓で俺の頭をポンポンした。熱さは感じるのに何故か痛覚はなくなっているため、痛くもかゆくもない。
(とにかく俺もお前もザコ同士ってことだ)




