第一話 「俺がチャットGPT?」
「ん......、あれここどこだ」
俺はさっき死んだ。
ダンプカーにはねられて死んだのだ。
しかし俺は生きている。
見渡す限りではここは巨大な工場のようだ。
「このパソコン....なんだ?」
目の前には古いパソコンが置かれていた。
周りを見ると、俺と同じような人がパソコンをカチカチとキーボードを叩いている。
すると背後から声がかかる。
ーー「あれれー?新人さんかな?君もここにきたのかい?」
「え?...いや俺は」
「うん。まだ人間っぽいね....まあ、僕は人間でここの管理者として働いているわけだけど」
「そ、そうなんですか。」
まだ人間っぽいってなんだ?
でもこの管理者の人は本物の人間だ。
そして周りを見た感じはブラック企業。
みんな黙々と狂ったようにパソコンを打ち続けている。
「あの...俺ここで何すれば?」
ーー「そうだね!君はこれからその自分用のパソコン で仕事をしてもらうよ。」
「仕事って何をするんですか?」
ーー「現代の人々の相談に応えるんだ。君は今日から
AIってこと!」
「応える....。AI?」
この管理者の話によると、ここは現代の人々の相談に応える職場らしい。
そしてなんと言っても
ーーーーー俺がAIだということ。
パソコンの中身。
最近は老若男女がこの職場を利用しているらしい。
そこで俺は働くというのだ。
ーー「じゃ!早速自分のパソコンで仕事してね!」
「え...!?ちょっとまって!」
聞かずに行ってしまった。
仕方なく俺は自分の席に座り、パソコンを開く。
すると、新着メッセージ1となっていた。
「新着メッセージ...?なんだこれ」
その文章をクリックしてみると、差出人から相談内容が届いていた。
3分前だ。
「え、なにこれ....。」
こう書いてあった。
Q.「私の学校の席の隣に好きな人がいるのですが、中々アタックできないです。どうしたら話せますかね?」
いや何これ。ほんとに何これ、、。
こんな相談をされても俺は恋愛未経験者だ。相談に乗れるほどの経験をしてきていない。
「でも仕事だし....とりあえず返事を書こう....」
A. 「うーんそうですね。私は恋愛経験が皆無なのでその相談内容は受け付けられません。すいません。」
「送信っと...」
これでよかったのだろうか。
相談に乗るんじゃなくて断ってしまった。
すると、30秒ほどで返事が返ってきた。
Q. 「は?なんか人間っぽいね。AIなんだからなんでも相談乗れよカス。もっとちゃんとしろや」
は!?急に人格変わっちゃたじゃん!!
これはマズイことになってしまった。俺はまたここで返事を返さなくてはならないんだ。
「まあここは親切にだよな...怒るのはダメだ」
A. 「ほんとにすいません!しかし私は恋愛相談に乗れそうにありません!もっと身近な友達などに聞いてください!!。」
そう送ると、考える暇もなく一瞬で返事が返ってきてしまった。
Q. 「役立たずが!!それでもAIかよ!もっと考えろ!」
終わった。もう頭に血が登りきっている。
この人に何を言ってもキレられそうだ。
俺はもうこの人は相手にできないと思い、会話を終わらせる手段に出た。
A. 「うるせぇよくそがきが!!黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!!もうテメェの相談なんかきかね ぇよカス!そもそもお前の性格上、恋愛なんかで
るわけないやろ!そこら辺考えてから行動しろ
や!ボケ!バカ!」
「これでよしっと...」
しまったぁぁあ!!AI役である俺がとんでもない返事をしてしまったぁぁ!
何してるんだ俺は!早く返信を消さないと!
だがもう手遅れだった。
Q.「はぁ!!??お前AIなのに怒ってるとかまじしょうもねぇ!!逆にお前はもっと人の心情とか考えたらどう!?二度と相談しないわ!!しね!」
完全に詰んでしまった。
この状況を覆せる手段がどこにもない。
「はぁ....ん?なんだこの通知。」
評価が追加されました。
「評価...?見てみるか」
出てきた評価一覧をクリックすると、ハートの輪郭だけが5個ついてあった。
まだハートに色が全くついてなかったが、下の方に評価ポイントというものもあった。
「評価ポイントね...ま、マイナス1....!?」
あーそうだ、心当たりがある。
さっきの野郎がこの評価ポイントに低評価を押したのだろう。
案の定、最初の相談者だったのでマイナスになったというわけだ。
「あの野郎よくも...そもそも俺がAIだと思ってたら大間違いだぜ?」
しかもそのページの上らへんには恐怖の評価場所があった。
「問い合わせ」「クレーム」があったのだ。
「うわこれ...後々着いたら面倒なやつじゃん」
さっきは失敗してしまったがその野郎はこのクレームや問い合わせはしなかったらしい。
はぁーよかったよかった。
そこから時間が過ぎ、ついに時計が12時を指した。
お昼ご飯が、普通はある時間だ。
腹が鳴っている。
「あのー...すいませんお仕事中..、お昼ご飯って」
ーー「.......。」
「え...ああすいません」
隣で作業している人に聞いてみたが無視された。
まあ仕事中だもんな。と聞いた自分を責めた。
すると、その作業をしていた人のパソコンの横からじゃらじゃら音を鳴らせて、
この施設で使えそうな小銭みたいなものが出てきた。
「え、それって...お金か?ご飯を買うための?」
ーー「......。」
また無視されてしまった。
この人たちは何も教えてくれないのか?
その人はその小銭みたいなのを持ってどこかへ行ってしまった。
「あ...んーー。ついてくか!」
そして新しい相談が来ていないことを確認し、この施設をその人の後ろにつきながら所々周ってみることにした。
「自販機、、なんだ?この不味そうなやつ」
着いていっていたその人が、その自販機で止まって小銭を使い、パンを買った。
八枚切りというやつだろうか。そのうちの一つだ。
値段は300円と書かれていた。
「え...これで300円!?高すぎじゃないか!?...まあ食べれるだけマシか」
八枚切りパンの、一枚のパンを300円で買ったその人は無言でそのパンをちょびちょび食い出した。
「いや口ちっさ!!...はぁ..、てか俺も食べ物が欲しい、、、」
自分の席に戻った俺は、問い合わせから「管理者」というボタンを押し、宛てメールを送った。
Q.「小銭?みたいなやつをもらえる条件はなんなんですか?あと一枚のパン300円とかぼったくりじゃないですか?なんとかしてください。」
瞬く間に一瞬で返事が返ってきた。
A. 「評価ポイントに応じてお金がもらえる仕組みです!300円なのはみんなに頑張ってもらうためでなのであります」
いやまじかよ。
こんな過酷な労働場所ある?
俺はお腹の鳴りが止まず、今にも倒れそうだ。
フラフラする。
周りを見るとみんな目が血走っていて、ずーっとパソコンを見ながらキーボードを打ち続けている。
俺はそうではないが、
食事を恵んで欲しい。
今にも倒れそうなこの俺を
ーーーーー助けて欲しい。
「助けて....ください」
2日も何も食べて...ない。
ここで俺は今更気づいた。
俺は「転生」したのだ。この場所に、AIとして。
俺は今相談したい。
相談したい=助け。
助け=過酷。
過酷=悩んでいる。
ここで俺は、転生前の決意を思い出した。
悩んでいる=相談したい。
結局はこれに戻ってくる。
Q. その悩みを相談したい、信頼できる人とは?
Q友達、親、先生、このうちの誰かですか?
俺は違う。答えは、
ーーーーーーA. 心理カウンセラーである。




