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MURDER〜半グレだった俺が異世界転生して、どうやら勇者として世界を救うらしい!〜  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス


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第2話



 山道を歩いている時だった。

 獣の息遣いは時折、感じていたが別の何かに付けられている事に気付いた。



 今の気候はそこまで寒くはないが、山は流石に冷え込んでくる。なのでそれなりに厚着をして、早目の宿泊フォースド・ビバークをしようと荷を降ろしていた。



 ずっとこちらに視線を投げかけてくる何者かに、俺は警戒を強めながらも簡易テントを組み立てた。金がないので中古品を買ったのだが、なかなかに良い品である。使うのは初めてなので、ほんの少しワクワクしている。




 ――と、その前にだ。




 ノーモーションで、背後の気配に魔術を放った。




「――っぐがぁ!」




 殺すつもりは無いので、風の魔術で手加減をしている。不意打ちだったので、効果は絶大だな。草むらの奥で尻もちを付いてる少年に、俺はゆっくりと歩み寄った。




「おい、そこのガキ。敵意がないなら、こっちに来て手伝え。そうすれば、命は助けてやる」




 完全にこっちが悪者みたいだが、ある意味では俺の方が被害者だ。なのでこれは、正当防衛だった。最初に力を示しておけば、イニシアティブを取れるからな。こればっかりは、どこの世界でも変わらない。




「ガキって……お前も、対して変わらねぇだろッ!」




 反抗的な目付きで、痩せ細った少年がコチラを見ている。孤児か何かだろう。こんな山の中にいるってことは、何処どこかから逃げてきたか。




「反抗するなら、殺すけど――どうする?」




 魔術で短剣を生み出して、少年の喉元に突き付けてやると短い悲鳴を上げる。怯えた目で、コチラを見ている。見慣れた目だ。




 前世では、飽きるほど見てきた目だった。




「……まぁ、良いや。好きにしろ!」




 剣を手放して、俺は料理に取り掛かろうとした。すると少年が、落ちた剣に視線を向ける。一瞬の逡巡しゅんじゅんの後、手ぶらでゆっくりと近付いてきた。



 どうやら、屈伏したようだ。この手合いのガキは、扱い慣れている。力で抑えつけても、反発されるだけだからな。力を示した上で、解放してやればすぐになびく。弱いやつは、強い者に抗えないからだ。




「お前、名前は?」



 先に名乗らせるのも、上下関係を構築する上では重要だ。情報の開示は、必ず相手が先になるようにする。少しでも下手に出れば、必ず舐められるからな。




「アルト……ウェハースって村から、逃げてきた」




 ほらな。

 先に情報をさらけ出してきた。




「そうか。俺は、リスタートだ。まず、そこの野菜を切ってくれ」




 従順に、指示に従うアルト。後はもう、なすがままだ。



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