表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
89/1030

第81話 “第三の影”と、守人の心を揺らす真実

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

第二の影が光へと還ったあと――

 未来樹の内部に続く階段は、

 さらに深い影を帯び始めた。


リオが肩で息をしながら言う。


「はぁ……

 なんか、空気がさっきより重いっす……

 これ、次の影……絶対ヤバいやつですよね……」


エイルは胸に手を当て、

 階層の気配を読み取る。


「はい……

 “第三の影”が近づいています……

 恒一さんの心の奥にある、

 もっと深い痛み……

 もっと強い恐れ……」


影は階段の先を睨む。


「最初の影は“原点の痛み”。

 二つ目は“選んだ未来の代償”。

 じゃあ三つ目は……

 “未来そのものへの恐れ”ってところか。」


ナギは静かに頷く。


「うん。

 第三の影は、

 恒一が“未来を選んだあとに抱えた恐れ”。

 守人として歩く覚悟を揺らす影。」


残響は短く告げる。


「つなぎ手。

 覚悟を保て。」


◆階段の先に現れた“第三の影”

階段をさらに登ると、

 光が揺れ、影が濃くなり――

 ひとつの姿が浮かび上がった。


リオが息を呑む。


「えっ……

 あれって……!」


エイルは震える。


「そんな……

 どうして……

 この人が……」


影は低く呟く。


「恒一……

 これは“未来の恐れ”の象徴だな。」


ナギは静かに言った。


「うん。

 第三の影は……

 “恒一が未来で失うかもしれない存在”。

 まだ起きていない未来の痛みが、

 影として形になっている。」


残響は告げる。


「向き合え。

 つなぎ手。」


◆第三の影の正体

影はゆっくりと顔を上げた。


その姿は――

 今の仲間のひとりだった。


リオが叫ぶ。


「えっ……!?

 なんで俺たちの誰かが影になってるんすか!!」


エイルは涙を浮かべる。


「これは……

 “未来で失うかもしれないつながり”……

 恒一さんが最も恐れている未来……」


影は腕を組む。


「つまり……

 “まだ起きていない喪失”ってわけだ。」


ナギは静かに言った。


「未来を選ぶってことは、

 “未来で失う可能性”も選ぶこと。

 その恐れが影になって現れてる。」


◆影の問い

第三の影は、

 恒一にまっすぐ問いかけた。


「恒一。

 おまえは守人として未来を歩くと言った。

 だが――

 未来で“誰かを失う恐れ”を抱えたまま、

 歩き続けられるのか?」


恒一は息を呑む。


「……それは……」


影は続ける。


「未来は光だけではない。

 影もある。

 痛みもある。

 喪失もある。

 それでも――

 おまえは未来を選ぶのか?」


リオが叫ぶ。


「そんなの……

 そんなの、怖いに決まってるっすよ!!

 でも……!」


エイルは涙をこぼす。


「恐れがあるからこそ……

 人は未来を選ぶんです……

 失いたくないから……

 守りたいから……」


影は静かに言う。


「恒一。

 おまえは“恐れ”とどう向き合う?」


ナギは優しく言った。


「この問いは……

 恒一の“未来への覚悟”を試してる。」


残響は短く告げる。


「答えろ。

 つなぎ手。」


◆恒一の答え

恒一は影を見つめた。


「……俺は、

 未来で誰かを失うのが怖い。

 それは……

 どうしようもなく怖い。」


影が揺れる。


「でも――

 恐れがあるから、

 俺は“守人になりたい”と思ったんだ。

 恐れがあるから、

 仲間を守りたいと思ったんだ。」


光が恒一の胸から溢れる。


「未来に影があるなら、

 俺はその影ごと抱えて歩く。

 恐れがあるからこそ、

 俺は未来を選ぶ。」


影は静かに目を閉じた。


「……そうか。」


◆影の消失と、次の階層へ

影は光に包まれ、

 ゆっくりと消えていった。


リオが涙を拭う。


「恒一さん……

 やっぱり強いっす……

 でも、優しいっす……」


エイルは微笑む。


「はい……

 恐れを抱えたまま進む……

 それが本当の強さです……」


影は静かに言った。


「次は……

 もっと深い影が来るぞ。」


ナギは頷く。


「未来へ進むほど、

 影は“核心”に近づく。」


残響は告げる。


「進め。

 つなぎ手。

 次の階層が、お前を待っている。」


階段が光り、

 さらに上の階層が姿を現した。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ