表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
87/1030

第80話 “二つ目の影”と、守人の心を揺らす選択

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

最初の影が光へと還ったあと――

 未来樹の内部に広がる階段は、

 さらに深い光と影を帯び始めた。


リオが肩で息をしながら言う。


「はぁ……

 なんか、空気が重くなってません?

 さっきよりずっと……」


エイルは胸に手を当て、

 階層の気配を読み取る。


「はい……

 “次の影”が近づいています……

 恒一さんの心の奥にある、

 もっと深い後悔……

 もっと強い痛み……」


影は階段の先を睨む。


「最初の影より重いってことか。

 守人の道……容赦ねぇな。」


ナギは静かに頷く。


「うん。

 最初の影は“原点の痛み”。

 次の影は“選んだ未来の代償”。

 恒一がこれまで歩いてきた中で、

 “切り捨てざるを得なかったもの”が形になる。」


残響は短く告げる。


「つなぎ手。

 覚悟を保て。」


◆階段の先に現れた“二つ目の影”

階段をさらに登ると、

 光が揺れ、影が濃くなり――

 ひとつの姿が浮かび上がった。


リオが息を呑む。


「えっ……

 あれって……!」


エイルは震える。


「そんな……

 どうして……

 この人が……」


影は低く呟く。


「恒一……

 これは“最近の後悔”だな。」


ナギは静かに言った。


「うん。

 これは……

 恒一が“未来を選ぶ過程で置いてきた誰か”。

 つながりを守るために、

 別のつながりを手放した記憶。」


残響は告げる。


「向き合え。

 つなぎ手。」


◆二つ目の影の正体

影はゆっくりと顔を上げた。


その姿は――

 恒一が“守人になる前”、

 旅の途中で別れた仲間の影だった。


恒一の胸が痛む。


「……お前……

 どうしてここに……」


影は静かに言った。


「恒一。

 おまえは私を“置いていった”。

 未来を選ぶために。

 守人になるために。」


リオが驚く。


「置いていったって……

 そんな……!」


エイルは涙を浮かべる。


「恒一さん……

 この人……

 ずっと気にしていたんですね……」


影は腕を組む。


「つまり……

 “選んだ未来の代償”ってやつだ。」


ナギは静かに言った。


「未来を選ぶってことは、

 別の未来を捨てること。

 その中には……

 “誰かの未来”も含まれている。」


◆影の問い

二つ目の影は、

 恒一にまっすぐ問いかけた。


「恒一。

 おまえは私を置いて、

 別の未来を選んだ。

 それを――

 後悔していないのか?」


恒一は息を呑む。


「……それは……」


影は続ける。


「おまえは“つなぎ手”だと言った。

 だが――

 私とのつながりは切った。

 それでも守人を名乗るのか?」


リオが叫ぶ。


「そんなの……

 そんなの、恒一さんだって……!」


エイルは涙をこぼす。


「つながりを全部守るなんて……

 できません……

 でも……

 それでも前に進むために……

 人は選ぶんです……」


影は静かに言う。


「恒一。

 おまえは“何を選んだ”?

 そして“何を捨てた”?

 その答えを聞かせろ。」


ナギは優しく言った。


「この問いは……

 恒一の“未来の覚悟”を試してる。」


残響は短く告げる。


「答えろ。

 つなぎ手。」


◆恒一の答え

恒一は影を見つめた。


「……俺は、

 お前を置いていったことを後悔してる。」


影が揺れる。


「でも――

 あのときの俺は、

 “未来をつなぐ道”を選ぶしかなかった。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ