表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
43/210

第40話 過去の救済と、“未来を選ぶ者”の資格

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

恒一が差し出した手を、

 “救われなかった恒一”はじっと見つめていた。


雨の音だけが響く。

 世界は色を失い、

 まるで時間そのものが息を潜めているようだった。


「……俺は……救われる資格なんてない。」


もうひとりの恒一は、

 自分の胸を握りしめるように言った。


「助けなかった。

 逃げた。

 誰も救えなかった。

 そんな俺が……

 どうして救われていいんだよ……」


影が一歩踏み出す。


「資格なんて……関係ない。

 俺だって“終わり”として生まれた。

 救われる資格なんてなかった。

 でも恒一は……俺を救った。」


ナギも続ける。


「私も……“物語になれなかった存在”だった。

 でも恒一は名前をくれた。

 資格なんて……後からついてくるものだよ。」


リオは拳を握りしめた。


「恒一さんは……

 誰かを救うときに、

 “資格があるか”なんて考えない人だ。

 だから俺たちは……ついてきたんだ。」


エイルは静かに微笑む。


「救われる資格は……

 “救われたい”と願った瞬間に生まれます。」


もうひとりの恒一は、

 その言葉に揺れた。


「……俺は……

 本当は……

 助けたかった……

 少女を……

 でも怖くて……

 逃げた……

 その後悔が……

 ずっと消えなかった……」


恒一はゆっくりと近づき、

 自分自身の影のような存在に手を伸ばした。


「後悔があるなら……

 それは“変わりたい”って気持ちだ。

 過去は変えられない。

 でも――

 “過去の自分”は救える。」


もうひとりの恒一の瞳に、

 初めて光が宿った。


「……救って……くれるのか……

 俺みたいな……弱い自分を……?」


「救うよ。

 だって――

 お前は“俺”だから。」


その瞬間、

 ふたりの手が触れた。


世界が震え、

 雨が光に変わり、

 過去の檻が音を立てて崩れ始める。


ナギが叫ぶ。


「恒一!

 過去が……浄化されていく……!」


影は目を細めた。


「これで……

 未来の影も……救われる……!」


崩れゆく世界の中で、

 もうひとりの恒一は微笑んだ。


「……ありがとう。

 “救われた俺”……

 お前が未来を選べる理由……

 わかった気がするよ……」


そして光に溶けるように消えていった。


恒一は静かに呟いた。


「……これで、未来へ進める。」


だがその瞬間――

 未来の書が再び光り、

 新たな影が姿を現した。


――つなぎ手。

 ――過去を越えたなら……

 ――次は“現在”を試させてもらう。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ