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第36話 物語の主の審判と、“つなぎ手”の未来

総集編もあるので、テンポよく読みたいかたはそちらがおすすめです。

世界の奥から響いた“鐘の音”は、

 静かでありながら、

 すべての物語を震わせるような重みを持っていた。


――カン……

 ――カン……

 ――カン……


その音に導かれるように、

 恒一たちは光の道を進んでいく。


影はまだ胸を押さえながらも歩き、

 ナギはその隣で支えるように寄り添っていた。


リオは聖剣を握りしめ、

 エイルは杖を抱きしめるように胸に当てている。


残響は静かに前を見据え、

 まるで“次に起こること”を知っているかのようだった。


◆物語の主の間

光の道の先にあったのは、

 巨大な円形の空間だった。


床も壁も天井も、

 すべてが“物語の断片”でできている。


文字が流れ、

 絵が揺れ、

 声が響き、

 物語そのものが空間を形作っていた。


その中心に――

 “物語の主”が立っていた。


黒いローブを纏い、

 その瞳はすべてを見通すように静か。


「来たね、つなぎ手。

 そして……新たに名を得た者よ。」


ナギは一歩前に出て、

 深く頭を下げた。


「……物語の主。

 私は……もう“壊す者”ではありません。

 恒一に名前を与えられ……

 私は“ナギ”として生きます。」


物語の主は微笑んだ。


「それでいい。

 名前とは“存在の証明”。

 君はもう、外側の存在ではない。」


◆つなぎ手への問い

物語の主は恒一へ向き直った。


「恒一。

 君は“第五の終わり”に触れた。

 世界と繋がり、

 個と世界の境界を越えた。」


恒一は頷く。


「……ああ。

 でも俺は俺だ。

 世界と繋がっても、

 俺の物語は俺が選ぶ。」


物語の主は静かに目を細めた。


「では問おう。

 君はこれから何を望む?」


リオが息を呑む。


「恒一さん……

 ここで答えることが……

 “つなぎ手の未来”を決めるんだ……!」


エイルは震える声で言った。


「恒一さん……

 あなたの選択が……

 世界の形を決めます……!」


影は苦しげに言いながらも、

 恒一の背中を押すように言った。


「恒一……

 お前の望む道を選べ……

 俺は……どんな道でもついていく……」


ナギも静かに頷く。


「私も……

 あなたに救われた者として……

 あなたの選択を信じます。」


残響は微笑んだ。


「恒一。

 お前は“終わりを抱えて進む”と言った。

 なら――

 その先を見せてみろ。」


◆恒一の答え

恒一は深く息を吸い、

 物語の主を見つめた。


「俺は……

 “物語をつなぐ”ために進む。

 終わりを抱えて、

 世界と共に。」


物語の主は静かに頷いた。


「では――

 君に“つなぎ手の未来”を授けよう。」


◆つなぎ手の未来

物語の主が手をかざすと、

 空間に巨大な“書物”が現れた。


その表紙には、

 まだ何も書かれていない。


「これは“未来の書”。

 世界のこれからが記される書だ。」


リオが驚く。


「未来の……書……?」


エイルは震える声で言った。


「……まだ何も書かれていない……

 つまり……

 未来は“白紙”……!」


物語の主は恒一に告げる。


「恒一。

 君は“つなぎ手”として、

 この未来の書に“物語をつなぐ道”を刻むことができる。」


恒一は息を呑んだ。


「俺が……未来を……?」


「そうだ。

 君は世界と繋がった。

 だからこそ――

 世界の未来を“選ぶ”ことができる。」


◆新たな試練

だが物語の主は続けた。


「しかし――

 未来を選ぶには、

 “代償”が必要だ。」


影が身構える。


「代償……?」


「つなぎ手が未来を選ぶということは、

 無数の物語の“可能性”を閉じるということ。

 その重さを背負う覚悟が必要だ。」


ナギが息を呑む。


「……未来を選ぶということは……

 他の未来を“選ばない”ということ……!」


残響は静かに言った。


「恒一。

 お前は“終わりを抱えて進む”と言った。

 なら――

 未来の重さも抱えられるはずだ。」


リオは拳を握りしめる。


「恒一さん……

 俺たちも一緒に背負います!!」


エイルも頷く。


「あなたはひとりではありません……!」


◆つなぎ手の決意

恒一は未来の書に手を伸ばした。


「……俺は、選ぶ。

 未来を。

 世界の物語を。

 そして――

 俺たちの物語を。」


物語の主は微笑んだ。


「では――

 つなぎ手よ。

 未来を開け。」


未来の書が光を放ち、

 新たなページが開かれた。


そこには――

 まだ何も書かれていない。


白紙の未来。


だがその白紙は、

 恐怖ではなく、

 “希望”の光を放っていた。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。また、noteにて紹介動画等を投稿中ですので、ぜひご覧ください。

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