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外伝2「第431独立駆逐隊の愉快な仲間たち」①

 それから……。

 ものの30分程度で、我が天霧の甲板上は、観葉植物や綺麗な花の飾られた花瓶。

 そして、オシャレなガーデンテーブルと椅子が並べられて、とっても優雅な雰囲気に……。

 

「うーん、これですよ! 私が求めていたものはっ!」


「お、おう……。天霧の甲板がなんだかエライことに……何やってんのよ……まじで」


 やっと登場した遥提督も、普段と違ってすっかりオシャレかつ可愛らしい感じになっていました。

 

 服装は、女子高生らしく白いワイシャツと濃紺のブレザー。

 薄紫のリボンが胸元に飾られてて、可愛らしい。

 

 普段、ボサボサで適当にツインテールにしてる髪も、念入りにリンスして、バッチリスタイリングしたらしくツヤツヤで、清楚なロングにまとめられていて、横髪もシナモンロールみたいな感じで、両サイドにクルクルまとめられている。

 

 ……これは……普通に可愛いっ!


 もはや、それがデフォルトになりつつあった目の下のクマも、上手くメイクで誤魔化してるみたいだし、いつも眠そうな目も今日は二重まぶたでパッチリ、キラッキラ。

 

 なんと見事なビフォーアフター。

 さすがプロの仕事……アイリッシュさん、素晴らしいです!

 

「きゃ、きゃわわー……じゃなくて、提督、化けましたね! ……まるっきり別人じゃないですか!」


「そ、そう? スカートなんて久しぶりだから、落ち着かないんだけど……なんかスースーする。って言うか、天霧……めっちゃミニにしてるみたいだけど、いいの? そんなんで」


「女子なんだから、スカートの方が可愛いと思いますよ。ミニスカ……可愛くないですか? 提督も膝上丈とか実に良いです! 萌えです! でも、それ座る時、あんまり足を開かない方がいいですよ? 今も見えてましたよ。ピンクのフリル付きなんて、珍しく気合い入れたの履いてますね」


「ば、バカッ! なんで、そんなの見てるんだよぉ……」


 テレテレで真っ赤になる遥提督。

 これは実に、レアです。


 きゃわわーです! メモリーに焼き付けねばっ!


「仕方ないですよ。甲板上にもカメラがあるんで、ローアングルで見放題です。でも、むしろ、そんなしおらしい遥提督、グッドです! アイリッシュさん、いい仕事しましたね! 今の表情の所、静止画データ化したんで、引き伸ばしてもらっていいですか? 等身大ポスターにして、天霧の艦橋に貼っときます」


「ちょっ! 待てっ! それどんな嫌がらせだよっ! それにアタシが可愛いって……なんかちがくね? それ……アタシはそんなんじゃないだろ……」


「いやいや、遥さんって……割と素材がいいんですよ。背も高いし、スタイルも抜群、ホント可愛いですよ。どうせなら、綺麗にしないともったいないじゃありませんか。どうです? 誰がどう見ても美少女に生まれ変わった気持ちは?」


「ううっ、落ち着かない。瞼もなんか突っ張ってるし……あのさ! アタシ、いつまでこんなカッコしてないといけない訳?」


「一応、取材が終わるまでお願いしますよ! お互い、それなりに苦労したんだし!」


「はぁ……慣れないことはするもんじゃないね。……って、もしかして、もう映してるの? これ」


「そうよーっ! 多少のNG出したって構わないから、出来るだけ自然に! でも、ホント綺麗な子よね……肌なんか真っ白だし、お胸やお尻、出るとこ出ててキュート! もうっ! なんか妬けちゃうわ!」


 なんかクネクネと腰をくねらせるユレさん。

 あんまり色っぽくないです。

 

 でも、もう撮られてると意識したのか遥提督も、普段猫背姿なのに、それを忘れたようにピシッと背筋を伸ばして、作り笑いを浮かべてる……。

 

 でも、なんだか顔をひきつらせてるようにしか見えない。


 ……プレビューモニターに写ってる映像でも、私の方が自然かつチャーミングなスマイルを浮かべてますね。

 

 うん、このアイドルレポータープラグインも、天霧の外部監視モニターの映像を元に、今の私を客観的に観察し、より一層可愛らしく映るようにアップデートを実施中なのです。

 

 ちょっと可愛らしくメイクした、にわか美少女の提督より、ナチュラル美少女な私の方が可愛らしい……当然です。

 

「えっと、とりあえず……我らが天風遥提督から、軽く自己紹介をって感じですかね。はい、提督! スマイルとご挨拶! ご一緒に、視聴者の皆様こんにちわーっ!」


 そう言いながら、先程同様、スカートをつまみ上げてのご挨拶。

 ちょっと、勢い付けすぎて、チラッたかも知れませんけど、むしろ計算づく! 私、あざとく行きます!


「ちょっ! 天霧っ! なんか、アンタいつもとノリが違くね? てか、今だって、思い切り見えてたしっ! さすがに、そう言うのは止めてよ! こっちが恥ずいよっ! まったく……」


「ふふふ……今のは私は、アイドルレポーターの平均値を元に算出した仮想人格プラグインを取り込んでますから! 視聴率と人気のためならパンチラだって許容する素敵ガールなんですよ!」


 ……うん、そう言えば本当の私ってどうだったのかしら?

 ちょっとその辺、良く解らなくなりつつあるのだけど……。

 

 こんな時は、セルフチェックプログラム起動。

 

『精神的に高揚の兆しあり、されども各種メンタルパラメーターは許容範囲、戦闘行動に支障なし』

 

 セルフモニタリングチェック判定結果は、問題なし。

 戦闘行動に支障が出ない程度であれば、戦闘艦艇頭脳体としては、まったく問題ないと言えます。

 

「セルフチェックも問題ないと判定されました! さぁ、提督もチラッと行っちゃいましょう! サービス、サービスっ!」


 そう言って、遥提督のスカートをめくろうとすると、すごい勢いでガードされます。

 ……普段、私室で下着姿であぐらをかいて、ポテチかじりながら、ゲームしてるような人が今更、何を恥じらっているのだか。

 さすがに、CICではちゃんと服とか着せてますけど、油断してるとお風呂サボって、フケだらけになってたり、色々困った人なんですよね。


「……いやいやいや、普通にキャラ崩壊してるし! つか、人のスカートめくるなってっ! やーめーっ!狭霧っ! コレ、あんたの身内でしょっ! いいのっ! こんな破廉恥でっ!」


「んだよ……私に振るのか? はいはい……天霧のセルフチェックの結果を受領確認っと……。とりあえず、戦闘行動に支障なしだってよ。なら、私ら的には問題ないんじゃないか? まぁ、こいつ普段、クソ真面目でお硬いから、これくらいでも、ちょうど良いんじゃないかな?」


 ……我が妹分、狭霧。

 提督の要望で客観的チェックの為に、セルフチェックの結果を寄越せとの情報リクエストが来たので、送ってあげました。


 まぁ、結果は沙霧から見ても正常……当然ですね。

 

 沙霧は、ボーイッシュなショートカットの髪型で、服装も男の子っぽいパンツスタイルを好むんですけど、今日は私と同じ白基調のセーラー服姿。

 

 一応、これ隊服って事になってますからね。

 

 でも、スカートもダラッとスネのあたりまであって、なんとも野暮ったいし、長袖だからなんとも地味な感じです。

 これって、例えれば田舎の女子高生とかそんな感じですね……凄く偏見かもしれませんけど。

 

 こんなんじゃ駄目です。

 もっと、素肌を見せないと! いっそ、私とおそろいにしましょう!

 

「ふふ……沙霧も、相変わらずぶっきらぼうだけど、ちょっとは可愛くしましょうよっ!」


 そう言って、隣に行くとセーラー服の袖をめくって、半袖状態にいたします。

 私と一緒……やっぱり、半袖のほうが清涼感があっていいです。

 

「めくりめくりめくりっと……これでどうです? 私達、氷点下の中で裸で居ても、全然平気な位なんだから、むしろ、涼し気な感じでいきましょうよ」

 

「ちょっ! 天霧、いきなりなにすんだ!」


「半袖、いい感じだと思いますよ? そうだ、スカートももっと短くしましょう……ここは膝上20cm位行ってみましょうよ!」


 そう言って、沙霧の腰の所から手を突っ込んで、スカートをドンドン織り込んで引き上げていきます。

 あっという間に、ミニスカートの出来上がりです!

 

「ちょっ! 何してくれてるんだよっ! こんなにされたら、ちょっと動くだけで色々見えるだろっ!」


 言われて、しゃがみ込んで沙霧の下着チェック。


 ……見えました! ミントグリーンの縞々パンツ。

 沙霧ってボーイッシュな見た目なんだけど、意外とこの娘、乙女チックなところがあるんですよね。

 

「沙霧、良いじゃないですか……縞パンとは、あなたも意外とあざといんですね」


「ちょっ! 見たのか! 私のなんか見て何が楽しいんだっ!」


 恥ずかしそうにスカートを抑える沙霧。

 乙女の恥じらいプラグインなんて、いつの間に実装したのかしら?

 

 でも……何かしら? この無償に弄り回したいという衝動は……?

天霧ちゃん、順調にバグってます。


本編の大幅追記改稿で、本編の伊400戦の辺りに「白兎隊」の出番を追加してます。(笑)

彼女達は、民間船団の避難先の安全確保と避難誘導の任についてました。

地味なんだけど、割と重要な最後の守り手役って事で、特殊戦らしい戦いではあります……。

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