22:頭の中は大波乱
遅れましたーすいません( 一一)
ブクマ増えてて嬉しいです!
読んでくれてアリ(´・ω・)(´_ _)ガト♪
確かに、聞こえました。
こんにちは、と。
誰の声でしょう?
女性のような、それでいて幼いような…。
一番近いものは、鈴、のようなものでしょうか。
『…お困りですね?』
まーた聞こえましたよ。
なんですかね?幻聴ですかね?
なんか、頭に響いているような…。不気味…。
『あーあー、テステス。聞こえてますか?』
「聞こえない…聞こえない…これは幻聴…」
あまりにも不気味なので、シノは自分に言い聞かせることにしました。
逆にこの声が聞こえてないファズはシノを不気味がります。
「どうした?なんか聞こえるのか?」
『聞こえてるんですね!よかったよかった』
「うわー!やばいよ!ふぁず!変な声聞こえる!」
『「変大な丈声夫とかは?失シ礼ノで?すね」』
「うわー!ふぁずの声と変なのの声が混じって聞こえるよ!」
うおおお、と、シノが悶絶しています。
そんなシノを、ファズが心配そうな目で見てきます。
変なのが、わーいやったー!とシノの頭の中で、声だけで、はしゃいでいます。
『自己紹介がまだでしたね! 私は水の精霊、ウンディーネです!』
「聞いてない!」
「何を!?」
変なのの名前はウンディーネと言うようです。
でも、そんなことは関係ありません。早く去ってくれることを祈るのみです。
なのに、そんなシノの願いをことごとく無視して、変なの、改めてウンディーネは話を続けます。
『あなた様の呼びかけに応じて、導かれたのです!』
呼んでなーい!シノは心の中で叫びます。
『またまたぁ、たくさん呼んでたじゃないですか、水よ出ろ~!って』
確かにそう呼んでたけど!変なのは呼んでない!
また、心の中で大声で叫びました。
そして考えるのです。でもこれ、私が水を呼んだから変なのが来たんじゃね?と。
まったくその通りでありますよシノさん。
「うー!わかった!わかったから!」
『おお!やっとわかってくれたのですね!』
「シノがついにおかしくなった…」
「だから、せめてふぁずに聞こえるようにしてー!」
シノは頑張って考えて、一つ思いつきました。
そう。頭の中にいる、変なのがファズに聞こえないから、きっと色々面倒臭いことになっているのではないか?だから、ファズに聞こえたらこの問題、解決するんじゃね?と。
なので、頭の中でワーワー騒がれても困るので、あと、ファズが話についていけないので、シノはお願いすることにしました。
『わかりました! あなた様の願いとあらば! ちょっと魔力を使いますが、実体化させますね!』
すると、ウンディーネはシノのお願いをすんなり受け入れてくれました。シノはその瞬間、頭の中が軽くなったような気がしました。
シノとファズの間に、どこからか現れた水色のもやがくるくると渦巻いていきます。
『ほれっ!』
奇妙な掛け声とともに、もやの中から小さな人が現れました。女の子でした。羽が生えてました。アリシアの手のひらサイズ。
なんか全身水色と青を混ぜた感じです。髪は後ろに流していて、全身が水に濡れています。びしゃびしゃです。
現れた小人はシノにペコっとお辞儀をすると振り返って、
「こんにちは! 私は水の精霊、ウンディーネです!」
ファズにむかって挨拶をしました。
それにしても、突然話しかけてきたのでびっくりです。
シノの呼びかけに応じた、と言っていましたが、よくわかりませんでした。
ファズに挨拶を終えた(ファズは突然の事で引いていた)ちっこい精霊?のウンディーネはシノに向き直り、また一礼すると、目を輝かせてこう言いました。
「ああ、シノ様。やっと会えました…! ずっと探していたのですよ!」
これを聞いたシノはこう思います。
はて? 私、誰かから探されてたかな?
と。
誰からも探されてなかった気がするけどなあ、と頭をひねりますが、シノの脳内検索エンジンにウンディーネの文字は引っかかりません。そもそもウンディーネってなに?
それでも、頭を悩ませていると…。
「しこうていしー。わからーん」
シノの頭が爆発しました。
***
日当たりのいい窓の下。
一冊の開いた魔導書が、窓からの風でパラパラとページがめくれて行きます。
やがて最後のページにたどり着き――。
赤文字でこう書かれていました。
この魔法は破×へと導く――。
使用、するな――。
と。
その時、一際強い風が吹いて、本がバン!とものすごい音を立てて閉じられます。
その裏表紙には。
呪われた。
青の世界に、赤の悪魔がやってくる。
…さよならだ。
それは、タイメントが見た、あの魔導書でした。
変なのが話しかけてきたら私は必死で逃げるかな…。
よーし執筆頑張るぞー!
ではまた!




