第2章 全体エラー [第1アーカ「実験A」]
倉来は家を出て、学校の方へ歩いていた。
途中で緋賀アキラを見つけた。彼女は少し先を歩いていた。
彼は手を上げて叫んだ。
「アキラ、待って!」
アキラは振り返り、倉来を見て微笑んだ。頬が赤くなった。
倉来は走ってやって来て、息切れながら言った。
「ふー… こんにちは… ふー… そろそろ走り始めないと」
アキラは小さく笑い、二人は一緒に歩き出した。
「アキラ、なんでそんなに早く学校に来てるの?」
「あ、私、委員長だから。みんな来る前に準備しないといけないから… あなたは? もしかして、あなたも委員長?」
「いや、ただ…すごい変な夢を見て、早く起きちゃっただけ」と、彼は真面目な顔で言った。
アキラは倉来を見つめていた。心の中で思った。
(「彼…私の理想にぴったり…」)
「その夢、もし良かったら教えて?」と、アキラは赤面しながら聞いた。頭の中は一つだけ。
(「もしかして、私のことの夢だったのかな…」)
「うーん… 神様みたいなのが出てきて… 何か言われて…」
言い終わる前に、胸の中で何かが強く打った。
息ができない。吸うことも、吐くこともできない。空気が消えたみたいだった。
(「本当に…あの夢は夢じゃなかったのか…」)
倉来はひざをつき、両手で体を支えた。汗がどしゃっと流れ落ちた。
「違う… ただ夢を信じすぎた… 息を吸えばいいだけ…」と自分に言い聞かせた。
でも息が吸えなかった。口を開けても、何も起こらなかった。声も出なかった。
アキラはすぐに駆け寄り、慌てて動いた。
「倉来、待って! 医者を呼ぶ!」
そして、迷わず学校の方へ走った。学校はすぐ近くだった。
倉来は動けず、その場にいた。視界が暗くなっていった…
ふぅー… はー…
やっと息を吸えた。彼は背中をつけて寝そべり、深く呼吸した。
「本当だとしたら… あの言葉… そして、あの恋の話も本当なのか…」と、小声で呟いた。
力を振り絞り、倉来は立ち上がり、服を払った。アキラに会って大丈夫だと言うために、その場所に残ることにした。
しばらくして、アキラと医者が走って来た。二人は倉来の前に駆け寄った。
「誰か具合悪いの? あなた? どこか痛い?」と、医者は心配そうに聞いた。
「すみません、大丈夫です! 喉に何か詰まっちゃっただけ。今はもう大丈夫!」と、倉来は明るく笑った。
医者とアキラは顔をそむけ、ささやき合った。
「この子、すごくカッコいい! 何歳くらい?」と、医者は赤面して言った。
「私も知らない… 昨日初めて話しただけ… でも、カッコいいのは間違いない」と、アキラも顔を赤くした。
医者は気づいて、倉来に向かって言った。
「じゃあ、さようなら。無事でよかった」と、急いで学校の方へ去っていった。
倉来とアキラは見合って小さく笑った。そしてまた学校へ歩いた。
授業が終わった後、倉来は靴箱の所へ行き、靴を取り出そうとした。すると、中に手紙があった。
彼はそれを取り出し、開いて心の中で読んだ。
「こんにちは、私はアキラです。ちょっと話したいことがあります。だから、学校から三つ目の曲がり角でお待ちしています」
倉来は緊張した。
(「告白かもしれない… でもあの夢と今日のこと… たまたまの偶然だと思いたい…」)
ため息をつき、つぶやいた。
「ただの夢だ。偶然だ…」
三つ目の曲がり角に行くと、そこにはアキラが立っていた。
その3時間前、アキラは医者(彼女のおばさん)のところへ来ていた。
「おい、どうしたの?」と、おばさんは本を読みながら聞いた。
「別に… うーん、おばさん、あなたは恋とか、告白したことある?」と、アキラは赤面して横を向いた。
「自分からはしたことないけど、告白されたことはたくさんあるよ。あなたは誰か好きな人いる?」と、おばさんはニヤリと言った。
「いや… うーん… まあ… いる」と、アキラは照れまくっていた。
「相談に来たのか?」と、おばさんは椅子に深く座った。
「はい!」
「もしかして、さっき息が詰まってたあの子?」
「そうです!」と、アキラは真っ赤になった。
「残念だけど、たぶん断られるよ。あの子、ただのイケメンじゃないよ… 私までちょっと誘惑された」と、おばさんは茶目っ気たっぷりに頬を膨らました。
「でも、私も恋愛のプロじゃないけど… 手紙を書いて靴箱に入れて、会ったらそのまま告白すればいいよ。簡単だよ」と、真顔でアドバイスした。
「わかりました! そうします!」と、アキラは張り切って言った。




