第1章 出会い [第1アーカ 「実験A」]
ピン…ピン…ピン…
倉来は起きて目覚ましを止め、つぶやいた。
「うわ…また学校か」
カレンダーを見て、ぼんやりと言った。
「まあ、学校が終わるまであと2週間だからいいか」
ベッドから起き、トイレに向かった。洗面台の鏡の前で立ち止まった。
「結構イケメンだな…以前はそう思わなかったけど」
顔を洗った後、服を着て靴を履こうとした。ちょうどそのとき、目をこすりながら母親が起きてきた。
「さあ、行ってらっしゃい、私のお宝さん。今日は5を取ってきてね」と、微笑んだ。
倉来は振り返って出て行った。
学校までの途中、路地の角で視界の端に、男の子が女の子にしつこく言っているのが見えた。
(「俺の問題じゃない…」と思った。でも、何かが頭の中でパッと閃いた。)
角からそっと覗いてみると、やっぱり男の子は女の子を無理強いしていて、もう1人の男の子と女の子が笑いながらささやいていた。
男の子が女の子を押しのけ、殴ろうとした瞬間、倉来はカバンを放り投げて角から飛び出した。
「おい、その子を触るな!」
彼は背が高く、筋肉質で、バスケットボール部のメンバーとして知られていた。2人の男の子と1人の女の子はびっくりしてすぐに逃げた。
倉来は安堵して心の中で思った。
「あー…もしケンカになったら、俺絶対逃げるよ。俺格闘術なんて知らないし、怖いんだ…強く見えても、心は弱いんだよな」
彼は女の子のところに歩き寄った。
「大丈夫?怪我してない?」
女の子の頬が赤くなり、顔をそむけて言った。
「うん…ありがとう、助かった」
「いや、いいよ。あと5分でチャイム鳴るから、遅れないようにね」
女の子は驚いて学校の方へ走り出した。走りながら言った。
「またありがとう!」と笑顔で。
倉来は教室に入り、席についた。10秒後、チャイムが鳴った。彼は右側を見たが、友達はいなかった。
(「多分遅刻だろう…まあいいか」)
授業が終わると、倉来は家に向かって歩いた。学校から30〜50メートルほど進んだところで、後ろから走ってくる足音と息切れの音が聞こえた。
助けた女の子が追いかけてきて、言った。
「こんにちは!あなた、私のこと覚えてる?」と自分を指さながら。
「あ、こんにちは。もちろん覚えてるよ。何か用?」
「別に何も…同じ方向だから」
「ごめん、聞かなかった…名前は何?」少し照れながら。
「私は緋賀アキラ。あ…私もあなたの名前聞いてなかったわ」と、少し赤面しながら。
「俺は鈴木倉来」
「じゃあ、それじゃ…私はこっちだから」と、角を指して言った。
倉来は家に帰り、パソコンで2〜3時間ゲームをした。疲れて休もうと思った。
目を開けると、何も見えなかった。真っ暗だった。立ち上がろうとしたが、すでに床に倒れていた。怖くなって叫んだ。
「誰か!聞こえる!あーーー!」
「やだよ…そんなに叫ぶな。なんで?」と、冷たい笑みを伴って言われた。
「誰だ!答えろ!」倉来は頭を振り回し、恐怖で震えていた。
前方に光が見えた。そして、耳のすぐそばで誰かの息遣いを感じた。
「最初から叫ぶ必要なかったんだよ」
倉来は心臓が止まりそうなほど怯えた。
「誰だよ!見えない!」
突然、周りが明るくなった。緑の草、木々…目の前には椅子が立っていた。倉来は立ち上がり、椅子の前に行き、座った。
目の前には男性が現れた。ほぼ裸で、腰に白い布だけが巻かれていた。彼は微笑んだ。
「これが我々の実験だ」
倉来は何か言おうとしたが、声が出なかった。ただ口を開けていた。
「何か言いたいのか?先に説明するから、後で質問して」
(「まさにリアルな夢だな…」と倉来は思った)
「そうだ。私はあなたたちが神と呼ぶ者だ」
倉来は驚いた。心の中で思った。
(「そういう顔してるのか…信仰心はないけど、違うイメージだった」)
「この話はここまで。次はあなたについて。あなたは我々の実験体だ。目的は言えない」
倉来は驚き、口を開けた。
「でも、この話を誰にも言えないなんて…」
「黙れ」と、男性は空中に指を走らせ、倉来の口が動かなくなった。
「実は最初から話せたんだ。俺が話せないと言っただけだよ。ハ…人間って面白い」
倉来は自分に問いかけた。
(「最初から話せたってこと?俺全然言葉出なかったのに…まあいいか」)
神は笑いをやめ、手を顎に当てて言った。
「わかった。さすがに反抗したらどうなるかわかってたんだから、実験の本質を話そう。あなたはイケメンとかじゃない。ただ、誰かがあなたに告白した瞬間、その人は病気になったり、大切な人を失ったり…苦しみ始める」
倉来の目が広がった。心の中は混乱していた。
(「もしこれが本当なら…もし夢じゃなかったら…」)
視界が暗くなった…
そして、彼は目覚めた。
6時。冷や汗だらけで、倉来は言った。
「なんて夢なんだ…」とため息をつき、立ち上がった。




