狼狩り
(どうするかな…)
陣形が整い始めた狼達を前に考える。
(攻撃に反応することが出来ても、受け止めることは出来ない。数も多いし連携も取れている。それにこの特異性は戦闘中には意味ないな…解除)
視界から赤色の線が消え、俺は狼達を観察した。
(狼達はこちらへ仕掛ける気配はないな…。
仕掛けるしかないか)
ふぅー、と深呼吸をして呼吸を整える。そして狼達へ走り出す。それと同時に2匹の狼は横方向へ走り、残りの3匹は迎撃体制へと移った。
俺は迎撃体制へと移った狼のセンターに力一杯にナイフで切りかかった。
「──っぐ…!」
ナイフが当たった瞬間にサイドへ走り出していた狼に突撃され、斬撃が深くまで届かなかった。
……だが手傷を負わせるには十分であった。
攻撃を受けた狼には左目から口にかけて、浅いものの傷が出来ていた。
そして俺は、確かに吹っ飛ばされたが受け身がとれたので肩の辺りを少し痛めるだけですんだ。
前を見ると2匹の狼がこちらに走り出していた。
「陣形が崩れたな!」
相手の動きに合わせ、俺も走り出して2匹の狼の上へと飛び上がり、2匹の間に急降下して首元を掻き切った。
(後は手傷を負ったのが1体、普通のが2体か。
弱ったやつから殺すのが定石か)
残りの3体は依然として陣形を崩さず、傷を負った狼を守るようにして残りの2体は横に並んでいる。
俺は目を負傷している狼の死角へナイフを投げ、俺はナイフと同じ方向から走りだした。
ナイフは奴らから見て左側にいた狼に弾かれたが、奴が弾いた隙に、負傷した狼と同時に首を切ることができた。
(運良く同時に殺れた!これで後1体…!)
倒れそうになる2体の狼に隠れて後ろから近づき、尻尾を掴み飛び乗った。
そして暴れようとしたところで、頭からナイフを突き刺した。
狼は足先から崩れ落ちて、それに乗っていた俺は地面へ転げ落ちた。
(はぁ…よし、討伐…完了だ!……でも)
手に肉を切った感触と骨を叩き割ったような気持ち悪い感触。そして、ぬめつく生暖かい返り血が、命を奪った実感と後ろめたさ、不快感を掻き立てた。
「取り敢えずこの死体達を持って報告しに行こう…。」
俺は死体をズルズルと引きずりながら歩き出した。
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