1話:前世
『異世界配信者』ある程度書けたので投稿します!
私の名前は白石莉央。現在、高校二年生の女子高生である。今日も今日とていつもと変わらない学校生活を過ごし下校している最中だった。
ピンクゴールドの少し高そうな見た目の腕時計に目を移すと午後七時半を回っていた。ダンス部の練習はいつもハードで最終下校時間のギリギリまでやっている。
いつも一緒に帰っている友達は彼氏と一緒に帰るらしく今日は、珍しく一人で帰ることになった。途中スーパーに寄り惣菜を買っていく。
今日はコロッケに半額シールが貼られていたのでそれを買って帰る。母親は仕事で日付が変わる頃にしか戻って来ないし、父親はすでに他界している。
母親はすごいなと思う。女手ひとつで私たちを育てている上で私を部活にまで通わせてくれている。私も「バイトをして生活費の足しにしたい!」と口にしたが「あんたはあんたの好きなことをしなさい。生活のことは気にせんでよか。」そう言われてしまった。
その日は、夜遅くまで話合いを続けたが結局、私が折れて父親の生前から続けていたダンスを続けることにした。
私の家は五人家族で母親、私、今年中学二年生になる妹が一人、今年で小学五年生になる妹が一人、そして今年小学生になる弟が一人だ。
父親は生前大手企業に勤めており決して豪華な生活ではないが、私たち四人を養っていくのに十分なほどの給料はもらっていた。ただ、一昨年の夏この世を去ってから保険金や貯金、母親の給料などでやりくりしていたがそのお金も足りなくなってきて母親は労働時間を増やした。
その時にも、私はバイトをして生活を支えたいと口にしたが否定されてしまった。そう考えているうちに住んでいるアパートが見えてきた。
生前住んでいたマンションも売り払ったが私の祖父母の病院への入院、手術代などに使われてそのお金はあまり残ってはいない。
扉を開けると下の妹と弟が玄関に迎えに来てくれた。そして、二人の頭を撫でてやる。すると二人は嬉しそうな笑顔で私にハグしてくる。
「春陽、春翔。今日晩ご飯はコロッケだよ!二人とも食べたいって言ってたでしょ。」
その言葉に二人はコクリと大きく頷いた。春陽は下の方の妹の名前で春翔は弟の名前である。するとそこへ、上の方の妹が向かってきた。彼女の名前は莉乃である。
「おかえり、お姉ちゃん。私ね、学校から帰ってきてから勉強してたんだ。このまま奨学金を貰える成績を維持して東京大学に行ってお姉ちゃんたちを幸せにできるところに就職するんだ。」
莉乃は天才なのである。中学二年生ながら数学では微積分、英語では英検準一級持ちである。また、彼女は県内で一番偏差値の高い私立中学校に通っており尚且つ、学年トップ三を維持して奨学金を貰っている。
「莉乃。お姉ちゃんたちのために頑張ってくれているのは嬉しいけれど自分のことを大切にしなさいよね。勉強ばっかりじゃ疲れちゃうでしょ。息抜きも大切だよ。」
私がそう言うと「勉強が息抜きだから大丈夫」と天才発言をしてリビングへと戻っていった。私も、決して頭の悪い学校に行っている訳ではないが莉乃ほどではないのである。
「二人ともリビングに戻ってお皿を並べたり夜ご飯の準備をしといてね。」
私はそう言い手を洗ってくる。リビングに戻ると勉強道具は片付けられ机の上には四枚の皿が並んでいた。母親は仕事場でいつも食べてくるのでいつも四人だけの食事だ。
「美味しそう〜。」
弟の春翔はよだれを垂らしながらそう呟く。主菜は一食当たり五百円を想定しているので五十円に値下げされていたコロッケは十個ある。一人二個ずつと春陽と春翔は三個である。
「「いただきます」」
みんなで手を合わせて食べ始める。机の上にはそのコロッケと米、レトルトの味噌汁がある。学校であったことを聞いたりしているとあっという間に食べ終える。
莉乃は家事を手伝うといつも言ってくれるがいつも私は断っている。そう考えると親子似たもの同士である。私が食器を洗ったりしている間に春陽と春翔は先にお風呂に入っている。莉乃はリビングでまた勉強している。
私も、片付けをした後課題をやってダンスの練習をする。課題をしている最中に莉乃がお風呂に入ってダンスの練習中に私のお風呂に入る順番が回っきた。時計に目をやるともう九時を過ぎていた。
(近所の人に文句言われなくてよかった。このアパートは夜の八時半以降はダンスとか楽器とか大きな音を立てる行為は禁止されているのである。)
それから、バスルームに向かい脱衣所?のような小さなスペースで、まだ着替えていなかった制服を脱ぎサイドで結んでいた髪もほどく。下着類も全て脱いで扉を開ける。蓋を開けると湯船からまだ白い湯気がモコモコと立っていた。
まず、シャワーで汗を流しシャンプーで頭を洗った後に体もボディーソープで洗う。その後トリートメントを全体的に馴染ませると湯船に浸かる。つま先を先に入れて温度を確認してから体全体を湯船につける。
それから、文化祭で踊る曲を口ずさみながら振り付けを頭の中でイメージする。数分が経ったので湯船から上がりトリートメントを洗い流す。その後、リンスを髪に浸透させて洗い流すとその後洗顔をする。
それからしばらく湯船に浸かりやがて上がることにする。白いバスタオルで体を拭いている時に春翔から「お姉ちゃんの電話鳴って」ると言われたのでバスタオルで身を包んで右手で着替える予定だった服を持ってリビングへと向かう。
本当は服を着たかったがその電話がかかってきた相手が部長だったこともあって慌ててリビングへと戻ることになってしまった。
電話に出るとどうやら文化祭の日に気になっている男子生徒に告白するらしくその相談だった。時間返せ!と思いながらその話を聞き流す。
『やっぱり、文化祭の後にあるキャンプファイヤーの周りでフォークダンスを踊るタイミングで告白しようかな。ダンス部じゃない人が大勢踊る中でダンス部部長の完璧なダンスを見せて……聞いてる?』
部長とは中学生の時から同じ学校で中学生の時も同じダンス部であったため恋バナをするくらいには仲がいい。
「聞いてますよ。」
部長の話を聞きながら私は着替えることにする。落ち着いた深みのあるネイビーのパジャマを身に纏う。襟元からフロントにかけて施された白いパイピングが清楚なアクセントになっており、胸元には丸いボタンが整然と並んでいる。クラシックなオープンカラー仕様の、清潔感漂う部屋着だ。
『……こんな感じで告白するのどう?』
全く聞いていなかったのでこんな感じとはどんな感じかわからないが「いいんじゃないでしょうか?」ととりあえず返しておく。それから世間話を小一時間ほどすると十時半になっていた。春陽と春翔はもう既に寝ていたが莉乃はまだ勉強していた。
私が髪を乾かしてスキンケアなどをしていたら十一時を回ったので莉乃も布団へと入る。私が明日の準備などを終わらせたり寝る準備を終わらせたのは十二時ごろだった。
明日は朝から課外授業があるため早めに寝ることにする。布団へと入ると妹達の寝顔を見ながら瞳を閉じる。それから眠気が来てそろそろ眠れそう。そんな時だった。
最初に軽く揺れたような気がした。疲れ過ぎていたのだろうともう一度寝ようとする。
すると、どこか遠くで地鳴りのような不気味な低い音が響いたかと思うと、グラリと大きく揺れた。
部屋の天井から吊り下げられた照明が大きく振り子を描き、棚に並べられた小物がけたたましい音を立てて床へ転がり落ちていく。
視界全体が歪むような激しい揺れだ。その小物が落ちる音や揺れに気づいてなのか全員が目を覚ました。
春翔は状況が読み込めないのか体を起こしたまま固まっている。以前、震度四の揺れを経験しているがそれとは比べ物にならないほどの揺れである。
そこで服などを入れていたタンスがこちらに向かって倒れてくる。慌てて妹達を助けようと身を挺して守るが引き出しの一部が頭部へと直撃し意識が刈り取られていく。
最後に見たのは妹達みんなが泣いている姿だった。それと同時に走馬灯というやつだろうか?これまでの十七年間の記憶が一気に流れ込んでくる。
タンスが妹達に向かって倒れてくる場面が見えたところで視界が真っ黒になる。そして目の前に何かが映し出された。
『***』
それから徐々に意識がハッキリとしてくる。重たい瞼を開く。すると、見慣れない天井が見えてきた。
リアクションや感想、ブックマークなどは作者の励みになりますので是非お願いします!




