第四十章
サイラエルは、すぐには誰にも言わなかった。
起きたことを長く隠せると思ったからではない。たった一週間で、死が人々に手紙より早く顔を読むことを教えた宮殿では、最後の継承者の周囲のどんな変化も、いずれすぐ見えるようになる。召使いたちは間に気づく。神官たちは新しい祈りに気づく。顧問たちは、以前なら命令があるはずの場所に生まれる沈黙に気づく。近衛は、彼女が今、窓辺に立つとき、庭ではなく、その先に伸びる時間の線を見ているかのような姿に気づく。
それでも、最初の数時間だけは国家のものではなかった。
それだけでも、大きかった。
彼が自分の者たちのところへ戻ったとき、誰もすぐ問いを投げなかった。メイでさえ。顔を見れば言葉は十分にあり、その半分は短剣よりよく斬れそうだったのに。リニは卓のそばに座り、触れてもいない木杯を指で包んでいた。ノエルは記録を見ていたが、頁はめくっていなかった。ベラは壁際に立ち、外側はとても落ち着き、内側はとても注意深かった。ゴルゲラニスは窓辺に座り、脚を伸ばし、人々だけではなく、人々自身がまだ理解していない古い儀式の結果を観察しているような顔をしていた。
リッチは滅ぼされた。
だが宮殿は、なお見えない戦いの後の戦場のままだった。地下墓所を清め、汚染された布を焼き、まだ主の意志を影に残しているかもしれない廊下を調べた。ゴルゲラニスは二度下へ降り、何を焼いたのか誰も聞かないような顔で戻ってきた。アイリは神官たちを手伝い、祈祷広間にリッチが残した死んだ反響と本物の悲嘆を切り分けた。リニは残った呪われた線を魔法で閉じた。ベラは、まるでずっと宮殿の指揮をしてきたかのように近衛の配置を整えた。メイは、感染した小物を「記念に」盗もうとした者たちを捕まえた。ノエルとマリィは、損失、戦利品、債務、支払い、今後の脅威についての一覧を作り、その最初の三頁を読んだエル=ラエンの摂政は葡萄酒を求めた。
サイラエルは持ちこたえていた。
完璧にではない。
まさに、持ちこたえていた。
気絶することもなかった。遺体のたびに美しい演説をすることもなかった。悲嘆を未来の冠の飾りに仕立てることもなかった。命令に署名し、臨時の役職を任命し、死んだ近衛や召使いの家族への支払いを承認し、昨日までは宮殿が夜を越せるか疑っていた者たちの誓いを受けた。
一度だけ、彼は彼女が母の部屋の閉ざされた扉の前で立ち止まり、額を木に押しつけるのを見た。
泣いてはいなかった。
ただ、立っていた。
彼は近づかなかった。
それでよかった。
アイリは休息へ戻り、リッチ、エル=ラエン、サイラエルについての知らせだけでなく、第一の世界へ伝えなければならないことも持っていった。
そして戻ってきたとき、悪い知らせを持ってきた。
彼らはすでにアステルに戻っていた。まだ仮住まいのように見えるのに、どの借り部屋よりも家らしくなっていたあの家で。卓の上には二つの国の地図、エル=ラエンの宮殿からの手紙、デイロンへの報告書、ノエルとマリィの覚書、メイが「財布の葬式」と呼ぶ買い物一覧、そしてサイラエルの名が書かれた別紙が置かれていた。その名の横には、ノエルはまだ何も書いていなかった。王国一つ、受胎、未来の後継者を、どの欄へ入れればいいのかわからなかったからだ。
アイリが現れたのは夕方近くだった。
銀がかった金色の光、赤い髪、緑の目――そして笑みの中の疲労。
彼はすぐに理解した。
「だめだったんだな」
アイリは首を振った。
「ええ」
部屋がとても静かになった。
窓辺に座っていたゴルゲラニスは動かなかったが、金色の視線は重くなった。
アイリは座った。椅子ではなく、いつものように彼のそばの卓の縁に。彼の手を取り、それから皆を見た。
「情報を交換したわ。私、ヘラ、テリ、リニ、シリ、ベラ、メイ。それからまたヘラ。こちらの愛の女神とも、私との繋がりを通して。こちらのゴルゲラニスとも。夢、マルブルク、反映、あなたの痕跡、私の二つ目の身体、サイラエルとの繋がり、受胎の後に起きたあの奇妙なずれ――それらをもとに、確認できることは全部確認した」
ノエルが顔を上げた。
「それで?」
「できない」
メイが勢いよく立ち上がった。
「まったく?」
アイリは視線を逸らさなかった。
「どれだけ努力しても。あの方法では。あの力では。あの精度では。話すことはできる。私は注意と身体で、こちらとあちらを行き来できる。こちら側の肉体を支えてくれる現地の女神がいて、私の本質が愛を道として掴めるから。でも、その道を通して彼を渡すことは……できない」
リニが目を閉じた。
ベラがゆっくり息を吐いた。
ゴルゲラニスが言った。
「私も同じ結論に至った。理論上、彼を引き抜くことはできる。だが、私たちの手ではない。私たちが掴んでいるものを裂かずには、できない」
「危険を承知でやったら?」メイが尋ねた。
ベラが鋭く彼女を見た。
メイは牙を剥いた。
「皆が考えたことを聞いてるだけよ」
アイリは静かに答えた。
「賭ければ、彼を世界と世界の間で失うかもしれない。あるいは、繋がりを裂いて、どちらの世界ももう欠片さえ見つけられなくなるかもしれない。彼だけでなく、他のものにも道を開いてしまうかもしれない。あるいは、両方の枝を傷つけ、その余波が、私たちの存在すら知らない人々にまで及ぶかもしれない」
メイは拳を握った。
「つまり、できない」
「つまり、そのやり方ではできない」
「そういう言い換え、大嫌い」
「知ってる」
彼は聞きながら、奇妙な静けさを感じていた。
安堵ではない。
諦めでもない。
打撃の直後に来る、あの静けさに近かった。痛みはまだ来ていないが、どこで骨がひび割れたかはもうわかっている静けさ。
彼女たちにはできない。
アイリにもできない。
ヘラにもできない。
ゴルゲラニスにもできない。
こちらの愛の女神にもできない。
二つの世界のリニにもできない。
彼女たちの繋がりも、夢も、魔法も、愛も、竜の古さも、神の頑固さも――足りない。
この世界のリニが目を開いた。
「でも、あなたは『そのやり方では』と言いました」
アイリはうなずいた。
「ええ」
ノエルはすぐに羽ペンを取った。
「つまり、別の方法はあるのですね」
「可能性はある」
アイリより先に、ゴルゲラニスが言った。
「別の国に、骨の竜がいる」
それまで静かすぎるほど静かに座っていたマリィが、顔を上げた。
「すみません。骨の、何ですか?」
「竜だ」とゴルゲラニスが言った。「骨の竜」
「聞き間違いだと期待したのですが」
「正しく聞いた」
メイが眉をひそめた。
「アンデッド?」
「いいえ」とアイリが言った。「普通の意味では違う」
ゴルゲラニスは暗くなる窓の外を見た。
「古い存在だ。とても古い。竜が生きているようには生きていない。リッチが死んでいるようにも死んでいない。名はアスタルホルン。ある言語では白き背。別の言語では最後の骸。さらに別の言語では骨の記憶と呼ばれる。彼は遥か北東、ティランナの塩の高原の向こうにいる。そこはもうエル=ラエンでもヴァルドゥスでもない。別の国だ。別の山。別の取り決め」
ノエルは速く書いていた。
「なぜ彼なのですか?」
アイリが答えた。
「彼が扱うのは愛ではなく、炎でもなく、普通の転移魔法でもないから。形の記憶よ。肉、名、場所、そして世界でさえ慣れ親しんだ境界を失った後に残るもの。もし、片方の枝から異物を取り出して、両方を裂かずにもう片方へ戻す方法を理解できる者がいるなら、それは彼よ」
「彼は同意しますか?」ベラが尋ねた。
ゴルゲラニスが短く笑った。
「しない」
「なら、なぜ行くのですか?」
「古い存在の『しない』は、しばしば『もっと良い代価を示せ』という意味だからだ」
メイが鼻を鳴らした。
「竜の外交ね」
「そうだ」
「代価が骨だったら?」
ゴルゲラニスは彼女を見た。
「そのときは、誰の骨かを確認するのが肝要だ」
マリィが静かに言った。
「油代の超過が一番怖かった日々が恋しいです」
誰もすぐには笑わなかった。
その後、ノエルが不意に小さく吹き出した。
そして緊張に、少しだけひびが入った。
アイリは続けた。
「第一の組が、そちらへ向かうわ」
「第一」という言葉が、即座に部屋を変えた。
彼は顔を上げた。
「彼女たちが?」
「ええ。あちらのヘラのほうが、古い竜の道をよく知っている。シリとテリはもう地図を集めている。リニは行きたがっている。メイも。ベラは当然行く。あちらのアイリ……つまり、私もできる範囲で同行する。彼女たちは、こちらで私たちが次の道を試すのを、座って待つことはできない。自分たちの一歩が必要なの」
この世界のメイが鋭く顔を背けた。
「当然、行くわよね」
誰のことか、確かめる必要はなかった。
あちらのメイも、残らない。
リニが静かに尋ねた。
「全員で行くのですか?」
「主力組。支援はつけるけれど、軍ではない。アスタルホルンは騒がしいものが好きではない。それに、生者も必要以上には好かない」
「心強いです」とマリィが言った。
ゴルゲラニスが言った。
「彼は、そもそも好む相手が少ない」
「あなたは?」
女竜が薄く笑った。
「かつて、彼は私を辛抱強く殺さなかった」
「竜の友情基準は驚くべきですね」
「友情ではない」
「では何ですか?」
「死で終わらなかった長い会話だ。だが、二度目の会見は私には不要だ」
マリィはうなずいた。
「外交の定義として受け取っておきます」
彼はまだ黙っていた。
第一の組が骨の竜のもとへ向かう。
そして第二の組は、こちらに残る。
望みが少ないからではない。愛が少ないからでもない。今や道が二つの側へ分かれ、それぞれが自分の役割を果たさなければならないからだ。
アイリが彼の手を握った。
「彼女たちは、あなたに知っていてほしいの。ただ待っているのではない。行くのだと」
彼はうなずいた。
「わかっている」
そして、わかっていた。
あちらのリニは、奇跡がひとりで来るのを窓辺で待ったりしない。メイが許さない。ベラが隊列を組む。シリは静かに皆を刃の上に保つ方法を見つける。テリは、見えるはずのない先を見る。ヘラは、自分自身さえ知らないことを知っているかもしれない存在のもとへ行き、その必要を、それを必要とするのと同じくらい憎むだろう。
「私たちは?」ノエルが尋ねた。
それは、もう彼らの問題だった。
第一の世界ではない。
別の組ではない。
この部屋だ。
彼は彼女を見た。
ノエルは紙の上に羽ペンを構えていたが、手の震えはほんのわずかだった。リニは青ざめ、静かで、あまりにも大人びていた。メイは無力への怒りを抱えていた。ベラは整って、注意深い。ゴルゲラニスは重く、金色の目で、ほとんど動かない。マリィは、もう偶然の証人ではなく、彼らの物語にあまりにも深く入り込んだ人間だった。アイリは、道にはなれなかった橋であり、それでも橋のままでいた。
「俺たちは、自分たちのことを片づける」と彼は言った。
「自分たちの何?」メイが尋ねた。
すぐには答えにくかった。
なぜなら、「自分たちのこと」は、今ではあまりにも大きかったからだ。
彼は明日去るわけではないが、いつか去るかもしれないこと。
第一の世界は彼を連れ戻せないが、今度は骨の竜を探しに行くこと。
サイラエルが、すでに彼の子を宿していること。
その子は別の国の後継者になり得て、それは永遠に個人的な秘密ではいられないこと。
こちらの彼の女たちは一時的な代わりではないのに、周囲の世界が絶えず、いつか彼がやはり消えるかもしれないと思い出させること。
ゴルゲラニスが、戦利品としてでも救われた者としてでもなく、場所を必要とする竜として彼らの共通の家へ入ったこと。
アイリは世界と世界の間を行き来し、彼女が去るたびに、それは慰めであると同時に裂傷でもあること。
そして彼自身が、どちらの人生が「本物」なのか、もう正直に言えないこと。なぜなら、どちらも本物になってしまったからだ。
ノエルが彼の代わりに答えた。
「感情です」
メイが顔をしかめた。
「その言葉、大嫌い」
「頭を斬り落とせないからです」とベラが言った。
「まさにそれ」
リニが彼を見た。
「サイラエルのことは、注目されずには済みません」
それだ。
ようやく。
帰還してからずっと宙に吊られていたもの。
メイが鋭く言った。
「当然、注目される」
「メイ」とアイリが静かに言った。
「違う、今は『メイ』じゃない。もう話しましょう。彼は彼女に子を宿すことを選んだ。ただ王宮を救った後、王家の娘と寝たわけじゃない。ただ政治的に助けたわけでもない。確実にそうなるよう、魔法を使った。これは小さなことじゃない。私たちが皆、賢くて優しくて、すぐ全部受け入れました、みたいな顔をするのもやめましょう」
彼は遮らなかった。
彼女は正しかったからだ。
メイは少し低く、しかしさらに鋭く続けた。
「理由はわかってる。わかってるわ。彼女は最後の一人。守らなければ、生きている連中に食い裂かれる。彼の子は、ただの子じゃない。伝説で、盾で、旗で、婚姻で彼女を買おうとする連中への脅しよ。私は馬鹿じゃない。でも、それでも痛い」
部屋は黙っていた。
リニが視線を落とした。
「私もです」
メイは彼女を見た。
勝ち誇った顔ではなかった。
むしろ、自分だけが「正しいこと」に怒っているのではないのだと知って、少し楽になった顔だった。
リニはゆっくり話した。
「彼が間違ったことをしたとは思っていません。でも、彼女には彼の一部が残るのだと考えると……たとえ彼が去っても残るものがあるのだと考えると……私たちには……」
彼女は言い終えなかった。
ノエルがとても静かに言った。
「私たちには、そういう錨がありません」
ベラが目を閉じた。
ゴルゲラニスは、笑みもなく全員を見ていた。
彼は、錨という言葉はよくない、子どもは物ではなく、証明でも、保証でも、引き留めるための手段でもない、と言いたかった。だが彼女たちは皆それを知っていた。だからこそ痛かったのだ。粗い「私たちも欲しい」という願望ではない。サイラエルは、彼女たち全員が必要を理解したからこそ同意した夜に、不可逆のものを得た。そして、理解は感情を消さなかった。
アイリが柔らかく言った。
「あなたたちには、その痛みを持つ権利があるわ」
メイは即座に返した。
「許可をありがとう」
「許可ではないわ。思い出させているの。特にあなたに」
メイは顔を背けたが、それ以上は噛みつかなかった。
ベラが長い間の後で口を開いた。
「嫉妬だけの問題ではない。実務的な面もある。サイラエルが本当に身籠もったのなら、エル=ラエンは長く私たちの物語の一部になる。政治的にも、魔法的にも、個人的にも。子は彼女への圧力にも、彼への圧力にも、私たちへの圧力にもなり得る。誰かが早すぎる時期に知れば、介入が始まる。遅く知っても別の形で悪くなる。計画が必要だ」
ノエルはほとんど自動的に羽ペンへ手を伸ばした。
「はい」
メイは彼女を見た。
「本当に今、計画を立てられるの?」
ノエルは顔を上げた。
「計画を立てなければ、私は彼が第一の世界へ消え、サイラエルには彼の息子が残る想像を始めてしまいます。そうなると、あまりにも苦しくなって役に立たなくなります。だから、はい。計画を立てます」
メイは黙った。
そして低く言った。
「わかった」
ゴルゲラニスが言った。
「お前たちは皆、その子を、彼をこちらに留めるものとして考えている。だがアイリは違うと言った」
全員が彼女へ向いた。
アイリは逃げなかった。
「ええ。私はずれを感じた。ただの血筋ではない。ただの政治でもない。彼の受胎の魔法は、サイラエルの血、ほとんど断ち切られたエル=ラエンの系譜、そしてリッチが継承を死への扉へ変えようとした場所と結びついた。彼はそこに命を与えたの。正確に。意識して。ただの肉ではない。世界の傷への魔法的な修正のように」
「それはどういう意味だ?」彼が尋ねた。
アイリは首を振った。
「まだわからない。でも、それはあなたを留める錨ではなく、あなたがただの異物の歪みではないことを世界へ示す結び目になるかもしれない。あなたはすでに、この世界の系譜に組み込まれた命を生み出した。もしかすると、それは帰還を容易にするかもしれない。あるいは難しくするかもしれない。以前はなかった選択肢を与えるかもしれない。わからない」
「ひどい話に聞こえる」とメイが言った。
「ええ」
「そして重要なのね」
「ええ」
リニが静かに尋ねた。
「そのせいで、彼が去れなくなる可能性は?」
アイリは彼女を見た。
正直に。
「わからない」
リニはうなずいた。まさにそれを聞くのが怖かったというように。
彼はようやく言った。
「君たちを傷つけるつもりはなかった」
メイが鋭く振り向いた。
「そのつもりだったなら、もっと楽だったわ。殴れたから」
「今でも殴っていい」
「誘惑しないで」
リニが言った。
「わかっています。でも、痛みはあります」
「ああ」
ベラが加えた。
「そして私たちは、それが高潔に消えたふりをするのではなく、どう扱うかを決めなければならない」
ゴルゲラニスが薄く笑った。
「良い盾だ」
「前にも言われました」
「繰り返す。お前たち死すべき者には、明らかなことを繰り返すのが有益だ」
マリィが不意に手を上げた。
全員が彼女を見た。
彼女は、問題が少なくとも時々は欄に収まるギルドの受付台へ本気で帰りたい顔をしていた。
「私はあなたたちの……」彼女は言いよどんだ。「この部分の一部ではありません。でも、もうあまりにも多くを見すぎて、おそらく自分の正気より長く生き残ってしまった人間として言います。第一の組が骨の竜のもとへ行き、こちらには東の王国の潜在的な後継者、竜、女神、解決していない感情があるなら、出来事が勝手に誰が何者かを決めるのを待ってはいけません。少なくとも、当面の規則は決める必要があります」
ノエルがゆっくりうなずいた。
「はい」
「第一に」と、マリィはいつもの調子へ入り始めた。「サイラエルと、可能性のある子についての情報は、組、アイリ、ゴルゲラニスの中に留める。デイロンには? それともデイロンにもまだ言わない?」
ベラが答えた。
「まだ言わない。信用できないからではない。確認前に知る人数は少ないほどいいからだ」
ノエルが記録した。
「第二に」とマリィは続けた。「サイラエルとの連絡は封印した手紙で保つ。恋文でも国書でもなく……」彼女は彼を見た。「正直なものを」
メイが鼻を鳴らした。
「いい言い方ね」
「気まずさで死なないよう努力しています」とマリィが答えた。
アイリが微笑んだ。
「できているわ」
「自信はありません」
ゴルゲラニスが不意に言った。
「第三。その子を、お前たちへの外からの一撃として考えるのをやめること。これは命令ではない。観察だ。もし生まれるなら、その子は大人たちがあまりにも複雑なことについては無罪だ」
その後の静けさは、別のものになった。
最初にリニがうなずいた。
「はい」
メイは長く黙っていた。
それから短く。
「うん」
ノエルはゆっくり書いた。
ベラは一瞬だけ目を閉じ、それから開いた。
「はい」
彼はゴルゲラニスを見た。
彼女は落ち着いて視線を受け止めた。
「私は古い。子どもたちが他人の恐れの代価を払うのを見てきた。退屈なほど醜いものだ。繰り返すな」
「繰り返さない」と彼は言った。
「見ていよう」
それは不信ではなかった。
むしろ、竜なりの希望だった。
話は長く続いた。
美しい和解もなく。
皆が急に賢く、優しくなったわけでもなく。
メイは怒っていた。リニは静かに痛んでいた。ノエルは崩れないために計画を立てていた。ベラは話の形を保っていた。ゴルゲラニスはまれにしか話さなかったが、その言葉の後には考えざるを得なかった。マリィは感情を、少なくとも次の決定へ変える手助けをした。アイリはそばに座り、明るく疲れたまま、誰にも今できる以上に良くあれとは求めなかった。
そして彼は聞いていた。
久しぶりに、すぐ直そうとはしなかった。
いくつかのことは直せない。
ただ、一緒に耐えることしかできない。
後になって、話がようやく息を切らした頃、アイリが第一の世界からもう一つ知らせを伝えた。
「ヘラが、伝えてほしいと……」
彼女は言葉を切った。
ゴルゲラニスが視線を上げた。
「私に?」
「あなたにも。彼にも」
彼は身を硬くした。
アイリは少し悲しげに微笑んだ。
「彼女は納得していない」
ゴルゲラニスが静かに笑った。
「よい」
「よい?」
「愛する男のそばにもう一人の自分がいることを、あまりにも早く受け入れる竜など、退屈だ」
メイが彼女を、思いがけない敬意とともに見た。
「それはわかる」
アイリは続けた。
「でも彼女はアスタルホルンのもとへ行く。嫉妬していても。怒っていても。道のほうが大事だから。そして彼女の言葉では、彼が戻ったら、自分で全部聞くそうよ」
「そして答えが高潔な愚かごとだったら噛む?」メイが尋ねた。
アイリが瞬きした。
「どうしてあなたが……」
メイは笑った。
「私ならそう言うもの」
ゴルゲラニスがうなずいた。
「なら、彼女もまったく退屈ではなさそうだ」
彼は目を閉じた。
第一の組は骨の竜のもとへ向かう。
第二の組はここに残る。エル=ラエン、サイラエル、未来の子、竜、女神、ギルド、そして自分たち自身の嫉妬の余波の中で。
道はまだ見つかっていない。
だが、動きは続いていた。
そして、もしかすると今は、それこそが彼ら全員を救っていた。




