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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
9/56

クズも葛藤する


土曜日の16時。


なんとも微妙な時間。


しかも朝から「別れ話 切り出し方」なんてろくでもないワードをずっと調べてるもんだから、鬱々とした気分である。


長崎に話して多少スッキリしたことで、きちんとお別れして誠意のある人間にならねばと自分を奮い立たせたはいいものの…。


付き合うという経験が初めてだということは、別れ話も初めてなわけで。


いかに相手を傷つけない、誠意のこもったお別れをするかについて考えていたらあっという間に時間が過ぎていた。


「…はぁ」


握りっぱなしのスマホを前に、なんて不毛な時間なのか…とため息を付いた瞬間、ピコンとスマホの通知がなった。


「…」


―玉地。

また微妙なタイミングで…。


『今日のラーメン』


相変わらずのへったくそな写真つきのどうでもいいメッセージ。


「…コレステロールで健康診断引っかかってるやつが、週3回目のラーメン行くなよ…」


写真でもわかるほどテカテカと光るラーメンと、センスを疑うスタンプに自然と笑みが浮かんで……、頭を抱えた。


…今の今まで彼氏のことで悩んでうじうじしてたくせに…こんなどうでもいいメッセージ一つで…チョロすぎるし最低すぎる…


「―っんぐぁぐぐぐ」


「奇声あげないでよ、怖いから」


いつの間にか部屋にいた妹の冷たい声に、口を閉じた。


不意打ちのメッセージで一瞬晴れ間がさした心は、自分への軽蔑であっという間に曇っていく。


「…すいません。」


去っていく妹に頭を下げてから、姿勢を正す。


よし、とりあえず話があるとだけメッセージ送って…いやLINEでは伝わらないように自然に誘って…


長崎に話した勢いで、けじめを付けたい。

絶対に今日中に別れ話の約束を取り付けると覚悟を決めただろふゆこ!


自分に言い聞かせながら、取り繕った"自然"なメッセージを打ち込んでいると、また画面に通知が現れた。


「…!」


それは玉地ではなく。


噂をすれば影というのだろうか。


―とてもめずらしい彼氏の葵君からの着信だった。


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