騒動
今日頭が痛いよー
俺が窓から逃げてもう三十分は経ったな。今、俺は城から少し離れた森の中に居る。今、あっちはどうなってるかな。
「広瀬様、広瀬様入りますよ?」
アレ声がしない
ガチャ
「なっ!彼は」
陛下に伝えなければ
「陛下!陛下!」
「なんじゃ、アリスこんな夜遅くに」
「広瀬様が姿を消しました!」
「なに!?それは真か?」
「はい!」
「アリスよ、どれくらいの前に失踪したか分かるか?」
「部屋に入ったのは三、四十分前です」
「なぜ、そんなに気づくのに時間がかかったのだ?」
「今日、広瀬様に少し1人にしてくれと言われて顔も優れていないようだったのでソッとしとこうと思いこんな事態になってしまいました」
「そうか、だか自分を責めるな。お前の失態ではない」
「はい」
「誰かグリムを読んでこい」
「陛下、こんな時間に何用で?」
「広瀬君が失踪した」
「なっ!?それは本当ですか?」
「あぁ、アリスが入った時にはもういなかったらしい。グリム騎士団を集めて直ちに探せ!」
「はっ!」
「陛下、広瀬様の机に手紙が」
「なに?それを見せてみろ」
皆さんへ
勝手に居なくなってしまいすいません。今の僕では周りに迷惑をかけてしまうので僕はいない方が良いですし、騎士団の騎士達も集中するでしょう。
今までありがとうございました。
「なんだこれは。彼は自殺するつもりか?」
「わかりません。彼がここまで追い詰められて居るとは知りませんでした。専属メイドとしてあるまじき失態です。申し訳ありません。」
「頭をあげよ。お前だけの責任ではない。我も気付かなかったのだ我にも責任がある」
「アズバーンさん、どうしたんですか?」
「西谷君よみんなを集めてくれ。寝てる者も起こしてでも」
「わかりました」
「みんな集まった様だな。皆落ち着いて聞いてくれ、さっき広瀬君が失踪した」
「なっ、圭太が?」
「なんで圭太君が?」
「みんな、落ち着いて」
「すまない、気付いた時にはこの手紙だけが残っていた」
「その手紙読ませてもらっていいですか?」
「あぁ、もちろん」
バタッ
「静香!?大丈夫?誰か静香を部屋に!」
「やっぱり悩んでたのかよ圭太!」
「西条君よ何か知っているのか?」
「元々成長が遅くて悩んでたんだと思います。それに、今日騎士にそのことを陰で言われてるとこを聞いたのが最大の理由だと思います」
「なっ、その騎士は誰か分かるか?」
「顔は覚えてます」
「その騎士の処罰は後でだ。どこに行ったんだ」
「陛下、窓から飛び降りた形跡がありました。多分、魔の森の方向だと」
「なに魔の森だと!急げ手遅れになってしまう」
「陛下しかし、魔の森に行ったとしたら見つけるのは困難です。だから、日数を限らなければ騎士達に被害が出てしまいます」
「くっ、分かった3日だ、3日にする」
「はっ」
「あと、グリムよサリエルには精鋭だけ残して捜索を手伝ってもらえ」
「はっ!」
「王様、その魔の森ってのはなんなんだ?」
「強い魔物が多くいて一度入ると1人で抜け出すのはとても困難な森だ。自殺しようとするものがそこへ行く」
「なっ、それじゃあ急いで俺らも探さないと」
「ダメじゃ、まだ君達は成長途中だ危険すぎる」
「でも、じゃあ僕と太一だけ騎士団に同行させてください」
「彰人、俺も連れてけ」
「高太郎、わかった。一緒に行こう。王様この三人だけ連れて行ってください」
「わかった。そのかわり自分が危ない時は自分を優先しろ絶対に。君達は勇者である前に子供なのだ」
「ダメです、三人だけじゃ。私も行きます!」
「真中先生は井上さんの看病をお願いします。治癒師頼りにしてますよ」
「太一君、分かりました。でも絶対に広瀬君と一緒に生きて帰ってきて下さいね」
「分かりました!」
「じゃあ、王様行ってくるぜ」
「気を付けていくのじゃぞ!」
王様の名前はアズバーンにしました。センスなさすぎますね