魔法
まさか1週間で200PVに到達するとは……
読者様ありがとうございます!
「そう言えば、僕まだこの王国の名前も知らないんですが」
「はぁ!? そんなことも知らねぇのか。ここはサリオンって国だ」
城下町を歩いている2人。特にしなければならないということも無く、ぶらぶらしている。
「ハヤトは、なにか使える魔法あんのか?」
「いえ、それが練習中でして」
ハヤトはこれから覚えようとしている5つの魔法を教えた。
「へぇ。5つも覚えるのか」
「え? 普通魔法ってたくさん覚えないといけないんじゃないんですか?」
「いや、そんなことねぇよ。5つも魔法を使えるなんて魔法使いでも珍しい方だ」
意外な事実を告げられる。聞いたところによると、人には得意な属性の魔法があるらしく、多くの魔法は覚えないのだとか。
加えて、上級魔法というものもなく、魔法の威力の優劣は使用する魔力にだけ左右される。そのため同じ系統の魔法をいくつも覚える必要も無い。
「へぇそうなんだ。でもすぐに覚えられそうですよ」
「んなわけねえだろ。賢さの値が1000とかあるわけじゃあるまいし」
「あ、8000あります」
「……は?嘘だろ」
「いえ、本当に」
ハヤトは自身のプロフィールを見せた。
「まじかよ……お前人間じゃねえよ。ってか賢さ意外の値低っ! ほんとに勇者か!?」
「あはは……」
シグレの反応にハヤトは苦笑いするしかない。
「で、その魔法はどれくらいで覚えられそうなんだ?」
「多分すぐに覚えられます」
「そうか、ならちょっくら王国の外で練習してみようぜ」
「いいですね! シグレさんがいれば安心ですし」
2人は王国を出る。そこで下級の魔物を見つけてはシグレがハヤトを守りながらハヤトの魔法の練習を、していった。
ハヤトはこの時シグレの戦い方を見たが、双剣を使い、さらに小手の部分に盾をつけているという珍しいものだった。
「へぇ、双剣に盾かぁ。凄いですね」
「慣れりゃあ簡単なもんよ」
酒場のマスターの言った通り、シグレの強さはハヤトの比ではなく、魔物の攻撃を全て防いでいる。シグレが魔物を倒さないのは他でもないハヤトの魔法の練習のためだ。そんなシグレのおかげで
「ほんとにすげぇな! 1時間で全部覚えちまったよ! お前すげぇよ!」
「そ、そうですか? ありがとうございます」
わずか1時間でハヤトは5つ全ての魔法を覚えた。初めに覚えたセルハームを使ったので王国へ戻る頃には体力は残り3になっていた。ハヤトはクタクタになってシグレの後について行く。
「そういや、お前全然レベル上がんねぇのな」
「あ、実は……」
ハヤトはもう一度プロフィールをみせた。
「僕の特殊なんですが、レベル固定って言ってレベルが上がらないらしいんです」
「は? まじかよ! そんなんでどうやってクロム倒すんだよ」
「それは……」
ハヤトはクロムをどう倒すのか、全く考えが浮かんでいなかった。
「ま、そのうち考えるっきゃねえな」
2人は王国へと戻った。