『決着』
『爆発まであと1分』
諦めて座り込んでいると
「晃!」「青島さん!」
剛と沙夜ちゃんが駆け寄ってきた。
「2人とも……なんで逃げなかったんだ!もう時間ないぞ!」
「いいから背中に乗れ!」
「ど、どうすんだよ?!」
剛は俺を背中に背負い、3人で屋上の鉄柵を越えた。
「おいおいおいおい!嘘だろ!やめろ!ここ屋上だぞ?!沙夜ちゃんも何考えてるんだ」
「下には木がある。あとは祈れ」
「待て待て待て!!」
「行くぞ!!」
俺たちは(と言うか剛と沙夜ちゃんは)屋上から飛び降りた。
「うわあああああ!!!」
(あ、走馬灯。俺、そう言えば福祉やりたかったんだ)
物凄いスピードで落下していく。
(し、死ぬ!)
と思ったら地面直前で、
ふっと少し浮いた。
あ!もしかして沙夜ちゃん?
「爆発するから走るぞ!!」
剛は俺を背負ったまま、建物からダッシュして離れた。
次の瞬間、建物は大爆発を起こし、研究施設はガラガラと崩れた。
爆風で俺たちは吹き飛ぶ。
が、爆発の勢いは思ったより強くない。
振り向くと沙夜ちゃんが両手を前に爆風を超能力を防いでいる。
爆発が止み、
「はぁはぁ、げほげほ!2人とも、大丈夫ですか?」
沙夜ちゃんは手をついて血を吐きながら聞いてきた。
(いや、お前がな)
「た、助かった……」
「はー、中年にダッシュはキツイぜ……」
「みんなー!大丈夫?」
(ここでヒーラー登場だ!都合がいい!)
「げ、みんな怪我してる……私、今応急処置しかできないから我慢ね」
亜美ちゃんは俺と沙夜ちゃんを取り敢えず動けるまで回復してくれた。
「亜美、俺は?」
「お父さんは大丈夫。こらえて」
「あー、よかった。生きてた……」
「ギリギリでしたね」
建物は完全に崩れ、派手に燃え上がっている。
燃え上がっている建物から何かがゆっくり出てくる
「ねぇ、あれなに?」
「なんか、動いてる」
その何かは這ってどんどん近づいてくる
「げ!」
「嘘でしょ?!」
29番だ!
「28番……、補足……」
29番は下半身と左腕を失いながら右腕を動かし燃えながらどんどん近づいてくる。
俺は拳銃を構えるが弾切れ
剛も構える。弾切れ
沙夜ちゃんはぜぇぜぇ肩で息している。
「に、じゅう、は……ちばん……」
29番は再生せずズルズルと確実に近づいてきていた。
「あいつ、再生してないぞ、倒すなら今しかねぇ」
「そんなこと言ったって……」
何かないか?何かないか?
俺はポケットを探ると、硬いものが当たった。
河で湿気たと思った弾丸だった。
すでにだいぶ近づいて来ていた29番。
俺はマガジンに最後の1発を込めた。
「……28番……」
「28番じゃねぇ」
俺はマガジンを叩き込み、29番の眉間に狙いを定めた。
「沙夜ちゃんには、名前があるんだよ」
パンッ!
最後の1発は見事29番の眉間を貫き、29番はとうとう動かなくなった。




