『30番』
1階に戻ると研究員や実行部隊の死体だらけだった。
「よう!人型戦車はどうなった?」
加藤班長がリロードしながら話しかけてきた。
「ぶっ潰してやりました!」
「はは!警備員が人型戦車潰すなんて初めて聞いたぞ!」
「制圧は終わったんですか?」
「あとは所長室だ。今工作班が鉄扉こじ開けてるところだ。銀行の金庫みたいに頑丈でね」
「俺たちも行ってきます」
「おお、頼んだ!人回せなくて困ってたんだ」
俺たちが所長室に行くと、もう突入するところだった
「青島補佐!これから突入します!」
「俺たちが行くよ」
長い廊下を走り司令室のような広い部屋に入った。
「動くな!手を上げろ!」
俺は拳銃を構え、叫んだ。
(この男が所長だな?どこか冷血なイメージ)
そこには男女がいた。
「おめでとう、君たちの勝ちだよ。こちらにはもう戦力はない」
所長は後ろで手を組みこちらを向いた。
「この子以外はね」
「アスカちゃん!」
沙夜ちゃんが叫んだ。
(この子がアスカちゃん……まだ十代にしか見えないぞ)
アスカと呼ばれる、まだ少女のあどけなさの残る少女は四足歩行の姿勢で飛び上がり、鋭い爪で引っ掻き、俺の胸が裂け、真っ赤な血が吹き出した。
「クソッ!」
俺は何発かアスカに発砲したが、物凄い反応速度で避けられる。
「やめてください!洗脳されてるだけなんです!」
と沙夜ちゃんは俺の腕を押さえた。
「30番。あとは任せた」
所長はさらに奥の部屋へ歩いて行った。
アスカは工作部隊の首を次々切り裂き。
じわじわと味方がやられていった。
ドォン!
剛も撃ったが、当たらない。
「剛さんもダメです!撃たないで!」
「目を見ればわかるだろ?もうアスカじゃない」
剛はそう言いながら狙いを定めた。
「……でも!」
俺は迷ってると首を裂かれた。
「ぐあっ!」
血を吹き出しながら倒れる。
「青島さん!アスカちゃん!」
やられた警備員を治していた、亜美ちゃんが俺のところに駆け寄る。汗を流し、鼻血が拭っている。
「全員は助けられないよ!」
俺を治しながら亜美ちゃんは叫んだ。
そこへ、
アスカは亜美ちゃんに襲いかかった。
「亜美!青島さん!」
亜美ちゃんは悲鳴をあげた。
「うわあああ!!」
沙夜ちゃんは叫んでアスカを……
潰した。
グシャッ!
アスカだったものはギシギシと音を立て肉塊になったあと、地面に落ちた。
沙夜ちゃんはその場に泣き崩れ、号泣した。
「沙夜ちゃん……」
俺は起き上がり、言葉をかけようとしたが、言葉が見つからなかった。
「沙夜ちゃんのせいじゃないよ」
「……私!私、アスカちゃんを……!」
沙夜ちゃんは俺に縋って泣いた




