『穏やかな時間と……』
剛の運転で都心を目指す
剛のやつは車を自動運転にしてフロントガラスに映ったナビスクリーンを見ている。
「高速使うか?」
「どっちにしろ追っ手来そうだし、使っちまうか、です」
剛が操作して、俺たちは高速道路に入った。
「ところでこの車装備あるの?」
亜美ちゃんが後部座席から顔を出す。
「ああ、アサルトライフル、マグナム、手榴弾がそこそこあるよ」
「ところで沙夜ちゃん、超能力って女の人多いの?29番以外の超能力って女の人ばっかだよね」
「あ、よく気づきましたね!そうなんですよ!超能力は女しか使えないんです!研究施設で言ってました」
剛が後ろを振り向き沙夜ちゃんに尋ねた。
「じゃあ、29番は?あのバケモノじみた身体能力は人間じゃねぇだろ?」
「あれは移植された改造人間なんですよ。男の人に移植したあとは能力は育たないので、女をクスリとか教育で強化してから移植するんです」
「知らなかった」
「まあ、ほとんどの人は亡くなっちゃいましたけど……」
沙夜ちゃんは悲しそうに俯く。
「29番以外で改造人間いるの?」
「それは……見た事ないです。すみません……」
「じゃあ29番以外のバケモノはいないんだな?」
「それが……危ない人は独房に送られてたので全員を把握してないのですけど、私の見る限りでは……いないって感じです」
「沙夜ちゃんは独房入れられなかったの?」
「最初の頃は暴走して入れられましたけど、ほとんど入れられなかったです……私気が弱いんで……使う度にスタンガンみたいなの使われて怖かったので」
「大変だったね……でも、それならどうやって脱走したの?」
「研究施設が停電した時に妨害電波が止まったんですよ。その時に能力使って逃げました」
「んー?待て待て色々情報あったぞ。妨害電波?」
「はい、詳しくはわからないのですが、特殊な電波が私の超能力を散らしちゃうみたいで……でも小型化が難しいらしくて人は持てないみたいなんですよ」
「じゃあ、研究施設を潰すのは停電させてからのがいいってことだね?電気設備あるとこ知ってる?」
「いえ……すみません」
「まあ、見つからなくても、うちの会社の爆弾使えばいいか」
「お父さん、元電気工事士だよ。わかるんじゃない?」
「見てみないとわかんねぇな」
「でもなんか希望が見えてきたね」
追っ手を警戒してたが追ってくる車もなく俺たちは作戦や談笑して道中を楽しんだ。こんな穏やかな時間久々だな。
後部座席で外を見ていると小型のドローンが飛んでいた。
(ん?またドローンか……何かデジャブ)




