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サキュバスとエロ漫画野郎と冒険者  作者: 胡桃リリス
第七章 サキュバスとエロ漫画野郎と暁の魔法使い
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1-2 サエぼと妖精剣士たち 久しぶり

第三章PRぶりに、彼女たちが登場です。

「本当に全然疲れないんだ」


 そうつぶやくのは、仲間になったばかりの転生者エルフにして元ダンジョンマスターのエルフィ・エクスカッシャンさんだ。


 オルバインを出発した俺たちは、街道を一列に並び、電車もかくやという速度で走っている。

 俺の左肩(定位置)に肘をついて宙に浮かぶ元OL転生最強サキュバス幼女ことメイプルが迷彩と回復を含めた幾つかの魔法を全員に使用し、さらに全員の心身を適度に回復しているため、誰も疲労することなく、ずっと走り続けていられる。

 鍛錬も兼ねているこの移動は、予め説明を受けていたとしても、実際に走ってみるとその凄さを実感できる。

 但し、大概のこの世界の人たちは、これを体験すると、常識を跡形もなく壊されてしまい、遠くを見るような目になってしまう。


 エルフィさんは転生者のためか、それとも数日前の戦いで色々と慣れたのか、効能に驚くだけだった。


「どう? これなら楽々体を引き締められるわよ?」

「それすっごくいいじゃん!」


 ドヤ顔を披露するメイプルに向けて、親指を立てるエルフィさん。

 そして、「いや、重要なのはそこじゃない」と遠い目をする駆け出し冒険者エルナと上級冒険者にしてエル・ブロッサム王国第二王女のセイジュさん。


 そろそろエルナたちも慣れてきたと思ったが、新メンバーの異世界の思考を知って、何時ぞやぶりに呆れ顔になっていた。

 勇者であるココロや、冥府の門番オークの超ド級美少年ブロードみたいにスルーできたらいいのだが、この二人は何と言うか、ツッコミ気質みたいなところがあるらしい。

 うん、本当に毎度すまん。


「楽しそうだな、お主たち」


 そして、それを後方からのんびり見守っている破壊神ヴァーヴァリアスことリアさんは、完全に蚊帳の外だ。

 そんな愉快なメンバーが、俺たちの仲間だ。




 オルバインを出てから、エルフィとミレニアのダンジョンがあった草原が右手に見えてきた。

 五百メートルの天を衝くようなダンジョン・ゴーレムと戦った後、星海の邪神クッタクァが現れたので倒そうとしたのだが、逃がしてしまった。

 その時、クッタクァが逃げた余波らしき空間の揺らぎにヴェスタ・フレイムが当たり、光の雨となって地上に降り注ぎ、ダンジョン・ゴーレムとの戦いで荒れに荒れた草原と丘を綺麗にした。


 しかし、あの戦いの後、エルフィのダンジョンを畳むために再度訪れた際に確認したところ、元々ミレニアのダンジョンがあった場所は範囲外だったらしく、メイプルの魔法剣一斉射撃によってできたクレーターがぽっかりとできたままだった。


 メイプル曰く、ダンジョン作成時に元の場所にあった草花はちかくに適当に移動させられているし、放っておいても良し、とのことだった。

 ちなみに、移動の様子のイメージは、ダンジョンを置く場所を中心に、砂浜の砂を周囲に押しのけるような形、だそうだった。

 それ、生物の生息範囲とか、よくわかんないが、問題にならないのだろうか。


 そんな事を思い出しながら、俺たちは草原と丘の横を通り過ぎて行った。

 それからしばらく、何の問題もなく街道を走っていた時の事だった。


 メイプルと俺の索敵魔法に、商隊(キャラバン)の反応があった。

 護衛らしき人物が四名、恐らく冒険者だろう。


 関わることもない、といつも通り通り過ぎようとメイプルとアイコンタクトを交わした。そして、いざ商隊が豆粒のように見えるところまで来た時、メイプルが「あ」と声を漏らした。


「全員、止まりなさい」


 メイプルの指示に全員がブレーキをかけて止まると、セイジュさんが警戒しながらメイプルへ視線を向けてきた。


「どうしたんだ?」

「一キロ先を進んでる商隊に、知り合いがいるわ」

「知り合い?」

「えぇ。フリージアたちよ」


 その返答に、俺だけでなく、エルナが息を吐いた。


 大剣使いのフリージアは、シーフのナンナ、魔法使いの少年ディー、剣士アナとパーティを組んでいる冒険者だ。

 ラベルで別れて以来だが、どうしてここにいるのか。


 とりあえず、知り合いと再会できるので、誰も見ていないか入念に確認してから姿を現し、軽く走りながら商隊へ近づいて行く。

 エルナも、心なしか嬉しそうだ。

 と、百メートルくらいまで迫った時、ナンナが振り返ってきた。流石は盗賊。


「おーい」


 俺の肩から降りて自分の足で走っているメイプルがカエデちゃんモードになって、手を大きく振って大きな声で呼びかける。

 すると、ナンナが驚き顔になり、全員に声をかけた。

 商隊の馬車も止まったことで、俺たちはすぐに追いつくことができた。


「エルナ、セイジュ、ハルキ、カエデー! ひっさしぶりじゃん!」


 ナンナが両手を広げ、駆け寄ったメイプルを抱き上げた。


「呼び止めてすまんな」

「ううん。ハルキさん、久しぶり」

「こんなところで出会えるなんてね」

「あぁ、そうだな」

「セイジュさんもお元気そうで何よりです。ところで後ろの方々……は……?!」


 フリージアたちと俺とエルナ、セイジュさんもそれぞれ挨拶をしたが、すぐにフリージアたちの視線は後ろの方へと向かう。

 そして、様子を見守っていた商隊の人たちと一緒に硬直した。フリージア以外、全員。


 そこにいるのは、もちろん、ココロとリアさんだ。


「勇者ココロ……!?」

「破壊神ヴァーヴァリアス?!」


 何重もの悲鳴染みた驚きの声が、街道に響き渡った。


「私はフリージア。貴女は?」

「あ、私はエルフィ・エクスカッシャンって言うんだ」

「うん、よろしく」

「よろしくね」


 そして、フリージアはエルフィと友好を結んでいた。

 相変わらず、自由人なようだ。


 兎にも角にも、こうして、フリージアたちと再会し、一緒に商隊の護衛をしながら、エリスへ向かうことになった。


お読みいただき、ありがとうございます。


フリージア「ところで、何故ヴァーヴァリアス様がココロ様と一緒にいるの?」

エルフィ「さ、さぁ……アハハ……」

ブロード「(このお姉さん……まさか……」

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