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ローン減免制度について

 第12回『ローン減免制度について』です、予想外に長いシリーズになり少々戸惑っていますがお付き合い頂けますと幸いです。


 生活再建をする上で悩みのタネになるのがローンの問題、私も被災時家を建ててまだ3年だったため多大なローンが残っていました、家は無いのにローンはある、ワードだけでかなりの絶望感が漂います、ですがこういった時のためにローン減免制度というものがあります。


 これは全国銀行協会と弁護士により策定された『自然災害債務整理ガイドライン』により債務整理を行うもので、東日本大震災の際に被災者の生活再建のために策定されました、この制度自体には法的拘束力はありませんが、人道的見地から自発的に尊重される事が期待されているとのことです、制度を受ける条件は以下の通り。


 ①災害の影響で既往の債務が支払い不能または支払い困難確実と思われる。

 ②災害後の世帯年収が730万円未満。

 ③ローン返済額と新たに借りる家賃などの負担が年収の40%超。

 ④災害前にローン返済をきちんと行っていた。


 以上の条件を満たすことでこの制度の対象となります、尚、この制度は住宅ローンだけでなく、リフォームローンや自動車ローン、クレジット債務、事業性ローン(個人事業主に限る)にも適用されるそうです。


 さて、この制度を使うことでローンがどのようになるかを見てみましょう、例えばローンが3000万円あった場合です。


 ローン:3000万円

 土地売却:600万円

 預金:1000万円


 とまあ、こんな感じに仮定します、この制度では預金の中から500万円を手元に残し、土地の売却額と500万円を超えた残高を返済に充て、残りのローンを免除して貰います、このケースですと預金の残り500万円+土地売却の600万円で1100万円を返済し、残ローン1900万円を免除となります。


 ちょっと待て、預金1000万円もあるわけないやろ? と思うでしょうが火災保険に入っていれば水害オプションがついていなくても本来の額面の3割の金額が振り込まれます、よっぽど低く金額設定していない限りは全壊ともなると500万円は超えてくるのではないでしょうか?


 そしてこの制度ではこの預金の範疇に支援金や義援金は含まれません、なので昨年のケースでいいますと手元に残った500万円に加えて生活再建支援金100万円、義援金200万円で800万円を手元に残しての生活再建スタートとなります、まだまだ不安の残る額ではありますが借金が無い状態からのこれならば少しは楽になりますよね。


 ちなみに自己破産とは違い、この制度を利用しても金融機関のブラックリストに載らないというのもありがたい部分です、更にこの制度を利用する場合には保証人の債務履行義務も発生しませんので保証人に迷惑も掛かりません、通常の自己破産だと預金も手元に99万円しか残せませんし、その後ローンを組むことも出来なくなりますからその違いは非常に大きいです。


 勿論、金融機関側も商売ですから余りにも債務の額が大きかったり、申請者の数が膨大であれば断られる可能性もありますし、余り積極的には制度の存在を教えてはくれません、ですが自己破産等を悩む前に一度試してみるのは手だと思います。


 詳しい相談は被災地で弁護士会による無料法律相談会が定期的に開催されていましたので、検討される方はスケジュールを見てそれに参加されるとよいでしょう。


 第12回はこの辺で、大体語り終えたと思いますので、次回からこぼれ話や堤防決壊で家に取り残され救助を待っていた時の話をつらつらと綴りたいと思います、それでは今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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