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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
部活体験編
12/29

たかしちゃんと園芸部(2)

「はい、みんなお疲れ様でしたー。ここの花壇も綺麗になりましたよー。ほら、お花達も綺麗になったでしょ? どうですか?」


「やっと終わったの? たかしちゃん次行こうよー」


「あれれ? きらなちゃんお掃除は?」


「してたよー。ここ綺麗になってるでしょー。むうむう」


 ほんとだ、きらなちゃんの足元だけすっごく綺麗になってます。

 まったくきらなちゃんは、花壇のお掃除なのにどこをお掃除してるのでしょう。ふふふ。


「たかしちゃん、次行こーよー、もう終わったでしょー」


「もうちょっとお花見たいです」


「ぶーぶー」


「ふふふ、あれ? 知広くんは?」


「さあ? さっきトイレ行ってくるっていってたよ」


「さあさあ、じゃあみんなでお花見ましょう。その後はあっちの花壇のお掃除です。」


「はーい」

「はーい」


 かわいいなあ。えっと、確かこのお花がマリーゴールド…で、こっちは……なんだろう。


「せ、先生、このお花は、えっと、なんていうんですか?」


「はいはい、えっと、このお花は、えっと、お花……ちょっと待ってくださいね? 部長さーん、あのお花、うん、ありがと。 お待たせお待たせ、このお花はガザニアっていうんですって。かわいいわねえ」


「あ、ありがとうございます。えっと、他のお花は……」


「うーんと、このお花ならわかりますよ、この花はナデシコっていうんです。撫子先生のなでしこです。ほら、制服にもこのナデシコが描いてあるんですよ」


 どうやら顧問の先生はお花に詳しくないみたいです。ふふ。


「ごめんなさい、花壇のお花はいつも撫子先生と生徒達で決めてるので私あんまり詳しくなくって。お花の名前カタカナでしょ?難しくって。でも可愛くて好きなの。いっぱい愛でてあげてね」


「はい。かわいいなあ。ナデシコかあ。えへへ」


「たかしちゃーん、まだー? 早く次行こうよー」


 きらなちゃんが待ってます。しょうがないなあ、ふふ。


「うん! 先生ありがとうございました!」


「あら、入部しないの? 残念ねえ」


「ごめんなさい」


「ふふ、いいのいいの、でも花壇のお花は愛でてあげてね。みんなが楽しめるように綺麗にしてるんだから」


「はい!」


 また一緒にお掃除したいなあ…きらなちゃんはやだろうなあ。


「おまたせきらなちゃん」


「もー遅いよたかしちゃん!! 待ちくたびれちゃったよ!部活体験はどうしたのさ!まったくう!」


「今のは園芸部の体験……」


「そんなことより次行くよ!! 残すは理科部と遊戯部と演劇部! 次は遊戯部ね!まったくう!」


「あれれ? 文芸部は…」

「あ!終わりましたか!?次は遊戯部ですね!!しっかり取材させていただきます!」


「あ、知広くん、どこ行ってたの? お掃除終わっちゃったよ?」


「いや、それはですね……トイレです」


「ちがうちがうサボりよサボり、まったく。さ、そんなこと言ってないで行くわよたかしちゃん!」


「わあ!待って待って!わああ!」


 うにゃあ、忘れてました、わあああ。


「さっさ!園芸部で疲れた体を癒すわよ!!」

「うにゃああー、きらなちゃん、こけちゃうこけちゃう!」

「『遊戯部は癒しの場なのか?』うーん、これはボツです」

「なによ!癒しの場よ!掃除しなくて良いんだから!」

「やはりきらな先輩の部屋って…」

「うるさい!」

「いたっ、あ」

「わあっ」

「ふにゃあっ」


『パシャリ』


「いったたた、きらな先輩、走ってる最中に殴ったらそりゃこうなりますよ…てて」


「あんたがバランス崩すからでしょ!まったく」


 ううう、こけちゃいました、うう。いたい…。


「たかしちゃん大丈夫? ごめんね? 私があわてたから……」


「うにいい、大丈夫…きらなちゃんは……?」


「私は大丈夫よ! ほら! ピンピンしてるから! ごめんねたかしちゃん、なでなで」


 ふにい、うう。


「あー泣いちゃった、ぎゅー」


 うう、きらなちゃんはやさしいなあ。ぐすん。


「ほっ、良かった、カメラも無事でした。中身は大丈夫かな……」


「なにがカメラさ!女の子がこけてるんだからちょっとは心配しなさいよ!」


「いや、自分は二人の間に割って入る自信はないので……あ、あれ? さっき消したのとは、あれ?」


 ぐすん。どうしたんだろう、カメラ壊れちゃったのかな、すりすり。


「どうしたのさ、壊れたの?」


「いや、そうじゃなくて、えっと……あ、今何時ですか、そうかカメラに時計が……」


「何ブツブツいってんのさ! コソコソブツブツ、なんか隠してるでしょ!ちょっと見せてみなさい」


 あう、きらなちゃん。


「あっちょっとまっ」


「なにさ、壊れてないんでしょ? ……知広?」


「はい」


「これはなに?」


「えっと……」


「これはなあに?知広?」


「えっと、それは……多分……きらな先輩のパンツです」


 ええっ?


「でも、これ今撮られたっぽいんですよ、自分そんなことしないんで、多分こけた拍子にシャッターが」


 あ、痛そう。


「まあでも、見せパンだし。わざとじゃないのは分かってるし。消せば許すわ」


「許すも何もきらな先輩が殴らなければこうは……」


 ああ、また。痛そうだなあ。


「うるさい! それよりも知広、あんたまじまじと見てたでしょ、私のパンツ」


「え? 見てないですよ? そりゃあちょっとは見ましたけど、怒られそうだなーと思ったんでいつ撮られたか調べてました。というより、きらな先輩のパンツ興味ないですいてっ」


「そ、まあいいわ、そんなことより遊戯部行きたいし。それでももうちょっと女の子に気を使いなさいよね、まったく。こっちはパンツ撮られたのよ!?」


「はい……不可抗力ですが、ごめんなさい」


「たかしちゃん立てる?」


「うん」


「ごめんね? なでなで」


 えへへ。

 きらなちゃんはすごいです。ぱ、し、下着の写真撮られても、こけてもすんってしてて。かっこいいなあ。


「さっ、もうすぐそこだし歩いていこっか、こけちゃったしね」


「うん」


「そうですね、もうおなかを殴られるのはこりごりですし」


「なに?知広?」


「何でもないです」


 ふふ、なんだかんだ言って二人は仲良しなんだなあ。お腹は痛そうだけど楽しそう。

 あ、おめめ拭いておかないと……。


「ほら、着いたよ、遊戯部」


「あいかわらず独特な扉ですねえ」


 扉にはおっきなスライドパズルが付いていました。何の絵だろう。


「さ、入るわよ。っていってもこのスライドパズル完成させないと開けてもらえないんだけどね」


「それは二人でやってくださいね。自分は取材する立場なので」


「わかってるわよ。よーし、たかしちゃんやるよー」


 なんだかわかんないけど、遊戯部にはパズルをしないといけないみたいです。ふふ、ちょっと楽しそう。

 よーし、がんばるぞー!

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