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第1話:生徒会室の血まみれの王冠

【 作品タグ 】

※本作には一部、残酷な描写やショッキングな表現が含まれます。

・学園サイコホラー

・都市伝説(口裂け女)

・冷徹主人公 / 歪んだ関係 / 執着

・1990年代後半(宮崎県)


苦手な方はご注意ください。それでは、本編をお楽しみください。


1998年6月、宮崎県。


 雛影ひのかげ高校において、階級制度ヒエラルキーこそがすべてだった。そしてその食物連鎖の頂点には、恐怖と畏敬の念とともに囁かれる二つの名がある。獄門ごくもんエドと、罪付つみつきくるみだ。


 生徒会室の扉は内側から施錠されていた。赤橙色の夕日が浮遊する埃を透かし、威厳ある椅子に静かに座るエドを照らし出している。彼の前では、普段は傲慢な視線で校舎の廊下を支配している少女――くるみが、今は床に膝をつき、肩を激しく震わせていた。


「またやったんだね、くるみちゃん」


エドの声は平坦で、まるで機械のようだったが、そこには隠しきれない悦悦えつえつとした響きがあった。彼は一枚のポラロイド写真を机の上に置いた。


 写真はぼやけていたが、体育倉庫の隅で制服を引き裂かれ、泣き崩れている下級生の姿が写っていた。その傍らで、くるみはカメラのフラッシュの中で凍りついたような笑みを浮かべて立っている。


「わ、わざとじゃ……」くるみの声は枯れていた。「あの子が先に始めたのよ、エド! 私をまるでゴミ屑みたいに見てきたんだから!」


 エドは立ち上がり、ゆっくりと歩み寄った。彼の影がくるみの体を飲み込んでいく。彼はくるみの顎に触れ、シルバーフレームの眼鏡の奥にある冷徹な瞳を直視させた。


「ゴミがどうなるか知っているだろう? ゴミは捨てられるべきだ。だが君は……ただ捨てたわけじゃない。原型を留めないほどに破壊したんだ」


 エドの指がくるみの唇へと下り、口角を少し吊り上げるように押し当てた。「怯えている時の君は、とても美しい。他人を虐げている時よりも、ずっとね」


これが二人の歪んだ関係だった。エドは単にくるみを守る生徒会長ではない。彼女の秘密の「所有者」なのだ。エドはくるみのいじめの証拠を首輪にし、彼女を自分自身の執着オブセッションへと引きずり込んでいた。エドにとって、くるみは興味深い実験サンプルに過ぎない。加害者でありながら、実は罪悪感に苛まれる臆病者。


「エド……助けて。あの子の夢をずっと見るの」くるみは囁き、涙が高価なメイクを崩し始めた。「あの子が家の鏡の前に立っているの。口が……口が、あんなに大きく裂けて……」


 エドは薄く微笑んだだけだった。「それはただの罪悪感だ、くるみ。心理的な投影だよ。この世に、君の頭の中にいるもの以上に恐ろしい幽霊なんて存在しない」


エドはくるみの手を取り、彼女を立ち上がらせると、生徒会室にある大きな鏡の前で後ろから抱きしめた。二人はまるで完璧なカップルのようだった――学園の王子と、その王妃。


 しかし、エドがくるみの耳元で安らぎの言葉を囁いている間も、彼の鋭い視線は閉ざされた生徒会室の扉に向けられていた。扉のすりガラス越しに、じっと立ち尽くす一人の女子生徒の黒い影が見えた。


 それは、くるみが今までいじめてきた生徒の影ではなかった。もっと背が高く、痩せこけていて、長い黒髪が顔を覆っている不気味な姿。


 エドは鼓動が速くなるのを感じた。それは愛ではなく、病的な興奮によるものだ。彼の「論理」が挑戦を受けていた。


「鏡を見て、くるみ」エドは甘い毒を含んだ声で囁いた。「教えてくれ……君にもあそこに『彼女』が見えるかい? それとも、僕たちの罪が映っているだけかな?」


 くるみが鏡を見るために目を開けたその瞬間、扉の方から……ギィィ……と音がした。施錠されていたはずの扉がゆっくりと開き、鉄錆てつさびの混じった、生臭い血の匂いが密閉された部屋を満たし始めた。

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