第13話 やっぱり変
今日も鳥の鳴き声で朝を迎えた。
こっちに来てからいつもこの目覚め方だ。
周辺の鳥全部狩って焼き鳥にしてやろうか。
居間に行くと既にアヴェルとヘスティアはテーブルに座って朝食を食べていた。
コーラスが作った朝食だ。
俺も座って同じ物をもらう。
まさか家を出てその次の日には同じ様に朝食を食べているとは思わなかった。
満足そうに朝食を食べているヘスティアに問う。
「なぁ、ヘスティア、お前いつまで人界にいるんだ?説教終わったなら神界に帰れよ。」
「なんか私に対しての当たりが強くなってません?まぁ一応もうしばらく下にいるつもりです。私上でもそんなに仕事無いんで。」
「そう言うお主はこの後どうするのだ?」
「うん、昨日のところからまた1人で下山を再開するつもりだ。アヴェルとシェルは呼んだら来てくれ。」
アヴェルも傷が治ったと言ってもしばらくは休養した方が良いだろう。
「そうか、分かった。だが昨日まで我が居た所の奥には我への貢物の宝石やら剣やらがあるのだが、それはどうする?我としてはお主に持って行って欲しいんだが。」
「いいのか?それってアヴェルに宛てた物なんだろう?」
「正直なところ使い所が分からぬ。宝石なんぞを寄越すのなら人の国の話をしてくれた方がまだマシだ。」
それくれた人には言わないようにしようね?
内心かなり傷つくから。
「じゃあこの後回収しに行くか。アヴェル、ついてきてくれるか?」
「うむ。まぁついて行くと言っても全部持っていけばいいのだがな。」
朝食を食べ終えたらすぐにアヴェルの寝床へとテレポートした。
奥に進むと、ゲームで出てきそうな金貨や宝石、剣などが山積みになっていた。
全てを【亜空間収納】に入れてから家へとテレポートして帰った。
戻ると全員起きていて、もうそろそろ出発する、と言って準備を始めた。
準備と言ってもローブを着るだけだ。
杖は今は必要無いので【亜空間収納】の中だ。
家を出ようとするとヘスティアが呼び止めてきた。
「シドさん、これだけは約束してください。蒼雷は絶対に人前では使わないでください。本当に危ない時以外は絶対に使わないでください。」
「分かった、バレないようにするよ。」
「それでは、いってらっしゃーい!」
ヘスティアやコーラス達の見送りのもと、俺はアヴェルの元寝床へとテレポートした。
「さてと…進もうかな。【完全回答】、ここからグランテスト大国まで、ゆっくり歩いて何日ぐらいかかるんだ?」
『10日と半日ほどかと思われます。』
かかる時間は分かったけど、なんか1人で喋っているようで悲しいな。
『声に出さなくても、昨日のように疑問に思えばお教えします。』
(こんな感じか?)
『はい、そうです。』
便利だね。
でもな…【完全回答】って言うのも長いからな…。
『それならばマスター、私にも名を授けてください。』
またか。
俺そんなに名付け得意じゃ無いんだけど。
(じゃあ…リーヴでいいか?)
信じる、の英語believeから取ったものだ。
安直。
『リーヴ…。わかりました。これから私の事はリーヴとお呼びください。』
(これからも頼むよ、リーヴ。)
そんなやりとりが終わり下山を再開する。
まだ日は昇ったばかりだ。
今日だけでもかなり進めるだろう。
そして今日は魔獣に会いたい。
昨日の夜にカトルから得た知識を使って戦闘で試してみたい事がある。
と思っていると近くに魔獣の気配を感じた。
>野生の魔獣が飛び出してきた。
それはわかる。
しかし昨日のブラッドウルフよりも大きく、見た目は角の生えた体長4mほどの熊だ。
デカくね?
日本のヒグマでも2.5〜3mだよ?
怖ッッ!
口の周りが赤く染まっており、血の匂いがする。
早速【鑑定】だ。
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ステインベア Lv.1528
種族:ステインベア
性別:雄
魔力:B
速:A
攻:A++
守:A+
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イヤイヤイヤイヤ、急にレベル跳ね上がりすぎだろ!
昨日のブラッドウルフでもLv.586だぞ!
俺今Lv.497だよ?
酷くない?
流石に無いわー。
『ステインベアがこちらに敵意を持って突進してきます。』
うん、ですよねー。
今日は準備が出来ているのでその突進はしっかり見えた。
右に跳んで躱し、体制を整えて検証の準備をする。
まず、右手に魔力を集中する。
そして中指を親指で抑えそこに魔力を集中する。
試したいのは、要は魔力をデコピンで放つ事だ。
上手くいけば魔力の弾を素で放てる。
指の照準をステインベアに合わせ、指を弾く。
その瞬間に魔力を放った。
指から放たれた魔力の弾はしっかりとステインベアの横腹を捉えた。
が、それだけでは終わらなかった。
当たったそれはステインベアの身体ごとそのまま突き進み、その後ろの木をメキメキと折りながら進み、10mほど進んだところで止まった。
近づいて見てみると、そこには、魔力と木に内臓を押しつぶされ、口から血を吐いて息絶えているステインベアの死体があった。
『レベルアップしました。スキップしますか?Yes/No』
(Yesだ。)
『了解しました。今後も一斉レベルアップの報告をスキップしますか?』
(そうしてくれ。)
『了解しました。それでは省略した成果を表示します。』
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Lv.497→Lv.1064
速:21km/s→24km/s
攻:3860→8130
守:3410→7990
スキル【武術】、【格闘術】、【全属性魔法】、【結界魔法】Lv.54→Lv.84
行使により、スキル【魔力弾】を会得。
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ハハハ、ぶっ飛んでるなぁ。
遂にレベル1000オーバーだよ。
2回の戦闘で1000オーバーだってさ。
俺は【魔力弾】が与えた被害を見る。
明らかに強すぎた。
初めてということもあって魔力を込めすぎたみたいだ。
次はもっと加減して手に魔力を纏った状態で接近して殴ってみよう。
まだ感覚がわかるかもしれない。
(というか、スキルってこんなにポンポン取得出来るものなのか?)
『いいえ、通常は長い時間をかけて得ます。どうやらマスターは学習能力が高いようです。』
わーい、嬉しいなー。
ってなるわけねぇだろ。
どんだけ俺は異常なんだよ。
バグの塊か⁉︎
そう思いながらも俺は下山を続けた。
13話の時点でLv.1064。
今後どうなるんでしょね(笑)




