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神様の慈悲  作者: 河藤
第二章 グランテスト大国へ
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第10話 下山→初戦闘

瞬間移動テレポート】を使って帰ってくると、コーラスに今日の事と、近いうちに近くの国にに向けて旅立つ事を伝えた。


「そうですか…わかりました。それでは、私とカトルはいつ帰ってこられてもよろしいようにここで待っております。」


「いいのか?向こう(神界)に帰らなくても。」


コーラスもカトルもずっとここにいては神界も大変なんじゃなかろうか。

そう考えていた俺にコーラスが答える。


「問題ありません。今の私はマスターのメイドとしてここにいますし、これからもそうです。神界の仕事は全て部下に引き継いできました。もちろんカトルもです。」


「だからシドさんは心配しなくてもいいんですよ!」


「そうなのか…ごめん、ありがとう。」


ちょっと申し訳ない気持ちだけど…。

またもや何故かコーラスの顔が赤くなっている。


「ご、ごめんだなんて、だっ、大丈夫です。わっ、私はマスターを支えれて、う、嬉しいですし…。」


そしてカトルはニヤニヤ笑っている。


「コーラスの気持ちはわからないでもないけどさー…、どもりすぎじゃない?」


「わっ、私の気持ち⁉︎なっ、何を言っているんですか、カトル⁉︎」


「バレバレだよー。シドさんは気づいてないようだけど。」


何のことだ?

しかし、こうして見ていると本当に姉妹みたいだ。

コーラスが慌てたように言う。


「そっ、そろそろ夕食にしましょうか⁉︎」


「え?あ、あぁ、うん、そうしよっか…。」


……………。

本当にコーラスはどうしたんだ?

あとカトル、ニヤニヤするのを止めろ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

数日後……


「もう行かれるのですか?」


「あぁ、朝に出た方がいいと思うし、明るいうちに少しでも進みたいからね。」


そう言った俺は白色のローブを羽織る。

このローブはコーラスが作ってくれた物で一から素材を集めて、俺専用に作ってくれた物だ。

とても丈夫でカトルの幻級魔法でも中々傷つかないらしい。

何をどう使えばそんな代物ができるのやら。

亜空間収納インベントリ】に食料や薬、ヘスティアから貰った金を入れて準備をする。

念のために【創造クリエイト】でいくらかの剣や刀、弓なども創って入れておく。

杖も忘れずに右手に持つ。


「この山は危険ですので下りる時は注意してください。」


「まぁでも、シドさんなら大丈夫でしょう!あ、何かと従魔の契約なんかしたりしたら一度帰ってきてくださいね!私も見たいんで!」


「あぁ、わかった。何かあったら戻ってくるよ。じゃあ…。」


「はい、マスター、行ってらっしゃいませ。」


「シドさん、行ってらっしゃい!」


2人が笑って見送ってくれた。


「うん、行ってきます!」


そう言って俺は異世界の国へと旅立った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


家を出てしばらくしてから一度マップを開く。


「【マップ】」


今から向かうのは前考えていたのと同じ、グランテスト大国だ。

他の国よりは近いが、この山からはかなり遠い。

時間もあるし、歩いてゆっくり行こうと思う。

調べてみると、この山は絶望の森、と言うらしい。

山なのに森とはこれいかに?

この時点では俺はまだ、何が絶望なのか、まだ分かっていなかった。



下山を始めて数分後、山道の横の茂みからのっそりと大型の魔獣が出てきた。

見た目は赤黒い毛皮の大きい狼のようだ。

邪龍の時は忘れていたが、【鑑定】を使ってステータスを見てみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ブラッドウルフ Lv.586

種族:ブラッドウルフ

性別:雄


魔力:C-

速:A-

攻:A+

守:B

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


……………。

うん、わけわからん。

確か俺のゲームの知識だと、普通最初に遭遇するモンスターとかってスライムとかゴブリンじゃないの?

何ブラッドウルフって。

Lv.586だって。

Lv.1対Lv.586なんざ勝負にならないだろ。

そりゃ絶望の森だわ。

あと、どうやら魔獣の場合ステータスに数値は表示されず、ランク付けされているようだ。

攻撃がA+って相当やばいんじゃ…。

と、思った瞬間目の前のブラッドウルフが消えた。

気付くとブラッドウルフは俺の後ろにいて、何かを咥えていた。

俺の左腕だ。

左腕の付け根から噛み千切られたようだ。

認識すると同時に焼きごてを押されているような痛みが傷口を襲ってきた。

あまりの痛みに跪く。

知識強制収納インプット】の頭痛なんて比にならない痛みだ。

血が吹き出る。

あっという間に地面に血だまりを作った。

だが、そこで異変が起きた。

俺の左腕があった場所が光っている。

痛みも無い。

光が治ると、左腕は再生されていた。

どうやらこれが【超再生】の力のようだ。

ブラッドウルフは何が起こったのかわからないかのように呆然としている。

俺は杖を構えて、痛みを返すように魔法を放った。


「【雷神の矢(ボルティックアロー)】!」


雷で形成された3本の矢がブラッドウルフに突き刺さる。

ブラッドウルフは関電し、煙を上げながら倒れた。

初戦闘にして初勝利。

そして聞こえる電子音声。


『ブラッドウルフを討伐。レベルアップしました。』


どうやらレベルアップしたようだ。

だがこれだけでは終わらなかった。


『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

『レベルアップしました。』

まだまだ続く。

いつまで続くんだ、と言うぐらい続く。

脳内でピロピロ言っている。

そりゃLv.1であんな強敵倒せばこれぐらいにはなるのか。

【強化学習】のお陰でより多くレベルアップするのだろう。

スキップできないものか。


『戦闘結果をスキップしますか?Yes/No』


出来るのかよ。

だったらもっと早くスキップボタンを配置しとけよ。

迷わずYesだ。


『省略した成果を表示します。』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シド・テンペスト・シリウス Lv.497

年齢:16

種族:人間

性別:男


魔力:ERROR

速:21km/s

攻:3860

守:3410

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これが俺のステータス。

次はスキル。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『【進化】により、【武術】のレベル限界値を突破、【武術Lv.54】となりました。』

『【進化】により、【格闘術】のレベル限界値を突破、【格闘術Lv.54】となりました。』

『【進化】により、【全属性魔法】のレベル限界値を突破、【全属性魔法Lv.54】となりました。』

『【進化】により、【結界魔法】のレベル限界値を突破、【結界魔法Lv.54】となりました。』

『痛覚による戦闘の中断を避けるため、スキル【痛覚軽減】を会得しました。』

『敵との遭遇を避けるため、スキル【気配察知】を会得しました。』

『魔力から居場所を割り出すため、スキル【魔力感知】を会得しました。』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【進化】のスキルは、俺が進化するわけでなく、他のスキルのレベル限界値を上げ、次の段階へと進化させるようだ。

確かに俺が進化しても意味は無い。

ただ、どうなるのかは気になる。

後の新スキルは名前通りのスキルだろう。

特に【痛覚軽減】は嬉しい。

腕が吹き飛ぶ度にあんな痛みを体験するのは嫌だ。

一応ブラッドウルフの残骸を【亜空間収納インベントリ】に放り込んでおく。

高値で売れるかもしれない。

ゲームとは違う初戦闘を終え、俺は下山を再開した。

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