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ロボットなおたん  作者: Nau
68/150

【第74話】ロボットだもん

よく晴れた日の夕方。なおたんは犬のポンキーを散歩に連れていた。


なおたん「ポンキー!今日はお天気イイねー♪あったかいねー♪散歩日和だねー!春になるとポカポカして、 ぽんちゃ と かえぽ 眠くなるんだってー!、、ポカポカってなんだろねー?。。ねーねー、ポンキーは寝ながらお散歩出来るー?私出来なーい!あはははー♪」


ポンキー「ワウー?」


なおたんの目の前で横断歩道を渡ろうとする一人の若い女性が居た。信号は既に赤に変わっていた。だが女性は信号に気付いていない様子でそのまま歩き出した。。その時!、、一台のトラックが猛スピードで女性に突っ込んできたのであった!!女性に気付き、慌てて急ブレーキを踏むトラックの運転手。しかし、間に合いそうにない!!


 キキキキキキキキィィーーー!!


女性「きゃああああああああ!!!!!。。」


なおたん「あっっ!!」


女性の悲鳴と同時になおたんがダッシュした!!人間の目に見えない速さで!!


 しゅたーーーっっ!!


女性「。。ああああああああああ、、あ、あれ!?」


間一髪、トラックへの衝突を避け、なおたんは女性を抱えたまま横断歩道の向こう側へジャンプしていた!


トラック運転手「バッカヤロー!!死にてえのかあああ!!!」


トラックの運転手は窓を開け怒鳴り声をあげてから、すぐにまたトラックを走り出させたのであった。


なおたん「あー!、、ばかって言う人がばかなんだよー!!ばかー!!、、あ!ばかって言っちゃった!私もばかだー!!あはははー♪」


女性「え?、、私、今、車にはねられ、、あれ?。。え!?ああー!だ、大丈夫ですかっ!?。。あ、あの、もしかしてあなたが助けてくれたの!?ありがとう!私、死ぬかと思った!!」


なおたん「お姉さーん、大丈夫ー!?ビックリしたねー♪トラック運転してた人、ポカポカでねむねむだったんだねー♪。。だけど危ないねー!あーいうのを『トラック野郎爆走一番星』って言うんでしょー!知ってるよー!えへん♪」


女性「へ!?え、えーと、、なんだかわからないけど??、、あの、悪いのは私のほうなの。。ぼーっとして歩いていて信号が変わったの気付かずにそのまま渡ってしまったみたい。。この頃仕事が忙しかったから疲れていたのかなあ。。あ、あ!私のことより、あなたは大丈夫!?なんかすごい勢いでこのブロック塀に激突したでしょ!!、、あああ!!塀に穴開いてる!!ちょっと!身体なんともないですかっ!?」


なおたん「えー?私ー?だいじょーぶいっ!だよー♪、、あのねー、ぽんちゃがねー、私は戦車に踏んづけられても壊れないくらいに頑丈に作ってあるー!って言ってたよー♪」


女性「ぽんちゃ!?。。作った!?。。んー、、なんか言っていることがよくわからないんだけど??、、それにしてもどうやって私を助けてくれたの?あの時トラックに引かれる瞬間だったのよ!私、絶対あのまま引かれて死んじゃうんだと思った!そしたら横からあなたが飛んできて私を抱いたまま、ここまでジャンプしたんでしょ!、、とても人間が出来ることじゃないわよ!?」


なおたん「あははー!私、人間じゃないよー!ロボットだよー!!、、♪すーぱーろぼっとー♪『なおたん』だよー!テーマソング募集中だよー♪うひょー♪」


女性「ロボット!?、、えええ!?あなた、ロボットなの!?、、信じられない。。そうかあ、ロボットなのか、、ロボ、、(涙)」


なおたん「あれー?助かったのになんで泣いてるのー?こういう時は笑うんだよー!あははーって!ねー、ポンキー!」


ポンキー「ワン♪」


なおたん「ポンキーは何聞いても『ワン』だねー♪あはははー♪」


女性「うん、うん、、そうだね!笑わないとだね!ありがとう!。。えーと、『なおたん』さんでしたっけ。本当にありがとう。なおたんさんは命の恩人です!なにかお礼がしたいんだけど、連絡先とか教えてもらえませんか!?」


なおたん「私、『なお炭酸』じゃなくて『なおたん』だよー!あははー♪オーレイッはいらないよー!だってねー、かえぽが、困っている人をみたら助けてあげてね!って言っていたから、当たり前だのクラッカーだよー♪。。あー!そうだ!また遅くなったら、かえぽに怒られちゃう!、、あのねー、かえぽ、怒るとココにシワが出来るんだよー!美容に良くないよねー!あははー♪じゃねー!お姉さん♪達者でねー!ばいならーーー!!」


 だだだだだだだっーーー!!


女性「あ!あ!ちょっと!まっっ!!、、ああー、、行っちゃったー。。だけど、すごいな。。ロボットってすごいんだな。。」


その夜。研究所にて。夜間の実験終了後、食堂にやってきた ぽん博士とかえぽ助手。そして なおたん。

かえぽ助手はテレビのスイッチを入れた。


かえぽ助手「あ!ちょうど『リーガル・半!』やっていた!ラッキー♪。。あー!やっぱり『茶会真似人』(ちゃかい・まねと)さん素敵だなー♡」


ぽん博士「お!このドラマ『香絵菜』(かえな)も出てるんだなー!このコ、イイよなー♡女優になる前はファッションモデルだったんだろー!スタイルはイイし、すごい綺麗な顔立ちしてるよなあ!清楚な感じがまたイイよねえ~♪最近ちょっとファンなんだよなー♡」


なおたん「あー!!このお姉さん、今日会ったよー!!」


かえぽ助手「ええー!?香絵菜にー!?、、まさかー!!。。それは本人じゃなくて、よく似ている人だよー!きっとー!!」


なおたん「本当だよー!今テレビに映っているお姉さんだったよー♪、、えーとねー、かえぽの7倍くらい綺麗なお姉さんだったよー!、、ふーん。香絵菜ちゃんっていうんだねー♪」


かえぽ助手「せめて3倍くらいにしておいてよ!!。。えー!だけど本当ー!?」


ぽん博士「いやいや、かえぽ君!なおたんの人に対する認識力と記憶能力は99パーセント以上の精度があるからな!信じられないだろうが、おそらく本人だったんだろう。。く~!残念だ!!私がその場に居れば握手とかサインもらったりとか出来たんだなあ~!!」


同時刻。自宅で電話をかける、とある女優。


香絵菜「あ、もしもし。香絵菜です。」


マネージャー「あ!香絵菜ちゃん!今日はゆっくり休めたー!?久しぶりのオフだったもんね!!」


香絵菜「うん。おかげ様で!。。あ、あのー、、前にオファーがあった件、まだ生きてる?、、もし間に合うんだったら、私、是非やらしてもらいたいなーって思って。。」


マネージャー「ええ!?本当!?、、香絵菜ちゃん、前はあんなに嫌がっていたのに!『アンドロイドの役なんて、そんな人間味の無いロボットみたいなキャラクターを演じるなんて、絶対にイヤ!!』とか言って!。。どうしちゃったの!?」


香絵菜「あ、うん。ちょっと、いろいろあってね。もっといろんな役を演じてステップアップしなきゃ!って思っちゃった。。もう間に合わないかな!?」


マネージャー「ううん!きっと大丈夫だよ!ダメだなんて言わせないよ!!うわあ~♪これで社長も局のほうも大喜びだよ!!。。早速連絡しとくよ!明日からまた忙しくなるよ~!!」


香絵菜「あ、はい!本当にごめんね!最初あんなに強く断ったのに、、あ、はい。。はい、了解です。ありがとう。おやすみなさい。」


ケータイを切り、静かに微笑む香絵菜。


香絵菜「なおたん。。また会えたらイイな。」



挿絵(By みてみん)

イラスト:まお



-END-

香絵菜かえな初登場の回です。この話くらいからギャグだけではない話も書くようになってきました。

(Nau)

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