第12話 町長って人をやる気にさせるの意外にうまいよね
「皆、集まってもらってすまんの。今日は昨日の魔王軍との戦いの経緯を勇者様達に説明してもらおうと思っておる」
すると勇者達が壇上に上がって来た。勇者達は横一列に並び山下が、口を開く。
「勇者の山下です。本日は集まっていただきありがとうございます。今日は先日の魔王軍との戦いについての話をさせていただきたいと思います」
山下を見たい人と町長の話を聞きたい人で、集まった人数は100人を超えていた。
「まず、前提として、私たちは負けたわけではございません。一度体制を整えてから挑もうとしましたが、戻った時には綺麗さっぱり居なかったんです。そして、魔物の軍の指揮を取っている人間らしき影を見ました。」
すると集まった人達がざわめきだす。人間が、魔物の群れを率いてるなんて信じられないと声が上がっている。
「この事について本日は、今後の事を話させていただきます。町長お願いします。」
司会の人が町長に話を振る
「この町は何も変わらん。今を生きていくだけじゃ。魔王軍に人間がいたのは同じ人間として恥ずかしいことではあるが、何か理由があるのかもしれん、、家族を人質に取られてるとか、恋人が誘拐らせてるとか、ワシらには勇者様達に祈ることしかできんのじゃから騒ぐことはなかろう」
「攻めて来たらどうするんだ!」
「流石にそれは可哀想だな。」
「私たちは今を生きていく、、、、」
など、集まったもの達が次々に好き勝手に話していく。
「魔王軍の人間に関してはこちらで調査を行います。もしかしたら人間の村や町に入ってくる可能性もありますので」
勇者と山田と少し目があった気がした。すぐに目線を外すと怪しまれるので、山田は勇者を羨望の眼差しで見てるふりをする。
「不満があるものは、この町から出て行っても構わん、ワシに止める権利などは全くないからのぉ。ただどこ町に行っても何も変わらんよ?」
町長の言葉にまた各自喋りだす。
「たしかに、、、結局人間の村は魔王軍には勝てないんだ、、」
「私は魔王城から1番遠い村に引っ越すわ!」
「そもそも勇者様が早く魔王を倒せばこんな事にはならないんだ!」
「静かにしなさいっ。好き勝手に喋るんじゃない!あなた達が一体何をしたんだ?戦ったのか?ただ怯えてるだけじゃないのか?そんな奴らが、勇者や町長を悪く言う資格があるのか?」
黙って聞いていた司会の男が大声で問いかけた。すると喋っていたもの達が黙り込み下を見る。
「私たちはまだ、戦っていないじゃないか?勇者様達に任して、負けたら勇者様のせいにして、町長のせいにして、それで良いのか?私たちの町は子供達は私たちで守らないとダメなんじゃないんですか?人に任せっきりで良いんですか?」
「そんなこと言ったって俺たちに何ができるってんだよっ」
「そぉーよ!そぉーよ!」
すると勇者が重たい口を開く
「皆さん。申し訳ない、私たちが不甲斐ないばかりにこんな言い争いをさせてしまって、なんとお詫びしたら良いのかがわからない。出来ることなら早く倒したいのですが、昨日の一件もありますので、対策を練ってからじゃないと、、」
勇者の言葉を聞いて、静まり返る。みんな勇者が悪くないのは知っているからだ、それでも、誰かのせいにしたいから勇者のせいにする。
「勇者様は悪くないっ。悪いのは魔王軍だ」
「そぉーだ。魔王軍さえなければオレ達は静かに暮らせるんだ」
(見事な手のひら返しだな)
山田は心の底からそう思った。
「ワシ達は今1つになったと感じる。ワシ達は勇者様に助けてもらうしかないのじゃ、ただ、武器を持って、魔王軍に立ち向かうこともできる。皆のもの選ぶのじゃっ。武器を持って戦うか、黙って怯えながら暮らすのか!」
「やってやるよー」
「俺たちだって出来るんだー!」
「本日はこれにて解散!」
司会の男が大声で叫ぶ。すると、集まったもの達が一斉すごい熱気を持って散らばり始めた。
(ヤバい流れになって来たなぁ、石田さんに知らせないと)
山田は石田さんにメールをする。
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石田さん
お疲れ様です。
人間達がもしかしたら魔王城に攻めるかもしれません。
今、そんな雰囲気になってます。
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1分ほどでメールが返って来た。
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山田くん
おつかれ。
了解( ̄Д ̄)ノ魔王様に相談してみるね(笑)
もう出来ることは無いから帰っておいでー!
山田くんがいない間の仕事が溜まってるので、帰って来ても休みないよー(笑)
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山田は衝撃を受けた!
(なぜ?なぜ、誰も俺の仕事をやっていないんだ?俺の仕事だからか?みんな自分の仕事が大変だからか?それなら仕方がない。っておれずっと休んで無いじゃん!)
山田は舞台の最前線に陣取っていたため、離れるのに10分以上かかった。その間もやる気ある声が上がっている。そして、宿屋に戻り荷物をまとめて、来た道を永遠と3週間かけて帰る。
魔王城の近くに着くと、ものすごい高い壁ができていた。高さ数十メートルはある壁が魔王城の周りにある。山田は石田さんに電話をした。
「石田さん、お疲れ様です。僕の見間違いじゃなければ、ものすごい高い壁があって、魔王城に入れないのですが、、」
「ごめんごめん、言ってなかったね、魔王様が魔法で作ったんだよ。人間が攻めてこれないように、すぐにそっちに行くからまってて、」
電話が切れたと同時に石田さんが急に現れた。おそらくテレポートの一種であろうと山田は悟った。
「びっくりさせてごめんねー。言うの忘れてたよー(笑)私に捕まって、目を閉じてて、」
山田は石田さんのセクシーな身体のどこを触るか悩みに悩んだ挙句、手の小指を掴み目を閉じた。
すると体が一瞬浮いた感じがした。
「目を開けても良いよ」
山田は目を開けると見慣れた部屋にいた。いつも出勤している場所だ。人生初めてのテレポートをして興奮していたが、自分のデスクを見て、一気に興奮が冷めてしまった。
「これは、、なんでしょうか?」
自分のデスクの上にある大量の資料を指差して、聞いてみる。
「山田くんの居なかった間に溜まってる仕事があるって言ったでしょ。それがこれだよ」
山田は3週間かけて、山を超え、平原をずっと歩いたのだ。そんな山田を待っていたのが、この仕事の量だ。山田の心の辞書に書いてある【休み】という単語か徐々に消えかけていく、、そう!ここはブラック企業というのを忘れていた、
最後に山田はふと思った
(魔王城の周りに壁を作ったけど、本来なら人間の町に壁を作るんじゃない?逆だと思うんだけどなぁ)




