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9/9

トリックと伏線は分割するとワンランク上の凝った話に見える(偏見)

 推理と言えばトリック。

 トリックと言えば伏線。

 そう、伏線がなければ面白いミステリにはならないのです。

 



 はい、昔PSPのソフト『TRICK×LOGIC』と『クリミナルガールズ』を順番にプレイしたところ、あらすじがびっくりするほど似ていたという経験のある、アヒル探偵です。

 主人公が昏睡状態となり、魂が冥界に囚われる→蘇生したかったらミッションをクリアしろと命じられる→危なげなくミッションをこなしていき、若干調子に乗る主人公たちだが……って、何でそんなに似ているの。

 ゲーム性が全く違う(推理とダンジョン攻略)ので問題はないんですが、双方とも主人公は冥界では白髪に白い服だし、薔薇と鎖のモチーフもある。

 何故そこまで被った。ほんま謎。

 



 閑話休題。『TRICK×LOGIC』が素晴らしい推理ゲームだったので、ここで言わずにはいられませんでした。続編出せ。


 今回のネタは、前々から思っていた『トリックや情報は、分割するとすごく考えられたシナリオに見える』件。

 何のことやら分かりませんね。すいません。では順番に。



 

・トリックを分割する


 密室とかアリバイなどに使われるテクニック。

 殺人犯と、密室を作った人が別。あるいは、殺人犯と死体を移動させた人が別にいるパターン。


 犯人が被害者の家で殺人を犯し、死体を放置して逃走。この時点では密室ではない。

 その後しばらくして、現場にされちゃった家の家族が来て死体発見。

 運悪く(ミステリではよくあるけど)この人にも動機があり、「自分が疑われる!」とびびって、うっかり現場を施錠して立ち去ってしまう←シンプルに迂闊(うかつ)

 密室成立。


 警察からすると、犯人には現場を密室にすることができない。鍵を持っている家族は、動機はあるものの、死亡推定時刻のアリバイがある。はい、これは不可能犯罪ですね。


 あるいは殺人犯とは別に、死体を移動させた人がいるパターン。


 犯人が、例えばお店の敷地に死体を放置。

 第一発見者である店主がやって来て、「こんな所で死体が発見されたら、店が営業できなくなる!」などと思って死体を全然別の場所に運んでいってしまう。

 犯人には死体を運ぶ時間がなく、店主には死亡時のアリバイがある。警察は困る。

 不可能犯罪ですねその2。


 この時、犯人と現場をいじった人は共犯ではないのがポイントです。

 共犯なら、警察が人間関係を徹底的に洗えばバレます。お互い何の関係もないから、警察には分かりません。

 犯人からすると、誰が密室や死体移動をしたのか分からない。密室や死体移動をした人からすると、誰が犯人か分からない。この偶然が事件を厄介なものにします。

 突破口として、まず密室にしちゃったり死体移動させちゃったりした人を、死体発見現場の証拠から詰めて白状させ、そこから改めて犯人を絞るのがセオリーです。


 これらが基本パターンで、作品によって分割要素(被害者の呼び出し、殺人、凶器の準備、凶器の移動、死体移動、施錠、他にあったかな……)は様々。

 ちなみに前述の『TRICK×LOGIC』には、このトリック(というか事件の真相)を知らないと解けない問題があります。


 推理小説では意外によく使われるので、憶えておきましょう

 テストの出題範囲かよ。




・情報を分割する


 情報、つまり謎の提示とヒントを別々に配置するテクニックです。伏線と言っていいかもしれません。いや伏線そのものなのか?

 まず、謎を提示する場面と、ヒントの提示の場面を離しておくテクニック。普通ヒントは複数あるので、それらをバラバラに配置するとなお良し。


 これで私が思いつくのは、なぜかミステリではなくFFです。

 FF7において、主人公クラウドは記憶の一部を失っており、その間何があったか分かりません(謎の提示)。

 結構後になって、その時の情報がある場所の捜索を(おこな)ったり、記憶喪失の原因となる事象の説明なんかがあって(ヒントの提示)、これらを繋ぎ合わせれば答えは分かるようになっています。

 なっていますが、いかんせん各情報の入手タイミングが違い、しかもメインシナリオとして神羅は何やってんのとか世界ヤバいとかレベル上げようとか色々あって、各ヒントは忘れられがち。

 思いつく限りだと、クラウドの子供時代、記憶喪失直前の出来事、当時クラウドの周囲にいた人物たちの情報、ある場所(実は記憶喪失時にいた)の捜索、記憶障害の起こる事象の説明、クラウドの記憶喪失時にティファはどうなっていたか、というヒントが分散してシナリオにばら撒かれていました。

 20年以上前に1回プレイしただけなので、記憶違いがあったらすいません。


 次に、ヒントを出しまくった後に謎を提示するパターン。

 エラリー・クイーンの長編には、事件が起こりそうで起こらず、終盤になってやっと殺人事件が発生する(やっととか言うな自分)ものがあります。

 エラリー(作者じゃなくて主人公の方)は、それまでに出ていた情報から犯人を特定します。残りページが少ないので即座に。

 謎が提示されないために、何か情報が出ても伏線なのかどうか判断しづらいのが特徴。


 これまたFFなんですけど、FF8の終盤では、ある重要キャラに子供がいることが発覚します(謎の提示)。

 そんなディスク3枚目(古い)、ラスダンも近いタイミングで新キャラ? いや、すでに登場しているキャラの1人が、実は重要キャラの子供っていう趣向か。誰?

 この時点でヒントは出揃っており、考えれば当該キャラは誰か分かるようになっています。

 これらが繋がった時の「ああ〜、そうだったのか!」というカタルシス。この謎が解ける時の快感が、推理ものの真髄ではないでしょうか。いやそうに違いない。

 ミステリじゃなくてFFなんですが。




 ミステリに限らず、重要な情報を物語中にバラバラに配置しておくと、なんだか良く練られたシナリオな感じがします。

 ファンタジーなら、ラスボスの特徴や弱点が途中でそれとなく提示されていて、最後にそこを突いて倒すとか。なんか無理を感じる例えですけど、ループ系で最初にラスボスと戦って負けているとかならありかも。

 探索系のゲームだと、見つかったアイテムやメモなどの情報を組み合わせると、新たな場所に行けるようになったり。

 ロウソクとマッチと皿を組み合わせると燭台のような明かりになって、真っ暗なエリアを探索できるようになるとか。

 各情報アイテムを組み合わせるという作業によって、これを思いついた自分偉いという達成感を味わうことができます。これも、ひらめきや謎解きが満足を与える例ですね。




 伏線。

 いいよね〜(*´∇`*)

 もう推理小説でなくても、伏線バッチバチで最後に華麗に回収する話が見たい。

 いやまあ大抵の小説には、先々を見据えた伏線がありますが。

 結論。皆様、小説を投稿しましょう。

 

 

言いたいことはあらかた言えました。

ご覧いただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今までに読んだミステリーのあの作品やこの作品を思い出しながら、「あるある!」と共感してしまいました。また、メタ的な理由で、こうだからテンプレになりやすい、という解説もわかり易く、興味深く拝…
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