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第20話

授業が始まり気づいたこと。

なんだか、信一さんはとても機嫌が悪いような気がする。

「なんか先生、機嫌悪くない?」

隣にいる美夜子に信一さんに気付かれないように呟いた。

「えっ?そうかな。いつも通りだと思うけど」

しかし、まったくいつもとかわらないよ。という美夜子

いや、ぱっと見はわからないんだろうけど、絶対に機嫌が悪い。

「斎藤、何か質問か?」

納得がいかなくて私は話してる信一さんを思いっきり見つめていた。

うそっ・・・

「なんでもないです。」

パッと目が合い信一さんは質問と思ったらしく聞いてきたがそうでないとわかると授業を再開した・・・

焦った・・普段なかなか目なんて合わないのに・・・

「お待たせしました。」

HRが終わると同時に今日は約束があるからとバタバタ駅前までやってきた私

「そんなに走らなくてもいいのに」

相手は海さん。

あとから、菜々子さんも合流する予定

「だって、ここで待ってても暇でしょ?」

海さんの横に立ち言った。

「そんなことないよ。由姫、真直ぐ前を見てごらん。」

横から、気付かれないように指を差す海さん

「ん?」

真っ直ぐと前を見渡す私

「いろんな人たちがいるだろう?例えば、いまあそこに立っている男。待ち合わせだとは思うけど、相手は女だね。しかも、その子との初デート」

目の前にいるたくさんの人たちから海さんが言った人を見つけ出した。

「なんで?」

ただ、男の人が立っているだけではないのだろうか?

「さっきから、落ち着きなく時計や携帯ばっかり見いてる。それに、かなり身なりを気にしてる。」

そう言った途端、ショーウィンドーを見ているその人を見てつい吹き出してしまった。

その時、走ってくるかわいらしい女の子がやってきた。

その人は、慌て出した。

その様子を見て二人で呟いた。

「初デートだね。」

「初デートですね。」

もしくは、まだ付き合いだしたばかりの二人。

とてもほほえましい光景だ。

「こうやって周りを見ることも時には大事なんだよ。」

ニッコリと微笑む海さん

「って、俺はそれで菜々子を見つけたんだけどな。」

海さんのいきなりの爆弾発言。

「えっ?学校じゃないんですか?」

私は菜々子さんに担当クラスの一人だと聞いていた。

「菜々子は知らないだろうけど違うよ。」

菜々子さんに会うまでの海さんは荒れていたと私は聞いている。

「そうなんですね。」

今度、ゆっくり聞こうと心に決めて、今は聞き流すことにした。

「今度、菜々子さんに詳しく聞いていいですか?」

二人のことを詳しく聞いていない私に海さんはきっと教えてくれない。

そうわかっているのであえて菜々子さんに聞くのだ。

「もちろん」

その時に学校で会う前に会ったことあるらしいことを菜々子さんに聞こう。

「そしたら、俺にも教えてね。第一印象最悪なハズだから。」

ほら、やっぱりクスクス笑って教えてくれない。

「さて、移動しようかな。由姫おなか空いてる?」

時計の針を確認し、海さんは言った。

「ちょっとだけ・・・菜々子さん待たないの?」

どうやら、海さんはおなかがすいているらしく菜々子さんを待てないようだ。

「まだ時間あるから少しくらいいいだろう。」

そう言って、約束場所の近くのファーストフード店に私たちは入っていった。

「先輩?」

メニューを決め、席取りしておこうかと考えていると後ろから声をかけられた。

「あっ、吉満くん。」

今日、断った吉満くんが何らかのセットを買って突っ立ていた。

中身を見る限り友達も一緒なんだろう。

「由姫、注文してくるから待ってて。」

貴を聞かせてか海さんはそう言って私たちから離れた。

「ん、席にいってますね。どうしたの?」

空いている席を探してすこし移動する私

それに、ついてくる吉満くん

「彼氏いないっていってましたよね?」

いつも見せる笑顔はなく真剣に聞いてきた吉満くん

「美夜子がね。」

サラリッと答えた私の答えに固まる吉満くん

「あの人は、友達よ。

でも、好きな人はいるわ。」

そんな彼に、すぐに海さんが彼氏でないことと好きな人がいることを伝えた。

「好きな人、いるんですか?」

どうやら、意外な言葉だったらしくびっくりして口が塞がらない吉満くん

「いるわよ。とっても大切な人、今は傍にいないけどね。」

信一さんのことを思い出しながら少し微笑んだ。

「僕ならそんな悲しい顔させません。」

つもりだったが、そうでなかったようだ。

「逆に、お前には由姫にこんな顔させれないよ。好きだからこそ苦しんでんだよ。由姫行くぞ。」

ぱっと、商品をのせたトレーを持って現れた海さん

「じゃーね。」

吉満くんを牽制させるように言い残し席に向かった海さんを私も後を追った。

「なんだ、あいつは?」

席につくなり、迷惑そうに顔をしかめ吉満くんのことを聞いてきた。

「学校の後輩。」

素直に後輩だと言った。

「ふーん、告られた?」

図星の言葉に驚いたが、素直に頷いた。

「まぁ、勝ち目はないな。ノブさん元気?」

そんな私を見てふっと笑って飲み物に口をつけた。

そして、話を変えてくれた。

「なんか、今日は機嫌が悪いみたいだった。」

午後の授業を思い出し私はそう素直に言った。

「ノブさん、あいつのこと知ってんの?」

きっとコレが知りたかったのだろう。

そう、思ったがなにも言わずに自分の考えを言った。

「・・・興味はないだろうけど、知ってると思う。今日、信一さんがいる前で遊びに行きましょうって言ってきたから。」

私の言葉に意地悪そうに微笑んでいた海さん

「へぇー、そりゃー楽しそうだ。」

頬を膨らませ軽く海さんを睨みつけた。

「もぉー人事だと思って・・・」

それからは、その話をすることなくたわいのない話をしていたら、菜々子さんがやってきた。

「由姫ちゃん、海お待たせ・・・ってなんで食べてるのよ。」

きっと、海さんがメールかなんかで連絡したのだろう。

「小腹空いたから。」

海さんの答えにいつものことなのよとぼやく菜々子さん

「ほら、ご飯食べに行きましょうよ。」

菜々子さんもそろったところで私たちは3人で近くのパスタ屋さんに入っていた。

「ところで、信一さんと一緒じゃないんですか?もし、見かけられたら変に思われますよ。」

店内でメニューを決め、ふと思ったことを私は聞いた。

「・・・大丈夫よ。ねっ、海。」

私の言葉に、なぜか一度躊躇して答えた菜々子さん

「そうそう」

軽く返事をする海さん。

二人の様子がおかしいと思ったがきっと気のせいだと思い私は気にすることなくパスタを食べた。

この時、二人に感じた違和感の原因を知るのはまだまだ先のことだった。


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