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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第四章 復帰
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#183 新説

ゾンビ愛護団体本部二階……


二階を制圧したと特殊部隊から聞いた小牧達は一階を他の班に任せ、二階にやって来た。しかし二階は一階とは違って汚く臭かった


「この臭い何でしょうか?」


小牧は林にそう聞いた。この臭いは食べ物が腐ったときの臭いというより、ガソリン系の臭いだった


「とりあえず中央階段近くの武器庫に行こう」


林は作戦前に渡された建物の見取り図を見ながらそう言った。そして武器庫に向かって歩きだした。するとガソリン系の匂いが武器庫に近付くに連れてキツくなってきた


「流石に辛いわ」


保見はそう言うと手で鼻を押さえた。七尾や小牧、榛葉もあまりの臭いに袖で口と鼻を押さえていた。が、先頭を進んでいた林は何かあったときのために匂いに我慢するしかなかった


「ここを左に曲がるっと」


林は見取り図を筒状に丸め廊下を曲がった。するとすぐに先程からする臭いの原因が分かった


「林二佐、臭いの原因って……」


小牧はその光景を見るとそう言った


廊下を曲がった先には武器庫への入り口と中央階段があった。しかし中央階段には謎の液体がこぼれていた


「これは一体……」


保見はそう言うとその液体が何か知るために近寄ろうとした。しかしその時上の階から瓶が落ちてきた。その瓶は保見の少し前で割れた。するとその瓶は割れると同時に真っ赤な炎をあげ、階段に垂れていた液体に燃え移った


「うわっ!」


保見はそう言うと慌てて林の後ろまで戻った


「火炎瓶だ。急いで武器庫に入れ!」


林はそう指示をした。なので小牧達は部屋の扉を開け、急いで中に入った


「今のだけで疲れたわ」


保見は膝に手をつけてそう言った。すると目の前の扉が開き、こんな声がした


「ん?林班……じゃなくて水瀬班か」


そう言ったのは笛中だった。笛中はそのとき負傷者の乗っている担架を運んでいた。なので林は小牧達に道を開けるよう指示した。すると笛中は林にこう言った


「詳しいことは風戸から聞いてくれ。俺は負傷者を一階まで運んでくるから」


笛中はそう言うと担架を慎重に運びながら部下と共に部屋を出ていった。林は笛中の言っていた通り、何があったのか知るために風戸に話を聞くことにした。なので武器庫の中に足をいれた


武器庫の中は銃撃戦をしていたというだけあって酷いことになっていた。武器庫の壁には銃弾がのめり込んでおり、床には血が垂れていた


「染井さん、水瀬班が来ましたよ」


そう言ったのは染井班副班長の三間だった。三間にそう言われると染井は作業をやめて顔をあげた


「あぁ、林二佐ですか。面白いものを見つけましたよ」


染井はそう言った。すると染井の隣にいた三間が林に「こちらに」と言った。なので林は二人のいる所まで移動した


「何だこれ?」


染井の言った面白いというのは腐った人間…… つまりはゾンビのことだった。しかしこのゾンビは既に死んでいるのか全く動かなかった


「見ての通りゾンビです。染井班が調べているときに見つけたそうです」


突然林の後ろからそんな声がした。なので後ろを向くとそこには風戸がいた


「このゾンビについて軽く調べましたが、ゾンビになって間もないゾンビ…… つまりゾンビに成り立てほやほやでした」


「そして棚の中にこんなのが入ってましたよ」


風戸に続けて名畑がそう言った。名畑の手には汚れている注射器があった


「注射器?つまりどういうことだ?」


林はそう聞いた。すると風戸はこう言った


「簡単なことです。この人は…… いえ、このゾンビは人の手によってゾンビにされた、というわけです」


風戸はそう言うと近くにある捜査用の段ボールからビニール袋に入っている付箋のような物を取り出した


「林さんはこれを知ってますよね?」


風戸は林に付箋を見せるとそう聞いた


「もちろん。ゾンビ菌の有無を調べる試験紙だよな?」


林はそう言った。林は大学にいたころ、ゾンビに関する講義を受けていた。なので対策5がやるような実験でも簡単なものなら知っていた


「正解。そしてこの試験紙はこのゾンビに試したもの。これがどういう意味か分かります?」


風戸はそう言うと林に試験紙の入っているビニール袋を渡した。ビニール袋に入っている試験紙は黄緑色になっていた。これがどのような意味を表しているかについてはちゃんと習っていた


「黄緑色はゾンビになって間もないもの……だよな?」


「はい正解。そして私は注射器も調べました。そしたら濃い緑でしたよ」


風戸はそう言うとビニール袋に入っている試験紙を見せた。こちらの試験紙は林の持っている試験紙とは違い濃い緑色だった


「この結果からこの組織の人間によってゾンビにさせられたことが分かります。そして見方を変えれば、ゾンビ愛護団体はゾンビ菌を所持していると分かります。なので怪しい液体は全て回収をお願いします」


風戸はそう言うと試験紙の入っているビニール袋を段ボールに戻した


ゾンビ愛護団体は過去の活動からして、ゾンビを殺すことに対して批判している。そして昔からゾンビ愛護団体はゾンビと接触しようとしていた。これらから考えるに、九十年前にゾンビ菌をつくり世の中に放ったのはこの組織ではないか?という説が浮かび上がってきた……



風戸水月かざとみずき


一等ゾンビ対策官


武器……レイピア

テーザーガン

拳銃



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