#182 制圧
ゾンビ愛護団体本部二階……
「制圧完了。被害状況を確認せよ」
三田村は銃を下ろすと部下にそう指示した。するとそんな三田村に本間は近寄った。そして三田村の隣でこう言った
「三田村は東階段から三階へ向かえ。俺の班は中央階段から三階へ向かう」
「了解です。確認が終わり次第、すぐに向かいます。なお準備完了しましたら無線で報告します」
「了解」
本間はそう言うと部屋から出ていった。そして部下を引き連れて中央階段へと向かった
三田村のいる部屋は武器庫に入るための扉がある部屋で、万が一に備えてか、部屋には死角になるものがなくC4で破壊した扉以外には幾つもの鍵がかかっていた
「二名死亡、他の五人は負傷です」
被害状況を確認していた小見山は三田村にそう言った。死亡したゾンビ愛護団体の職員は二人とも弾丸が顔面に当たっており、見るに堪えない状態だった
「分かった。後の仕事は対策課に任せる。中央階段に行くぞ」
三田村がそう言うと部屋にいた部下達は部屋から出ていった。そして変わりに染井班が入ってきた
「これは凄いことに!」
染井は部屋に入るとそう言った。すると染井に三田村はこう言った
「武器庫にも負傷者は居ますので、そちらも宜しくお願いします」
三田村はそう言うと部屋から出ていってしまった。すると染井の隣にいる三間がこう言った
「これは凄いですね。部屋の奥が赤くなってますよ」
三間はそう言うと武器庫に近付いた。武器庫の扉の前には顔面を撃ち抜かれた二人の職員が転がっていた
「流石に顔を抜かれては救いようがないですね」
名畑は死んだ職員の顔をしゃがみこんで見るとそう言った
「これはエグい。さすがの私でも十秒しか見れないわ」
染井は口を手で抑えながら死体を見た。死体は顔に弾が当たっているだけあって血が辺りに飛び散っていた。そして元はどんな顔だったのか分からなくなっていた
「十秒も見れれば充分です。それより古泉と加宮は絶対に見ない方がいい。仕事が出来なくなるからな」
名畑はそう言うと死んだ職員が着ていた上着を脱がした。そしてその上着を死体の顔にかけた。しかしそれでも血液が床に広がっていたため、グロいことに変わりはなかった
「それじゃあ負傷者を一階まで連れていきましょうか」
染井はそう言うと武器庫に入った。しかし武器庫には死者がいないとはいえ、もっとエグいことになっていた
「これは酷い」
武器庫の中で倒れている職員はあくまでも運良く生き残ったようなもので、腕や足、腹など複数の部位から血を流して倒れていた
「これ死体よりヤバいですね」
三間は染井にそう言った。武器庫で倒れている職員は皆が何か話そうとしていた。しかし染井達には何をいっているか聞き取れなかった
「これは担架が必要ですね。流石に歩かせるのは無理かと」
名畑はそう言った。しかし染井班に所属する人はみな痩せていて力に自信がある人がいなかった。なので担架を使って一階まで運べる自信がなかった
「担架を持ち上げられる自信のある人は手を挙げて!」
染井は部下達にそう聞いた。しかし予想通り誰一人と手を挙げなかった
「他の班を呼んできますか?」
「そうね。呼んできて」
染井がそう言うと三間は部屋から出ていった
「しかし特殊部隊ヤバいですね。躊躇なく殺してますし」
名畑は倒れている職員を見るとそう言った。この職員が使っていた武器は小見山に回収されており、部屋のすみにまとめられていた。そのまとめられている武器の中にはショットガンやサブマシンガンの他に手榴弾があった。そして床には液体と割れた瓶が転がっていた
「この職員もなかなかヤバいわよ。これどう見ても火炎瓶よ」
染井は割れた瓶を見るとそう言った
「この火炎瓶手作りなんですかね?この瓶、ビール瓶にしか見えないのですが……」
名畑は染井の見ていた瓶を見るとそう言った。確かに名畑の言う通りその瓶はビール瓶の形をしていた。すると後ろにいた古泉がこう言った
「火炎瓶は基本手作りかと、簡単に作れるので」
「え?作れるの?」
名畑は驚きつつそう言った。すると古泉は頷くとこう言った
「はい。知りたければ自分で調べて下さい。今の時代、大抵のものは調べたら出てくるので」
古泉はそう言った。と言っても普通のゾンビ対策官に火炎瓶が必要になることはない。なので作り方などはっきり言ってどうでも良かった
「まぁヤバいということは分かった」
名畑はそう言うと立ち上がった。そして武器庫の中を見回した。この武器庫は棚が沢山あり、その棚に武器が入っているという仕組みだった。なので名畑は近くにあった棚を開けた
「は?」
名畑は中に入っているものを見るとついそう言ってしまった。すると染井と古泉が名畑の横から覗きこんだ
「はい?何でこんなところにゾンビが……」
染井はそう言うと後退りした。名畑の開けた棚は他の棚よりも大きいものだった。そして中にはゾンビが入っていた。しかしそのゾンビは一切動かなかった
「何があったんですか?」
加宮はそう言うと名畑の横に移動し、棚の中を見た。そこには恐ろしい顔をしたゾンビが入っていた。加宮はそれを見ると驚いて後ろに倒れてしまった
「ちょっと、大丈夫?」
染井はすぐに加宮を起こそうとした。しかし加宮はあまりのショックに腰が抜けたらしく、座ったままだった。そして震えており何を話しているのか分からなかった
「班長、これは思ったより凄いものを見つけたかも知れません」
加宮を何とかしようとしている染井に名畑はそう言った。しかし染井にはそれがどういう意味なのか分からなかった……
名畑穂純
ゾンビ対策士長
武器……剣
短刀
拳銃




