表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
168/347

#152 捏造

それから一時間後の午前九時……


この時間にはマル食品羽町工場にいるゾンビを全て倒し終わっていた。なので有川と笛中、林は部下達にゾンビの処理を任せてこのあとどうするかについて話していた


「建物は三つあるし分かれるか?」


そう言ったのは有川だった


「いえ、それだと警察官が来たとき知られてしまいます。なので一班はここに残しましょ」


笛中はそう言った。警視庁ゾンビ対策課…… これに所属する警察官はゾンビ対策官と同じようにゾンビと戦っていた。しかしほとんどゾンビと戦わず、ゾンビ対策官が倒したゾンビの身元を調べる事をしていた。なのでもし警察官がこの工場にこられると困るのだった


「それが良いですね。あくまで今やってる事は外部に知られると大変なことになりますしね」


ゾンビ殲滅局は現在行っている「マル食品羽町工場作戦」を外部に公開しないということで作戦を進めていた。この作戦が外部に知られてしまった場合、今後の捜査に支障が出るという理由だった。しかし本当にそれが理由なのかは林達には分からなかった


「じゃあ林班はここで待機でいい?」


「構いませんよ」


「じゃあ警察官が来たら適当に理由つけて中に入れさせないでおいて」


笛中はそう指示すると羽町工場の建物を調査するために部下を集めようとした。しかしそんなとき正門から誰かが集団で入ってくるのが見えた


「作戦中止だ。邪魔なのがきた」


笛中はそう言うとこの工場の敷地内に入ってきた人達を見た。その集団は五人以上いた。そして服装でここに来たのが警察官だということが分かった


「少し遅かったな。宇土に報告して今日は撤収するか」


「そうですね。とりあえず自分が相手してきます」


笛中はそう言うと警察官のいる場所へと歩き出した。そして一番近くにいた警察官に話しかけた



「そこの君、警察側の班長はいるか?話がしたい」


笛中がそう聞くと男性警察官は振り返るとこう言った


「有木警部、対策官が話をしたいそうです」


その警察官がそう言うと今いる警察官の中で一番階級の高い人が笛中の所に来た。なので笛中は有木警部と呼ばれる男性にこう言った


「ここにいたゾンビは下水管にいたゾンビと判断し、殲滅局側はこの捜査は行いません。警察側はどうしますか?」


笛中は有木にそう嘘をついた。この場にいたゾンビは伊中が集合液を垂らしたため、集まってきたのであって下水管から出てきたゾンビではなかった


しかし警察官はいま来たばかりだったので何が起きていたのか全く把握していなかった。なので有木は笛中にこう言った


「我々は今来たばかりなので作戦時の状況は分かりません。あとでレポートを送ってもらえませんか?」


「分かりました。完成したらすぐに送ります」


笛中はそう言うと有川と林のいる場所へと戻っていった。そんな笛中を有木は不思議そうな目で見ていた……



「とりあえず嘘ついて集合液の事は話してません。ボロ出さないうちに撤収しましょう」


「それがいいな。それと本部に戻ったら緊急会議だってよ。警察官が来たから計画が狂ったんだとよ」


「了解です」


笛中はそう言うと部下達にいる場所へと向かった。そして部下と共に倒したゾンビを一ヶ所にまとめ始めた……




午前十一時、東京本部第二会議室……


東京本部の第二会議室はまるで講堂のような造りになっており、会議室の中では二番目に大きい会議室だった。そんな会議室に東京本部にいる全班長と隊長、そして本部長や作戦立案官等が集まっていた


「新しい羽町作戦を考えた。モニターを見ろ」


そう言ったのは作戦立案官の藍卯だった。するとみんなの視線が藍卯の後ろにあるモニターに集まった


「早くしろ」


「ごめんごめん」


藍卯がそう言うと宇土は慌ててパソコンを開き、マル食品羽町工場の航空写真を出した。この写真は今回の作戦のために情報管理部がこっそりとドローンで撮影したものだった。なのでかなり画質が良かった


「明日羽町本作戦を行うが、開始は午後三時から、そしてこの作戦の主司令は宇土で行う。これについて異論のある奴はいないか?」


藍卯はそう言うと会議室を見回した。しかし誰も話さなかったため藍卯は説明を続けた


「この作戦は午後三時からだが、宇土司令部隊、笛中班、有川班、林班、伊東班、染井班は午前八時にはここにいろ」


ガタンッ!


笛中は音を立てて立ち上がった。そして藍卯にこう聞いた


「なんでこんなに早いんだ?何のためにそんな時間から待機させるんだ?」


笛中がそう言うと藍卯はこう言った


「警察官が来たときの為だ。笛中班が今日の作戦のレポートを渡すとなれば絶対に違和感に気付くだろう。だからもし警察官が敷地内に入って捜査した場合、何かあったら助け出せ。分かったか?」


「分かったよ」


笛中は藍卯の勢いにのまれてしまい、それしか言うことが出来なかった。するとそんな笛中を見た藍卯はこう言った


「もちろんだけど警察に渡すレポートは捏造しなさいよ」


「もちろんするよ。真実なんて教えられないし……」


笛中はそう言うと椅子に座った。そして警察官に渡すレポートにどんな嘘を書こうか考え始めた……




青池穂色あおいけほいろ


警視庁ゾンビ対策課一班、巡査部長


武器……短剣

拳銃

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ